Things

カタチを変えながら食とワインを提供する「TRAITEUR MEME」。

暖かく過ごしやすい日が増えてきましたね。春の到来を感じられるこの時期を心待ちにしていた方も多いと思います。春といえば、桜。新潟市内で桜を楽しめるスポットのひとつが、鳥屋野潟です。今回ご紹介するのは、その鳥屋野潟沿いにある「TRAITEUR MEME(トレトゥール メメ)」。お惣菜やお弁当、ナチュラルワインを揃えていて、テイクアウトも鳥屋野潟を眺めながらテラスで食事をすることもできる、まさにお花見にピッタリのお店です。オーナーの鈴木さんに、お店のことについていろいろとお話を聞いてきました。

 

TRAITEUR MEME

鈴木 弘武 Hiromu Suzuki

1979年新潟市生まれ。新潟調理専門学校を卒業後、愛知県のホテルとレストランで6年間修行を積む。新潟に戻ってからも飲食店で経験を積んだ後、30歳のときに家業に入る。家業に合流してから、父と共に「手作り弁当 彩食や」を立ち上げる。2020年11月に「TRAITEUR MEME」をスタート。

 

「ちょっといい日常を過ごす」ためのメニューが充実。

——お惣菜やお弁当、スイーツにパン。それにワインも揃っているお店なんですね。

鈴木さん:このお店はイートインもできるし、テイクアウトもできる「飲食店」です。でも正直なところ、どんなお店か表現しにくいんですよね(笑)。知人からも「何屋なのかよく分からない」って言われるんですよ。でも、ある意味その通りで、僕自身は「○○のお店」や「○○専門店」というふうには着地したくないと思っているんです。こんなふうに言うと文章にするのが大変だと思いますが、すみません。

 

——いえいえ、そんな。お気遣いありがとうございます。

鈴木さん:今はテイクアウトメニューが前面に出ていますし、お客さまからも「テイクアウトの店」と認識していただいていると思うんですが、このお店が提供できることはそれだけではないんです。今はコロナ禍に対応して個食のメニューが多いですけど、これは本来やろうと思っていたスタイルではないんですよね。

 

——ふむふむ。

鈴木さん:状況や環境に合わせて、いろいろなことができるのがこのお店の強みなんです。時間がないのであれば、好きなメニューを選んでご自宅に持ち帰っていただけるし、ゆっくりしたいのであれば店内で過ごしていただけます。オードブルやお弁当を用途やご予算に合わせて作ることもできます。基本的に「お客さまがどんな場面で、どんなふうに食を楽しみたいか」に応えられるお店だと思っています。

 

 

——なるほど。お店にはどんなニューがあるのかも教えてください。

鈴木さん:和洋中、アジア料理といろいろなジャンルの家庭料理を季節ごとに揃えています。時季によってメニューは異なるんですが、油淋鶏、海老しんじょう、シーフードマリネ、ローストビーフなどの定番もあれば、ホッケとパクチーのエスニックサラダ、カブとブルーチーズのソテー、八色しいたけとキアヌのすだち風味など個性的なメニューもあります。店名の「TRAITEUR MEME」は、フランス語で「おばあちゃんのお惣菜屋」という意味なんですよ。

 

——お弁当も販売しているんですよね。どれが人気の商品ですか?

鈴木さん:香りが良くて歯切れの良い「一番摘み」の海苔を使った「至高の海苔弁当シリーズ」は人気があります。チラシに載っていないお弁当もお作りできますし、オードブルを追加することもできます。ビジネスの場面など、たくさんの数のオーダーも大歓迎です。

 

——これからの季節、お花見やピクニック用にオードブルなどをオーダーすることもできるんでしょうか。

鈴木さん:もちろんです。お花見には好みのオードブルとサンドイッチでもいいですよね。パンに挟んで食べられるオードブルもたくさんありますし、ナチュラルワインも揃えていますので、ワインに合うメニューも楽しんでください。

 

——オードブルにパン、それにナチュラルワイン。きっと合うでしょうね。

鈴木さん:このお店には「からだに優しくちょっといい日常を!」というテーマがあるんです。コストの関係があり「素材と調味料、100%すべて有機栽培されたもの」とまではいきませんが、からだに優しいものを優先的に扱っています。これからの時期は全国から自然栽培された野菜もたくさん入ってくるんですよ。

 

自然栽培のぶどうだけで作られた「ナチュラルワイン」を楽しむ。

——たくさんあるワインも気になっていました。このワインはどんなものなんでしょう?

鈴木さん:置いてあるワインはすべてナチュラルワインです。個人のお客さまにも販売しますし、レストランなど飲食店にも卸しています。

 

 

——ナチュラルワイン……聞いたことはあります。でも、きっと普通のワインとは違いますよね?

鈴木さん:厳密な定義はないんですが、自然栽培で育てたぶどうを使って化学的なものを加えず、ぶどうの果汁だけで作られたワインを「ナチュラルワイン」と言います。自然のものだけで作られているから、悪酔いすることがないですし、飲んだ翌日は体調がスッキリしているんですよ。そのことを僕は、自分の身体で体験済みです(笑)

 

——ということは、もしかしたらナチュラルワインって保存があまり効かない?

鈴木さん:防止剤はまったく使われていないか、輸送のために極少量入れられるだけですね。でも、醸造段階で酸化防止剤のような成分をぶどうが作り出すし、保存が効かないということはないですよ。ただ、ちょっと扱いにコツが要ります。ナチュラルワインは栓を開けたら変化するものだし、その変化を楽しめるワインなんです。

 

コロナ禍とともに変化するお店。個食から大皿メニューにシフトすることを構想中。

——ところで、どんな経緯でこのお店をはじめることに?

鈴木さん:コロナ禍の2020年に、もともと営んでいた「彩食や」を鳥屋野潟に移転させて、そして同じ場所で新しく「TRAITEUR MEME」をはじめました。コロナ禍が明け、もう一度世の中に変化が起こるときを想定して、分かりやすい場所にお店を設けたいと考えたんです。それに、コロナ禍が落ち着いたら、みなさん、ご自宅に人を招いたり、大勢で食事をしたりする機会がきっと増えますよね。そんな場面に柔軟に対応する準備をしておこうと考えたんです。

 

 

——お話を伺っていると「お客さんの要望に合わせて柔軟に対応してくれるお店」という印象を受けました。どんなふうにも利用できる、嬉しいかたちのお店なのだな、と。

鈴木さん:そうですね。「いろいろな場面で美味しいものを提供できるお店にしたい」と考えています。「コロナ禍の状況とともに、変化していく」、そんなお店になれたらと思っていますね。

 

——これからの展開で考えていることがあれば、教えてください。

鈴木さん:新型コロナウイルスの状況次第ですが、大皿から好きなメニューを好きだだけ取り分けるスタイルをやりたいと思っているんですよね。やってみて、思ったようにならなかったら、また違うことをやると思います。どんなときでもお客さまの「こんなふうに過ごせたらいいな」という声に応えていきたいですね。

 

 

 

TRAITEUR MEME

新潟市中央区神道寺南2-6-2

025-384-0874

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP