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雪のように柔らかな口どけのわらび餅「生わらび餅専門店 新雪」。

とろりとした柔らかな口どけで人気のある「わらび餅」は、1,000年以上も前から食べられていたという記録があるほど、古くから日本人に愛され続けてきました。そんなわらび餅の専門店「生わらび餅専門店 新雪(しんせつ)」が新潟市西区にオープンしました。オーナーの小川さんを訪ねて、生わらび餅へのこだわりと今後の抱負を聞いてきました。

 

 

 

和菓子工房

小川 正和 Masakazu Ogawa

1987年新潟市中央区生まれ。新潟大学経済学部卒業。外食系企業で10年間働いた後、フランチャイズ店のオーナーを経験。2023年に「和菓子工房」を立ち上げ「生わらび餅 新雪」をオープン。趣味は勉強を兼ねたカフェ巡り。

 

初めて食べた美味しいわらび餅に衝撃を受ける。

——小川さんは新潟大学で経済学を学んだんですね。

小川さん:はい、僕は自分のお店を持つことが夢だったんです。だから大学で経済学を勉強したあと、全国的な居酒屋チェーンを手がける外食企業に就職して、経営や企業について学びました。

 

——特に居酒屋さんがやりたかったんですか?

小川さん:そういうわけでもなかったんですけど、その企業には独立を応援してくれる支援制度があったんです。それで2022年に独立して、テイクアウト唐揚げのフランチャイズ店をはじめたんですけど、生わらび餅との出会いをきっかけに今度は「生わらび餅専門店 新雪」をオープンしようと思いました。

 

 

——唐揚げからわらび餅とは、大きく舵を切りましたね(笑)

小川さん:勉強を兼ねて食べ歩きをするのが好きなんです。そのなかで出会った、北海道にある和菓子屋さんのわらび餅に衝撃を受けて「これだ!」と思いました。きな粉や黒蜜の味に負けない、わらび餅自体のしっかりした甘みや風味を感じることができたんです。

 

——そのわらび餅に賭けたわけですね。

小川さん:わらび餅の製造には特別な機械を必要としないというのも大きかったですね。もちろんその分技術は必要になってくるので、半年かけて北海道の和菓子屋さんに作り方を教わりました。配合は計ってわかるものではないので、素材の状態を見ながらタイミングを計るんですけど、そうした勘を身につけるまでは苦労しました。

 

——わらび餅以外の商品もやってみようとは思わなかったんでしょうか?

小川さん:最初から手当たり次第にやってもうまくいかないだろうと思ったので、生わらび餅に特化した専門店としてはじめたんです。新潟は米どころということもあって、和菓子文化が強い土地だと思うんですけど、わらび餅を主力商品にしているお店がないというのも理由のひとつでしたね。

 

希少な本わらび粉を使って作る、新雪のようなわらび餅。

——店名の「新雪」には、どんな意味が込められているんでしょう?

小川さん:「新潟生まれの、雪のように柔らかいわらび餅」というイメージで名付けました。

 

——その柔らかさは、どんなふうにして生み出されているんですか?

小川さん:ひとつめは砂糖の配合、ふたつめは希少な本わらび粉を使うこと、みっつめは手練りして銅鍋を使って作るということですね。銅鍋は熱伝導が高いので、素材に素早く火を通すことができるんです。

 

 

——本わらび粉を使うことで仕上がりは変わってくるんですか。

小川さん:全然違いますね。あと、わらび餅の成分はほとんどが水分なので、使う水にもこだわっています。ミネラルを含んだ水にするために、国産の備長炭をひと晩浸けた水を使うようにしているんです。添加物は一切使っていません。

 

——いろいろなところにこだわって作られているんですね。

小川さん:手練りで作っているので、1日に作ることのできる数が限られてしまうんですよ。オープン当初はたくさんのお客様が来てくださったのですが、品切れが続出してしまってご迷惑をおかけしてしまいました。今は客足も少し落ち着いてきましたね。

 

——どんなお客さんが多いんですか?

小川さん:地元にお住いの、30〜50代のお客様が多いような気がします。そのなかでも、リピーターのお客様がいらっしゃると本当に嬉しいですね。連日で来てくれたり、1日に2回来てくれたりするお客様もいるんですよ。

 

——それはかなりのヘビーユーザーですね。ところで、どんな種類のわらび餅があるんですか?

小川さん:プレーンな「生わらび餅 新雪」のほかに、「抹茶わらび餅」「黒糖わらび餅」「笹川流れの塩きな粉わらび餅」「生チョコわらび餅」をご用意しています。笹川流れの塩みたいに、新潟の素材もどんどん使っていきたいと思っています。今後は「笹団子わらび餅」も販売予定です。

 

 

——わらび餅だけでも、かなりバリエーションが豊かなんですね。

小川さん:ドリンクメニューとして「もちっぺ」という「推しドリンク」もあるんです。

 

——推しドリンク?

小川さん:自分の応援しているアイドルや俳優、キャラクターをイメージするカラーの「推しドリンク」を注文して、写真をSNSに投稿するのが流行っているんですよ。今まで「もちっぺ」は「エスプレッソアフォガード味」「カラメルプリン味」「抹茶クリーム味」の3種類しかなかったんですが、「ブルーベリーヨーグルト」「レトロメロンクリーム」「パッションフルーツオレンジ」など12種類が新しく登場する予定なんです。もちろんそれは、カラーのバリエーションを意識して作りました(笑)

 

 

——自分の推しカラーを選びやすくなるわけですね(笑)

小川さん:そうなんですよ(笑)。それで、「もちっぺ」という名前はインスタグラムで公募してフォロワーの皆さんにつけていただいた商品名なんですが、そのイメージキャラクターがこのたび誕生したんです。今後はそのキャラクターをカップのシールやインスタグラムの発信など、「もちっぺ」の告知に使っていくつもりなので、可愛がっていただきたいですね。

 

——今後はどんなふうに営業展開をしていくんでしょうか?

小川さん:5月28日にアピタ新潟西店様で出店させていただくのをはじめ、これからは催事出店に力を入れて、多くの方に生わらび餅の魅力を知っていただきたいを思っています。そしていつか新潟を代表するブランドにしていきたいですね。わらび餅以外の和菓子にも挑戦して、新しい新潟名物を生み出せたらいいなと思っています。

 

 

 

生わらび餅専門店 新雪

新潟市西区小針3-26-19

025-378-4473

10:30-18:00(土日祝日は17:00まで)

月曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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