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60年以上続く中華料理店、地域の集会所を目指す「やまか飯店」。

長岡市にある「やまか飯店」。創業から60年以上経つ今も、地域に愛され続けている町中華のお店です。4年前にリニューアルオープンしてから、昔から続く良さを残しながらも、バージョンアップを続けています。3代目店主の中村さんに、お店で提供している料理へのこだわりや、お店を続ける中で大切にしていることなど、いろいろなお話を聞いてきました。

 

 

やまか飯店

中村 亮 Ryo Nakamura

1975年長岡市生まれ。サラリーマンを数年経験した後、21歳のときに「やまか飯店」を家業として営む奥さんとの交際をきっかけに、飲食の道へ進む。東京の中華料理店などで経験を積み、26歳のときに3代目店主として「やまか飯店」を継ぐ。

 

東京の中華料理店で修業を積んだ3代目。

――中村さんは3代目なんですよね。創業されたのはどなたなんですか?

中村さん:私は婿でここに入ったんですよ。もともと妻のばあちゃんが、60年以上前にここで出前中心の食堂をはじめたんです。カツ丼とか鍋焼きうどんを出すような店で、そのときの店名が「やまか食堂」でした。

 

――最初は食堂だったんですね。中華料理店になったのはいつからなんですか?

中村さん:先代である妻の父の代です。「俺は中華をやりたい」と言って新潟と長岡で修業して、戻ってきて店名を「やまか食堂」から「やまか飯店」に変えたそうなんですよね。そこから中華メインの店になりました。

 

――中村さんはいつから働かれているんでしょう?

中村さん:21歳のときから働いています。それまではサラリーマンをやっていたんですけど、そのときには妻と交際していましたので、家に遊びに行って先代の仕事を見ていました。それで「私も料理がやりたいな」と思うようになったんです。

 

――お義父さんの中華料理を作る姿がかっこよかったんですね。

中村さん:先代にいろんな中華料理の店に連れて行ってもらって、どんどん中華の魅力に引き込まれていきました。ダイナミックに見えるんですけど実はすごく繊細なことをやっているところとか、元気で勢いがある感じとか、そういうところが好きですね。その後、先代に東京のお店を紹介してもらって、そこで中華料理を勉強しました。

 

 

――どんなお店で修業されたんでしょうか。

中村さん:新宿にある北京料理の店で、北京ダックが名物でしたね。本店が台湾にあるお店でした。

 

――町中華というよりは本格的な中華料理のお店だったんですね。

中村さん:そうですね。先代が「やっぱり最初は一流の仕事を見てきた方がいい、そこから地域に合ったようにくずしていけばいいんじゃないか」って言ってくださったんです。

 

――じゃあ今ある親しみやすいメニューも、ベースには本格中華で学んだ経験があるわけですね。

中村さん:実は普段のメニューとは別にコース料理もやっていて、この間はフカヒレの姿煮を出しました。簡単なパンフレットを作って常連さんに配ると、来てくださる方が多いんです。そのときはいつもよりちょっといい材料を使って、普段とは違う料理を作っています。

 

誰でも美味しく食べ切れる、味とボリューム。

――数年前にリニューアルされたそうですね。店舗だけではなくてメニューも変えられたんでしょうか。

中村さん:メニューもだいぶ変えましたね。前は点心系だと餃子と春巻きくらいしかなかったので、エビシュウマイとか種類を増やして。あとエビチリは赤と黄色の2種類置いているんです。

 

――へ〜、赤と黄色でどう違うんですか?

中村さん:赤いエビチリは豆板醤で、黄色いエビチリは青唐辛子で辛味をつけているので、黄色のほうが辛いんですよ。黄色いパプリカを焼いて、生姜とかと一緒にフードプロセッサーでペーストにしているんです。

 

 

――今回作っていただいた麻婆豆腐は、アツアツの状態で出てきてテンションが上がっちゃいました。

中村さん:麻婆豆腐は土鍋に入れて煮立った状態で提供しているんです。2種類の豆板醤をブランドして使っています。そのまま食べてもご飯にかけて食べても美味しいですよ。

 

――いちばん人気なのはどのメニューですか?

中村さん:「やまか担々」ですかね。担々麺には練りごまを使う店が多いと思うんですけど、うちはを炒りごまを使っていて、挽きたてを入れているんです。だから食べるとごまがガツッと来るんですけど、脂っこくないんです。だいたいランチには担々麺と一緒にミニライスを付けるんですけど、ご飯をドボンと入れて食べているお客さんも多いです。「ここの担々麺はスープも全部飲める」って言ってくださる方もいますね。

 

 

――中村さんはどんなお店を目指して「やまか飯店」を続けられているんでしょうか。

中村さん:「地域の集会所」になったらいいなと思っています。先代のときはお客さんのほとんどが地元の人みたいな、もっとローカルな店だったんですけど、「もうちょっといろんな方に来てもらえるようにしたいな」と思って。今は子ども会とか町内会、消防団、PTAとかの集まりでも利用していただいていますね。

 

――本当に集会所になっているんですね(笑)

中村さん:お年寄りから子どもさんまで来られるので、誰でも食べ切れるような辛さやボリュームになるようには気をつけていますね。「もっと辛くしてください」っていうリクエストにも応えますよ。

 

より美味しくなるように、バージョンアップを続ける。

――今後もお店を続けていく上で、大事にしていきたいことがあれば教えてください。

中村さん:現状維持にならないように、バージョンアップを続けるっていうことですかね。どうすると美味しくなるか、常に考えていたいというか。エビひとつにしても、どうやるといちばん美味しいかとか、水菜より他の野菜を乗せたほうがいいんじゃないかとか。考え出すと寝られないくらい(笑)。それが面白いですよね。

 

 

 

やまか飯店

長岡市上除町甲3617-1

TEL: 0258-46-2256

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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