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今までにないドックウェアを。ニットで着心地と優しさ「Wants」。

五泉のニット工場「ウメダニット」から生まれたドッグウェアブランドの「Wants(ワンツ)」。明るく元気になるポップなカラーリングや、ニットならではの着せやすさが特徴です。今回は、ブランドの立ち上げに携わった香遠さんと渡邊さんに、ドッグウェアを開発することになった経緯や、商品の魅力など、いろいろお聞きしてきました。

 

株式会社ウメダニット

香遠 ちひろ Chihiro Kouen

1988年加茂市生まれ。専門学校卒業後、新卒でウメダニットに就職し企画を担当。趣味は愛犬フレンチブルドッグの写真を撮ること。

 

株式会社ウメダニット

渡邊 さゆり Sayuri Watanabe

1989年新潟市東区生まれ。文化服装学院を卒業後、東京で約5年働いて新潟に戻りウメダニットに就職。趣味は愛犬の柴犬を連れて遠出をすること。

 

ウメダニットのドッグウェアブランド計画。

――まずは自社ブランド「Wants」の立ち上げの経緯から教えてください。

香遠さん:もともと社長と会長のご家族がワンちゃんが大好きで、「ドッグウェアをやりたい」って話は何年か前から出ていたんです。コロナもあって社内でも新しいことに取り組もうという時期で、「今こそやるべきなんじゃないか」っていうところで話が具体的になっていきました。

 

渡邊さん:私たちが立ち上げに抜擢されたのは、プライベートでも犬を飼っていて、飼い主目線で考えることができるんじゃないかってことだと思います。

 

 

――新規ブランドの立ち上げに不安はありませんでしたか?

渡邊さん:前々から何かしらの新規事業が始まるような雰囲気は感じていたので、「ついにやるんだな」って感じでワクワクして、不安というよりも楽しみでしたね。

 

香遠さん:私はちょうど犬を飼い始めた頃だったので、いつか自分の犬もなにかしらのかたちで関われたらなって思いました。プライベートと仕事を完全に分けてしまうんじゃなくて、ドッグウェアを作る私も楽しみながら、犬も会社に連れてきたりしたいなって。そして作った服をいろんなワンちゃんたちに届けることができたら嬉しいなと思っていました。

 

――ちなみにどんなワンちゃんを飼っているんですか?

渡邊さん:私は柴犬を飼っています。柴犬ってあまりお洋服を着ないんですけど、最近はペットショップとかで自然にドッグウェアに触れる機会も増えていきました。それまで社内での担当は婦人服がほとんどだったので、新しいこともやってみたいなってタイミングでこういうお話をもらって、すごく良かったなと思います。新たなチャレンジができる機会をいただけた感じでした。

 

――ドッグウェアの前はどこの部署にいらしたんですか?

香遠さん:ふたりともドッグウェアに携わる前は、OEMでお客様が作りたいものを作れるように社内全体に設計図を書いて指示をするような仕事をしていました。今もそれは並行してやっています。

 

自分たちが何を作りたいか、と考える難しさ。

――新ブランドを立ち上げるにあたっては、まず何から始められたんですか?

香遠さん:やっぱり市場調査とか。ネットでオンラインショップとか海外のサイトを見ていろんなデザインを研究しました。みんなで案を出しあう感じですね。

 

――とくに苦労された部分はどんなことですか?

渡邊さん:ブランドのコンセプトやデザインを一から考えなければならなかったことですかね。今まではお客様からの要望をかたちにするって仕事だったので、いざ自分が何を作りたいかって考えたときに難しさを感じました。

 

 

香遠さん:自分がやろうとしていることはターゲットにはまるのか、競合がいないのかってところをまず調べて、ある程度方向性は決まったんですけど、自分の趣味で「これがかわいいと思うから作りたいです」ではなくて、ブランドとしてどういうコンセプトで作った方が良いのかっていうすり合わせに苦労しました。まずどういうブランドにしたいのかっていうところですね。

 

――細かい意見のズレをまとめていく作業ってとても大変ですよね。

渡邊さん:デザインを考えるにあたって社長も同席して、アドバイスをもらいながら進めていますけど、他の人の案も取り入れつつ「ブランドとして何が最善か」っていうのを導き出すのがとても大変でしたね。

 

――どんなテーマにまとまったのでしょうか。

香遠さん:「見た人が元気になれるような色使い」というテーマに決まりました。これを軸に作り始めてからは徐々に見えてきた感じですね。

 

――そこからさらなる試行錯誤が始まるわけですね。

渡邊さん:当然ですが人間の服とはまったく違うので、設計とかサイズ感に苦労しました。実際にワンちゃんに着せてみて袖のところのアームホールの沿い方が悪いな、とか。試着してみないと分からないところもたくさんあって。形の確認とかはサンプルを作って着せてみて、そこから修正するといった繰り返しですね。

 

香遠さん:去年の秋にテスト販売を行ったんですけど、そこに至るまでには2~3回サンプルを作りました。パターンなど設計部分の修正はしていたんですけど、実際出来上がってみると既に市場に出ているような、既視感のあるものになってしまっていたので、ウメダニットならではの差別化を考えていかないとなって思いました。

 

ニットならではの、伸縮性を取り入れたドッグウェア。

――ウメダニットらしさというのは?

香遠さん:社長の想いを深堀りしていったときに、社長の持っているドッグウェアはインポートものが多いって気がついたんです。インポートにはキャッチ―な色使いのものが多いので、「海外の配色センスを取り入れた国内生産のニットのドッグウェア」っていう立ち位置がいいんじゃないかっていうのをみんなで共有して詰めていきました。

 

渡邊さん:モニターさん何名かに実際に使用していただいて、そのときに「ニットだと伸縮性があるからすごい着せやすい」ってお話があったんです。そこは押し出していくべきところなんじゃないかって気づかせてもらいました。テキスタイルだけでなく、そこからはニットの伸縮性を活かした縫製方法を積極的に使っていく方向に切り替わりました。

 

――ニットの特長をいかす方向性でいきながら、国内では買えないようなブランドを目指したと。

渡邊さん:インポートドッグウェアの綺麗でキャッチ―な色使いを見ていると、飼い主さんも明るい気持ちになれると思ったので、特にそういった配色の要素を大事にしています。

 

――テキスタイルはどういったところに気を使われているんですか。

渡邊さん:配色が映えるかどうかとか、柄だけでなく編み方の変化で立体感を出せるように気を配っています。ニットらしさというかニットでやる意味を考えて作ってますね。凹凸だったりニットの網目だったりもニットならではの面白さだと思うので、そういうところにウメダニットで作る意味があるんじゃないかなと思っています。そうじゃないともうプリントでいいじゃんてなっちゃうので。

 

 

――それを服に落とし込んでいくっていうのは、どういう作業なんですか?

香遠さん:ウメダニットとしてのベースのかたちは去年からのサンプル作りでだいたい固まってきているので、そこに伸縮性を持たせるためにどんなニットテキスタイルをはめ込むか、着脱・運動時にワンちゃんがなるべくストレスを感じないようにするにはどうしたらいいのか、ってことを考えます。

 

香遠さん:これなんかも袖を付けたらかわいいという話になったんですけど、袖を付けることで接ぎ目(はぎめ)と縫い代が出てきますよね。洋服を作る感覚でそのまま袖を付けると、この縫い代がワンちゃんのストレスを感じる要素のひとつになってしまうと思ったので、縫い代が出ないような工夫をしました。ワンちゃんがストレスを感じない仕上りにすることにはこだわっています。

 

配色、着せやすさなど、自分たちが見て欲しい部分を認めてもらえた。

――お客さんにしっかりと良さが伝わると良いですね。

渡邊さん:今まではOEMがメインだったので、自社ブランドを発信してお客様に見てもらうことをやってこなかったんです。去年の11月と今年の3月に「S.H.S」さんでイベントを行ったんですけど、事前の告知をどこでどう広めていったらいいのか分からなくて、ちゃんと周知ができていませんでした。その失敗をふまえて今年5月のイベントのときは、新潟市内のいろんなお店にチラシを置いていただいたり、PR活動にご協力いただいて、当日多くのお客様に足を運んでいただきました。

 

――反応はどうでしたか?

渡邊さん:事前の告知がうまくいってワンちゃんを連れてきてくださるお客様もいっぱいいらっしゃいました。いろいろな媒体でも取り上げてもらったので、そこでの反応も良好でした。実際のお客様の反応もそこで初めて知ることができたように感じます。

 

――どのような声が多かったですか?

渡邊さん:まず色で目に飛び込んでくるような商品が多いので、「色使いが可愛いね」「正面から見たときのシルエットが可愛い!」「着せやすい」などのお声をいただきました。お腹のところが伸びる編み方にしてあるので、店頭で実際に見てもらうと「すごく着せやすそうだね」という声は特に多くいただきました。

 

 

――まさに売りとしている部分がしっかりと伝わっていますね。

香遠さん:自分たちが売りとしているところを、実際にお客様に認めていただけたことで安心しましたし、ここがぶれたらいけないなと思いました。あとは、もっといろんな種類のワンちゃんに着てもらって、サイズ感とかのデータを蓄積していけば、今後のサイズ展開も含めてもっとつき詰めていけるなと思っています。現在はミニチュアシュナウザーを想定して企画をしていますが、ゆくゆくはいろんな犬種に合わせたサイズ展開ができたらなと思います。

 

――今後の展開が楽しみです。

渡邊さん:今はオンラインストアのオープン前で(※取材後の7/18にオープン)、実際に購入できるのが「S.H.S」さんで定期的に行うPOP UPイベントしかないので、オンラインストアがオープンしたら新潟の方だけじゃなくて全国の方たちに「Wants」の服をお届けしたいです。写真の投稿などでSNSが盛り上がってくれたらうれしいですね。あとはいただいた反響をもとに、編地の開発にも力を入れて、種類を広げていけたらなって思っています。チワワとかティーカッププードルとか小さい犬種のモデルさんも募集しているのでご興味ある方は是非ご連絡お待ちしております!

 

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