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自家栽培野菜を使って薪窯で作る「小さなピザ屋さんKANKAN」のピザ。

南魚沼市のJR六日町駅裏口に「小さなピザ屋さんKANKAN」というお店があります。お店の前に積まれた薪を使って焼き上げる「薪窯ピザ」が味わえるお店です。オーナーの阿部さんは、20代のはじめの頃、東京でアルバイトをして生活していました。どうして魚沼にやってきて、薪窯ピザのお店をはじめたのでしょうか。休憩時間におじゃまして、新潟に来たいきさつやピザ作りについてお話を聞いてきました。

 

 

小さなピザ屋さん KANKAN

阿部 春生 Haruo Abe

1977年東京都生まれ。22歳のとき湯沢のリゾートホテルでアルバイトをしたことがきっかけで新潟に移住。その後はイタリアンレストラン、ピッツェリアで経験を積み、2016年に「小さなピザ屋さんKANKAN」をオープンする。子どもたちと休みを合わせてキャンプに行くことが何よりの楽しみ。

 

自然豊かな土地に憧れ、東京から魚沼に移住。

——阿部さんは東京のご出身なんですね。新潟で暮らしはじめたきっかけは何だったんですか?

阿部さん:20歳を過ぎた頃からスノーボードにハマって、週末のたびに新潟のスキー場へ滑りに来ていたんです。それで、趣味と実益を兼ねて、湯沢のホテルで冬期のリゾートアルバイトをはじめたんですよ。プライベートな時間にはいつでもボードが楽しめて最高でしたね。それで、もともと「自然豊かな土地で暮らしたい」っていう憧れがあったので、そのまま新潟で暮らすことにしたんです。魚沼で暮らしはじめてからは、イタリアンレストランや湯沢にあるピッツェリアで働いてきました。

 

 

——イタリアンには最初から興味があったんですか?

阿部さん:そうですね。新潟に来る前も、東京のイタリアンレストランでアルバイトをしていたんですよ。当時から薪窯を使ったピザを作っていて。でも失敗して怒られたことも多かったですね。

 

——薪窯を使うのって難しそうですよね。

阿部さん:薪窯は温度が上がるまでに時間がかかるし、薪の種類や状態によって火のつき方も違うから難しいんです。アルバイトの頃は初歩的な失敗もやらかしましたよ。開店直前になって、薪窯に火がついていないことに気づいたんです。慌てているうちに開店時間になって、お客様がどんどん入ってきちゃって……。オーナーにめちゃめちゃ怒られましたね。

 

 

——そ、それは大変でしたね……。でも、このお店を開店する前から、ピザ作りの経験は豊富だったんですね。

阿部さん:はい。今までの経験がとても役に立っています。特に湯沢のピッツェリアで学んだことをベースに、自分なりのアレンジを加えながらピザ作りをしています。

 

——独立して自分のお店をオープンしたのは、どういういきさつだったんですか?

阿部さん:自分もいい歳になっていたし、アルバイトも含めて長い間ピザやイタリアンの経験を積んできたので、独立するにはいい機会かなって思ったんです。湯沢のピッツェリアで働きながら独立の準備をして、2016年の7月に「小さなピザ屋さんKANKAN」をオープンしました。「KANKAN」っていう店名は、美味しいものを食べたときに鳴らしたくなるような幸せの鐘の音なんです。

 

減農薬の自家栽培野菜や、薪窯を使った自慢のピザ。

——「小さなピザ屋さんKANKAN」は、どんなお店にしたいと思ってはじめたんでしょう?

阿部さん:毎週来てもらえるような、地元に密着したお店にしたかったので、リーズナブルでカジュアルなお店を目指しました。子どもからお年寄りまで、誰でも気軽に来てもらえるお店が理想なんです。

 

——お店の雰囲気もアットホームで居心地も良さそうですよね。阿部さんの作るピザって、どんなことにこだわっているんですか?

阿部さん:まずは粉ですね。北海道産のピザ用小麦粉に、イタリア産の全粒粉をブレンドして使っています。全粒粉を使うことで生地のうま味や栄養価がアップするんですよね。

 

 

——やっぱり粉って大事なんですね。

阿部さん:もちろんです。あとは薪窯を使って焼き上げるっていうことですね。温度が300℃以上になる遠赤外線で焼くので、外はカリッと、中はもっちもちの食感に仕上がります。コナラの薪を使っているので、薪の香りもほんのりと感じることができるんです。薪にこだわる分だけコストがかかるんですけど、自分でも納得できるベストなピザを焼くことができていると思います。

 

——なるほど。美味しいピザを作るためにはコストがかかるのは仕方がない、と。そんなこだわりで作るピザにはどんなものがあるんでしょう。

阿部さん:「水牛モッツァレラチーズのピザ」はぜひ食べてみてほしいですね。イタリア産の水牛モッツァレラチーズを使ったマルゲリータなんです。水牛のチーズは濃厚なうま味やコクがあるんですよ。冷凍とはまるで美味しさが違うので、うちの店ではフレッシュチーズを使うようにしています。トッピングするバジルは、夏の間だけ自家栽培したものを使っているんです。

 

 

——チーズも美味しそうだけど、自家栽培のバジルも美味しそうですね。他のメニューに使っている野菜も、夏場は自家栽培したものなんですか?

阿部さん:はい、奥さんが家庭農園で育てた減農薬栽培の野菜を使っています。「ヴェルデ」というピザにはその野菜をたくさん乗せています。「ヴェルデ」と「クワトロフォルマッジ」というピザが半々にトッピングされている「ハーフ&ハーフ」はお客様にも人気がありますよ。「クワトロフォルマッジ」というのは、ゴルゴンゾーラやグラナダなど4種類のチーズにハチミツがかかったピザです。

 

 

——薪窯にしても、自家栽培野菜にしても、自然のものを使って作るピザという感じがしますね。

阿部さん:ありがとうございます。せっかく自然豊かな土地でお店をやるんだから、できるだけ自然のなかにあるものを使って美味しいものを作っていけたらと思っています。それを食べたお客様が喜んでくれたら、それだけで嬉しいんですよね。コロナ禍が落ち着いてイベントが開催されるようになったら、いろいろなイベントに参加して、多くの人に「小さなピザ屋さん KANKAN」のピザを食べてもらいたいですね。

 

 

 

おすすめの「水牛モッツァレラチーズのピザ」をいただいてみました。チーズ、トマトソース、バジル、オリーブオイルといったトッピングのシンプルなマルゲリータですが、素材それぞれの味に力強さが感じられて、とても食べ応えのあるピザでした。皆さんも心のなかの幸せの鐘を鳴らしに「小さなピザ屋さん KANKAN」を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

小さなピザ屋さん KANKAN

南魚沼市六日町2906-1

050-1237-8225

11:30-14:30(L.o.14:00)/17:30-23:30(L.o.22:00)日曜はランチ営業のみ

木曜休

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