スタイルにこだわらない、オリジナルカレーが楽しめる「やすけカレー」。
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2024.03.29
新発田の道の駅や市役所でおなじみだったキッチンカーの「やすけ’s Spice Car」が、「やすけカレー」としてお洒落なお店をオープン! 広い店内でゆったりとカレーを味わえるようになりました。新しい店舗にオーナーの佐藤さんを訪ねて、いろいろとお話を聞いてきました。


やすけカレー
佐藤 謙介 Kensuke Sato
1983年新発田市生まれ。いくつもの中華料理店で修業を重ね、2022年からキッチンカーで「やすけ’s Spice Car」の営業をスタート。2024年2月「やすけカレー」として新発田市で実店舗をオープン。子どもと一緒にアニメを楽しんでいて、「ハイキュー」がお気に入り。
中華の料理人が、自作キッチンカーではじめたカレー店。
——佐藤さんはいつ頃から料理の仕事をしているんですか?
佐藤さん:高校時代の3年間は地元の中華料理店でアルバイトをしていたんですけど、そのときは料理じゃなくて皿洗いしかやらせてもらえなかったんです。でも、皿を洗わせたらめちゃめちゃ早かったんですよ(笑)
——どんな仕事でも真剣に取り組む姿勢が伝わってきます。その頃はまだ料理に携わることはなかったんですね。
佐藤さん:そうなんですよ。料理の仕事をするようになったのは、高校を卒業してからですね。僕が高校を卒業する頃はいわゆる「就職氷河期」だったので、就職活動もなかなか上手くいかなかったんです。そんなときにアルバイト先の中華料理店から声をかけていただき、正社員として働くことになりました。
——じゃあ、いよいよ料理を作る仕事をはじめることになったんですね。
佐藤さん:7年間料理人として働いていたんですけど、ようやく中華鍋を振らせてもらえるようになったのは最後の半年間でした。でも、高校の同級生たちがそれぞれの夢に向かって努力する姿を見ていたので、自分も負けてはいられないと思いながら頑張りましたね。

——長い下積み時代を経験したんですね。カレー屋さんでも働いていたことがあったんですか?
佐藤さん:働いてきたのは中華料理店ばっかりです(笑)。カレーは趣味で作っていたんですよ。バーベキューにハマっていたので、スパイスがたくさん揃っていたんです。それを使いながらスパイスカレーを作るようになって、Instagramの料理専用アカウントで紹介していたんです。
——それでスパイスカレーのキッチンカーをはじめたんでしょうか?
佐藤さん:20代の頃から自分の店をやってみたいと思っていたんですけど、いきなりはじめてもお客様が来てくれるのか心配だったんです。だったら自分からお客様の元に行けばいいと思ったので、キッチンカーで営業してみることにしました。でもどうやってキッチンカーを手に入れればいいのかわからなかったので、知り合いの自動車屋さんに相談してみたら、ホームセンターにある材料で作れると教えてもらったんです。

——え、まさか自作したんですか?
佐藤さん:毎日のようにホームセンターに通って材料を買ってきました。1日に2回行った日もあります(笑)。暇を見つけての作業だったので1年半もかかりましたけど、おかげでキッチンカーを購入する1/3くらいの費用で済みました。
——とても素人が作ったとは思えない出来栄えですよね。キッチンカーの営業をはじめてみて、大変だと思ったことはありますか?
佐藤さん:実家のキッチンで調理したカレーや料理を、キッチンカーに運び込むのが大変でしたね。2日間連続で出店するときは、1日目に使った道具を洗ってから2日目の準備をするので、さらにキツかったです。でも、その大変さも楽しみながらやっていました。
——量も多いから大変そうですね。ちなみに、どんなところで出店していたんですか?
佐藤さん:地元にある道の駅や新発田市役所で営業させてもらっていました。Instagramでメニューの紹介や出店の告知をしていたんですけど、道の駅の方に「やすけカレー」が出店するかどうかの問い合わせがあったそうなんです。それを聞いたときは、楽しみに待っていてくれるお客様がいることがわかって嬉しかったですね。

出汁とスパイスを合わせた「いいとこ取り」のカレー。
——店舗営業ををはじめることにしたのは、どうしてなんですか?
佐藤さん:キッチンカーに来てくれるお客様から、プラ容器ではなくてちゃんとしたお皿で食べたいという声をいただいていたんです。僕もお客様の食べている姿を目の前で見たいと思っていたので、思い切って実店舗を構えることにしました。
——とても綺麗なお店ですよね。店舗デザインでは、どんなところにこだわりました?
佐藤さん:僕は素人が口を出すよりも、プロにお任せする方がいいものができると考えているので、席数や動線のリクエストだけして後は丸投げだったんです。僕の意見を聞かれるときは、ほとんど「どっちがいいですか?」っていう2択でしたし、いつの間にか天井にプロペラがついてました(笑)。でも、そのおかげでお洒落な店を作っていただくことができて満足しています。

——ちなみに「やすけカレー」という店名には、どんな由来があるんですか?
佐藤さん:先祖が上越で商売をしていたときからの屋号なんです。僕には記憶がないんですけど、「屋号は僕が受け継ぐから安心してくれ」と亡くなったばあちゃんに宣言していたらしいんですよ。その宣言通りに屋号を受け継いで店名にしました。
——そんないきさつがあったんですね。ではカレーのこだわりについてもお聞きしたいと思います。
佐藤さん:スタイルにとらわれない「無国籍カレー」を作りたいと思っています。いろんな国でいろんなカレーが食べられていますけど、それぞれの良さをピックアップした「いいとこ取り」のカレーを目指しているんです。
——どんなカレーなのか気になりますね。作るときにこだわっていることはあるんですか?
佐藤さん:日本人の口に合うカレーにしたいと思っているので、出汁とスパイスを合わせて作っています。中華料理の経験を生かした鶏ガラスープを使うと、カレーの味がまろやかに整うんです。3回以上味見をしたくなるようなカレーしか、お客様に出さないようにしています。

——ますます、どんなカレーなのか気になります(笑)。オススメがあったら教えてください。
佐藤さん:「濃厚えび出汁シーフードカレー」です。キッチンカーの頃からリクエストが多くて、マストで用意していたメニューなんですよ。最近では美味しい牛肉が手に入るようになったので、キーマカレーにも力を入れているんです。
——実店舗をオープンしてみて、よかったなと思うことはありますか?
佐藤さん:キッチンカーとは違って、制約が少ないのは嬉しいですね。おかげでカレーのバリエーションが豊富に増えました。あとは、なんといってもお客様の食べている姿を見ることができるのが幸せです。
——今後は実店舗にしぼって営業していくんでしょうか?
佐藤さん:来月からキッチンカーの営業も再開する予定なんです。お店とキッチンカーで、多くのお客様に美味しい料理を提供していけたらと思っています。

やすけカレー
新発田市豊町3-12-7
070-3256-8200
11:00-14:30/17:00-20:30
月曜休
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