小千谷で「いもカフェ」!さつまいもを愛する女性オーナー。

いもが好きだから。その一途な気持ちで「いもカフェ」をオープン。

本日ご紹介するのは、「さつまいも好き」が高じて農業に興味を持ち、小千谷市に嫁いで「さつまいも農カフェ」なるものをオープンしてしまった女性オーナー。全国ネットテレビのバエラエティー番組で紹介され、お店は盛況が続いています。なぜ彼女が小千谷の地で、名物でもないさつまいもがメインのカフェをはじめたのか? その秘密に迫ってみたいと思います。

 

テレビ番組出演でブレイクした新谷さん。放送から半年経っても影響力は絶大。

全国ネットテレビのバラエティー番組で「さつまいも畑で結婚式をあげた女」として紹介されていたのが「さつまいも農カフェきらら」の代表・新谷梨恵子さん。人気番組で紹介されたとあって知名度は一気に上がり、放送から半年近く経った今でも「放送を見て来た」というお客さんが1日1回は来店するほど。テレビの影響なんてきっと1週間くらいで収まる…と思っていた新谷さんですが、想像以上の影響力に驚きを隠せません。今では北海道や四国といった遠方からもお客さんが来てくれます。なかには、新谷さんに会うためだけにわざわざ小千谷に来るお客さんもいるのだとか。「せっかくいただいたチャンスですので、精一杯対応させてもらいたいと思ってます。」新谷さんは一人一人にきちんと接するよう心がけているそうです。

 

「さつまいも農カフェきらら」の代表・新谷梨恵子さん

女子高生の人生を変えた、焼きいも屋さんのひとこと。

新谷さんがさつまいもに目覚めたのは高校一年生のとき。焼きいも屋さんとの会話がきっかけでした。「いもの中で、なぜさつまいもだけ甘くなるのか知ってる?」。その答えを焼きいも屋さんから聞いた新谷さんの胸はトキメキます。「さつまいもだけ心があって、人間のために甘くなろうとがんばってくれるんだよ。」それ以来、さつまいものことが愛おしくてたまらなくなってしまったのでした。

 

さつまいもに夢中になった新谷さんは、農業大学を目指すためわざわざ文系から理系に転身(農業大学は理系の勉強をすると思い込んでいたそうです)、そして東京農業大学に入学したのでした。当時は青年海外協力隊、農業実習などで積極的に海外を訪れ、首長族などの山岳民族とも暮らします。そのとき、「世界の食糧難をさつまいもで救いたい」という壮大な夢を抱いたのです。

東京から小千谷の農家に嫁ぐ

将来は農家に嫁ぎたいと考えていた新谷さん。「農業大学に通えば農家の息子と出会える」と思っていましたが、残念なことに農家の息子は家業を継がないといっている人が多かったそうです。大学時代に付き合っていた先輩は、卒業してすぐに実家の小千谷に帰郷していました。そこで新谷さんは月2〜3回、小千谷の先輩のもとに通いつめます。先輩に会いに行っている…はずが、そのうち目的が山菜採りや農業体験に変わっていきました。先輩のお母さんに「将来どうするの?」と聞かれ、正直に「農業をやりたい」と話したところ、「じゃあうちにお嫁に来れば?」。

 

そんな展開で先輩と結婚した新谷さん。なんと嫁ぎ先は「4年ぶりに嫁が来た!」と新聞に載るくらいの小さな村。結婚してすぐに赤ちゃんができたこともあり、そんな小さな村では友人もなく、家族以外に話し相手がいない孤独な日々を過ごすことになります。次第に、ママ友を中心にして少しずつ友達ができていきましたが、新谷さんはその頃、人脈の大切さを知ったそうです。「人付き合いはお金ではどうにもなりません。むしろ時間が大切。時間をかけて築き上げていくものなんですよね。」

 

本当は予定になかった? さつまいもカフェ小千谷に登場。

母となった新谷さん。小千谷にある農業法人で「さつまいもプリン」「すいーとぽてと」などの開発に携わり、退職後に農産物のプロデュースを手がける「農プロデュースRitz」を自ら起業します。農産物の加工や販売、アドバイス、農作業要員の派遣などが営業品目で、元々、飲食店経営は予定していなかったそうです。農作物加工のために厨房付き物件を探していたものの、なかなか最適な場所が見つからず、最終的に借りることになった物件が「あまりに大きめの店舗スペースだった」という理由で、「さつまいも農カフェきらら」を開業することを思いつきました。

 

小千谷市で飲食店を経営することについては、周囲から反対する声も大きかったそうです。しかも、開業直前に一緒に経営を行う予定だったパートナーが突然降りてしまい、大ピンチになってしまったのでした。「でも、そのことで人に甘えることなく自分で頑張らなくちゃって気持ちが強くなって、何とかやって来れたんだと思ってます。」と、新谷さん。

 

長居とお子様連れ大歓迎の店にしたい。

「さつまいも農カフェきらら」は、お客さんにゆったり過ごして欲しいという思いから、飲食店には珍しい長居歓迎のお店にしました。「子育てをしているとき、お店での外食が難しかった経験から、子ども連れでも外食しやすい、入りやすい店にしたかった」という新谷さん。座敷だけの店内は、それぞれの席が互い違いになっているため、視線が合いにくく、プライベート感が保てて落ち着けます。また奥には襖のあるスペースもあり、他のお客さんに迷惑をかけることなく、子どもとゆっくり過ごすことができます。「育児の期間って意外と短いので、少しでも長く子どもと過ごしてほしい。一緒に楽しんで思い出を作ってほしいんです。」

 

小千谷食材と、新しいさつまいもメニューの開発。

県内の農家に友達の多い新谷さんは、いろいろな農産物を仕入れさせてもらう機会が多いそう。仕入れた農産物はお店の料理に使うほかに、新潟市のスーパーや農産物直売所、東京などでの販売もしています。また、小千谷市内のパン屋さんから仕入れたパンをお店のメニューに使ったり、地元ラーメン店からチャーシューを仕入れて、ちまきを作ったりと、コラボメニューにも積極的です。

 

特にさつまいものメニューに関しては「さつまいも料理の既成概念をくずしたい。」と気合が入ります。「さつまいもメニューと聞いたときに『どうせ天ぷらかなんかでしょ』とか思われたくないんです。」そんな思いが特許申請中の「やきいもソフト」をはじめ、「さつまいもグラタン」「さつまいもグリーンカレー」などの新しいメニューを生み出しています。四六時中、さつまいもメニューのことを考えているという新谷さん、まだまだ新しいメニューが生まれそうです。

 

オススメのさつまいもや、食べ方について。

さて、せっかくなので、オススメのさつまいもを聞いてみました。真っ先に返ってきたのは、店名にもなっている「紅きらら」の名前。「見た目がオレンジっていうのは、いも業界の革命だと思っています。」なかなか見かける機会が少ない種類ですが、あまり売れないので出荷数も少ないのでないか、とのこと。

 

続いて、オススメの食べ方を聞いてみました。「やっぱり焼きいもが一番。いもの良さを最大限に生かした食べ方です。」掘ったばかりのいもはおいしくありません。しばらく熟成させることが大事なのですが、紅はるかの場合で最低45日間寝かせるそうです。その際、冷蔵庫で保管するのは低温障害を起こすのでNG。また、13度以下だと腐りやすく、20度以上だと芽が出てきてしまいます。温度管理さえしっかりやれば1年間は保存できますが、それをしっかりと調整するのは新潟ではなかなか難しいそうです。

 

次においしい焼き方です。いもは火が通ったからといってすぐ食べてはおいしくありません。いもの中のでんぷんが糖に変わって甘くなるのが加熱してから45分以降。そのため、100度〜130度の低温でじっくりと1時間半くらいかけて焼くことで甘くなるそうです。焼きいもにしてから冷凍保存すると甘みが増すのでオススメだとか。いいこと、聞きました。

これからやってみたいこと。

昨年、新谷さんは「株式会社農プロデュース リッツ」として組織を法人化しました。法人化の理由は、働いているスタッフたちのため。今後は障がい者雇用などを増やしていくほか、人材育成にも力を入れていきたいと意気込みます。また、現在の店舗を開放して、いろいろな人に使ってほしいとも考えています。「レンタルカフェ、フリーマーケット、各種教室、ワークショップ、チャレンジショップなど、小千谷で様々なことにチャレンジしている人たちを応援したいです。」その気持ちには、小千谷に対しての恩返しという意味もあるのかもしれません。新谷さんのさつまいもに賭ける情熱は、これからもどんどんいろんな人たちを巻き込んで広がっていきそうです。

 

 

野菜たっぷり日替わりランチ 1,080円

農家のお茶飲みごっつぉ 600円

焼きイモソフトクリーム 中 420円

フライドイモ子 大 540円

雪イモポテト 580円

 

さつまいも農カフェ きらら

新谷梨恵子 Rieko Araya

1978年東京都江戸川区生まれ。高校時代にさつまいも愛に目覚め、東京農業大学に進学。在学中に交際していた先輩との結婚を機に小千谷に移住。農業法人の会社を経て「農プロデュースRitz」を立ち上げ「さつまいも農カフェきらら」をオープン。このたび「株式会社農プロデュースリッツ」として法人化。さつまいも愛や農業愛だけではなく、スタッフ愛も強い。

 

さつまいも農カフェ きらら

小千谷市桜町2495-1

0258-94-5995
10:30-18:00 水曜木曜休

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