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隠れ家のような「鮨㐂やまだ藤七」で楽しむ、極上のお鮨と時間。

新潟駅の真ん前という立地にありながら、隠れ家のように佇んでいる「鮨㐂やまだ藤七(スシキヤマダトウシチ)」にお邪魔してきました。落ち着いた雰囲気の店内で迎えてくれたのは、店長を務める山田さん。お鮨の味やお店の雰囲気について、たくさんのこだわりを聞いてきました。

 

 

鮨㐂やまだ藤七

山田 敏明 Toshiaki Yamada

1961年新潟市南区(旧白根市)生まれ。「ホテルオークラ新潟」の和食部門で経験を積んだ後、新潟市内の鮨店で店長を25年間務める。2022年より「鮨㐂やまだ藤七」の店長に就任。趣味は家庭菜園で、採れた作物をお店の料理に使うこともある。

 

ゆったりした雰囲気と料理を楽しむための「隠れ家」。

——かなり奥まったところにお店があったので、ちょっと探しました(笑)。まるで隠れ家みたいなお店ですね。

山田さん:はじめて来たお客様は入りづらいかもしれませんね(笑)。看板も出していないし、店内にはメニュー表もありませんから……。落ち着いた雰囲気のなかで、お客様にはゆったりした時間を過ごしていただきたくて、あえて隠れ家のような雰囲気のお店にしているんです。店内にはもうひとつ、小さなカウンターのある部屋があって、そちらはもっとこじんまりとした隠れ家っぽい雰囲気になっているんですよ。

 

 

——通りがかりの人がふらっと立ち寄るというよりも、ここを目指してきたお客さんのためのお店という感じなんですね。店内にも余計なものがなくて、とても落ち着きます。

山田さん:ありがとうございます。温もりを感じられるよう、全体に木を使った内装になっているんです。カウンターは木の手触りを感じてもらうために、塗料を塗らず白木のままにしてあります。お鮨と一緒にお店の雰囲気も味わってもらいたいですね。

 

——この空間自体がご馳走になっているわけですね。お鮨屋さんでよく見る、お品書きの木札も見当たらないですね。

山田さん:今までの鮨店とはスタイルを変えて、コース料理をメインにしているんですよ。以前やっていた鮨店では飲み屋感覚で利用するお客様が多かったんですが、「鮨㐂やまだ藤七」はしっかりとお鮨を味わってもらえて、食事を楽しんでいただける店を目指しています。

 

 

——なるほど。だからコース料理をメインにしているんですね。

山田さん:料金に応じたコースを5種類ご用意しています。中でも、お客様にはそのときの美味しい魚を存分にお楽しみいただきたいので、「軽妙」か「五白」の2つのコースをお薦めしたいです。もちろんお鮨はお客様の前で握って、タイミングを見ながらお出しするようにしています。

 

——カウンターがフラットだから、お客さんから山田さんの仕事がよく見えますね。会話も楽しめそうです。

山田さん:私はホテルで働いていた頃から、お客様の前で鉄板焼きを振る舞ったり、お鮨を握ったりして接客の経験を積んできましたので。お客様からも気軽に話しかけていただきたいですね。

 

お客様に、満足して帰ってもらうために。

——お鮨にも相当なこだわりがあるんでしょうね。

山田さん:新潟の飲食店ではよく「地産地消」という言葉を耳にしますけど、うちは地物にこだわり過ぎず、美味しくて質の高い食材を全国各地から仕入れるようにしています。新潟で採れた食材を新鮮なうちにお出しする店も多いですが、私は少し寝かせて熟成させてから使っています。そうすることで、ネタがシャリに馴染みやすくなると思うんですよね。ネタとシャリの相性にはとてもこだわっています。

 

 

——ということは、シャリ自体にもこだわりが。

山田さん:東京で出会った赤酢を使っています。新潟ではあまり使われていないんですけど、使ってみたらお客様からの評判がとってもいいですね。

 

——食材や調味料にも山田さん独自のやり方があるんですね。

山田さん:そうですね。ありきたりのものではなく、できるだけ独自性の強いものをお出しして、お客様に楽しんでいただきたいですね。

 

 

——ちなみに、例えば他では味わえないものとしてどんなものを出しているんでしょうか?

山田さん:甘鯛の鱗を唐揚げして刺身で巻いたものをお出ししたことがありますね。しっとりした刺身の中に唐揚げのザクザクした食感を感じることができて、お客様からは喜んでいただけましたね。あと一般的には醤油をつけて食べる魚を塩で召し上がっていただいたりもしています。お客様には目で見て驚いて、食べてまた驚いていただきたいんです。

 

 

——お客さんに新鮮な驚きを与えたいわけですね。ところで、お鮨屋さんでよく見るネタケースが見当たりません。

山田さん:私の背後にあるのがネタを保存している冷蔵庫です。電気を使わず大きな板氷を入れて冷やすタイプの、昔ながらの冷蔵庫なんですよ。電気冷蔵庫とは違って、ネタが乾燥せずに湿度を保つことができてとても便利なんです。

 

 

——へ〜、昔の道具って今より不便だったりするけど、実は機能的なものが多いんですね。最後になりますが、お客さんに対してはどのように接するように心がけていますか?

山田さん:料理だけではなくて、サービスの質も高めたいと思っています。ただマニュアルに従うだけの接客じゃなくて、一番大切なのはおもてなしの心と笑顔じゃないでしょうか。それが結果として現れるのは、お客様がお帰りになるときなんです。うちの店に満足して、喜んで帰っていただけるのが何よりの幸せですね。

 

 

 

鮨㐂やまだ藤七

新潟市中央区花園1-2-2

025-250-0858

16:00-23:00(L.O.22:30)

日曜祝日、第2第4月曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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