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美しい花があれば心は通じる。ドライフラワーショップ「Tette」。

旅の終着点は、あたたかい心が集う燕三条だった。

燕市にあるドライフラワーショップ「Tette(テッテ)」。可愛らしいドライフラワーと一緒に、笑顔で出迎えてくれるのがオーナーの山本さん。彼女はこれまで世界中を旅した経験をもつ浪花女子。旅の思い出話とともに、燕市でお店をはじめたキッカケをうかがいました。

 

Tette

山本 いすず Isuzu Yamamoto

1993年大阪府生まれ。大学卒業後、世界一週の旅へ出発。合計19ヶ国を巡って行き着いた先は三条市。2019年秋「Tette」をオープン。関西訛りがチャームポイント。

 

大阪出身の山本さん。どうして新潟でお店をはじめたの?

――今日はよろしくお願いします。山本さんは大阪の出身なんですよね? どんなキッカケで新潟に来られたんですか?

山本さん:旅先での出会いがキッカケなんですけど…ちょっと話が長くなるかもしれません…。

 

――旅をしていたんですか? 気になりますね。教えてください。

山本さん:大学2年生のときに、ひとりで沖縄へ旅行しました。それが楽しくて、それからちょこちょこと国内旅行に行くようになって。そしたら、旅先で知り合った友人に会うために目的地を選ぶ、っていう楽しみを見つけたんです。「この楽しみを世界でできたら素敵だな…」と思って、数社からもらっていた内定を蹴って、卒業後に思いきって世界一周の旅に出発したんです。

 

――え? 就活してたのに内定を蹴って旅に出たんですか? すごいですね(笑)

山本さん:両親にはめちゃくちゃ反対されましたけどね(笑)。でも、旅費を貯めるために夕方から朝までアルバイトをしていたら、どうにか認めてもらえました。

 

――世界一周の旅って、何ヶ国をまわったんですか?

山本さん:大学を卒業した年に大阪から出発して、まずはタイへ行きました。水掛け祭りとして有名なソンクラーンにまずは参加したんですけど、バイ菌がにやられて…2週間ぐらい松葉杖の通院生活からのスタートになっちゃって。それからミャンマーやマレーシアのアジア地域、オーストラリアやニュージーランド、ウクライナ、アイルランド、スペインなど、11ヶ月をかけて合計19ヶ国を巡りました。

 

 

――新潟にやってきたキッカケは旅先での出会いと言っていましたけど、どこの国での出来事だったんですか?

山本さん:今、私はドライフラワーショップ「Tette」をしながら、併設されている「Guest House Triangle(ゲストハウストライアングル)」でもスタッフとして働いています。そのゲストハウスのオーナーの沼田くんとのファーストコンタクトがキューバのゲストハウスだったんです。ラウンジで友人と会話をしていたら、泥酔した彼が「GOODね~、GOODね~」と叫びながら酒瓶を持って現れました。まぁ、ヤバいやつがいる…って思いましたよね(笑)。これが新潟に来ることになったキッカケです。

 

――酔っ払いに絡まれたのがその「出会い」ってことですか。自分だったら関わらないようにしますけどね…(笑)。

山本さん:関わらないようにしていたけど、結局、一緒に飲みはじめてしまいました(笑)。その後、ボリビアのウユニ村を歩いていたらまた再会して。帰国してからも飲み友達として仲良くしていたら、急に「新潟でゲストハウスをはじめるから、一緒にやらない?」とお誘いがきたんです。

 

出会いからはじまった「Tette」と「Guest House Triangle」。

――それで、沼田さんの急な誘いに乗っかったんですか?

山本さん:誘われたとき、私は大阪の花屋さんで働いていたけど、田舎でのんびりと暮らしたい願望がありました。だから、ちょっとだけその誘いに興味があって。とりあえず「Guest House Triangle」をオープンするという燕市に行ってみました。そしたら燕の人たちがとってもあたたかく出迎えてくれて。嬉しかったし、ゲストハウスには興味があったし、ここでなら花を仕事にできるんじゃないかと…気がついたら移住しちゃっていました(笑)

 

――ようこそ新潟へ(笑)。それでは「Tette」について教えてください。どんな意味が込められた名前なんですか?

山本さん:手と手がつながるあたたかい言葉の造語として「Tette」という店名にしました。…が、あるときフランス人のお客さんに笑われたんです。何でだろうと思って調べてみたらイタリア語で…。これ以上は言えません。調べてみてください(笑)

 

 

――あとで必ず調べてみます(笑)。じゃあ店名の話は置いておいて、どんなお店かも教えてください。

山本さん:ドライフラワーの専門店です。単品やアレンジメントの販売、ドライフラワーで作るブーケなどウエディングの仕事も含めて。あと、ワークショップの開催もしています。小学生の女の子が来てくれたり、パパさんも参加してくれたり、みんなで楽しめる「町の花屋さん」ですね。

 

――なるほど。新潟(燕市)に来てみて、どうですか?

山本さん:とっても気に入っています。「これ、作ったから食べて」と近所の人がお裾分けをしてくれたり、「どんなお花があるの?」って、お散歩がてら顔を出してくれたり、とにかく温かいコミュニケーションがたくさんあるから、毎日がハッピーです。

 

花と技術は言葉と同じ。ミャンマーでもらった贈り物。

山本さんが花の仕事をはじめたキッカケは、ミャンマーに滞在中、ある女の子から「アナタは友達。だから花をあげる」と現地の花をプレゼントされたという思い出を大切にしているから。共通の言葉を交わせなくても、花と、それを美しく魅せる技術があれば心は通じる。感謝や喜びも共感できる。そんな想いから今の仕事をスタートしたのだそうです。今度はこの町の人たちが「Tette」からハッピーをもらう番ですね。

 

 

 

Tette

新潟県燕市宮町3-6

080-1522-8208

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