昨年12月、新潟市西区の内野駅の近くに「2539kitchen」という名のシフォンケーキのお店がオープンしました。このお店は新潟県産の米粉を使用したシフォンケーキを販売していて、それもベーキングパウダー、保存料、白砂糖がどれも不使用なんだとか。身体にやさしいシフォンケーキを作ることについて、店長の中村さんにいろいろとお話を聞いてきました。
2539kitchen
中村 剛 Tsuyoshi Nakamura
1979年新潟市西蒲区(旧巻町)生まれ。高校卒業後は大工、飲食店の店員、会社員として働く。2021年12月に「2539kitchen」をオープン。趣味は幼少期から社会人まで続けていた野球とマラソン。
――今日はよろしくお願いします。中村さんはなぜシフォンケーキを作りはじめたんですか?
中村さん:妻が腸の難病になり、しばらく満足に食事ができなくなりました。そこで妻の腸の病気には、小麦粉よりも米粉が良いのではないかということになり、おやつが好きだった妻でもお腹に優しいおやつが食べられるようにと米粉シフォンケーキを作るようになりました。
――そうだったんですね。それからお店をはじめようと思ったのは何かきっかけがあったんでしょうか?
中村さん:妻の難病は原因不明で、妻の体調が少しでも改善するようにと色々調べ、低フォドマップ食が腸の不調を訴える方に優しい食事療法であると医師に教えていただきました。そこで同じ様に腸の不調を抱えている方や安心しておやつを食べていただけるようにと米粉シフォンケーキのお店をオープンすることにしました。
――なるほど。つまり、身体にやさしいシフォンケーキなんですね。
中村さん:そうです。できるだけ身体にやさしいシフォンケーキにするためにベーキングパウダー、保存料、白砂糖は使っていないんです。小麦粉の代わりには、新潟県産米粉を使用しています。最近は、小麦を食べられない人に「これなら食べられます」とか「食べやすいので人にオススメしました」って声をかけてもらえることもあってすごく嬉しいですね。
――シフォンケーキは全部で何種類並ぶんですか?
中村さん:通常は7種類、多いときは11種類並んで、季節や日によってラインナップを変えています。とにかく種類が多くて、例えば、プレーン、ココア、紅茶、抹茶、きなこ、バナナ、プリン……。まだまだあります(笑)。今の時期だといちご味が人気です。
――新潟のお店の商品を使用したシフォンケーキもあるんですね。
中村さん:安心安全なスイーツを提供したいので、信頼しているお店に僕からお願いしました。例えば「Café&Chocolate ミチココ」さんのチョコレートを使用した「ミチココシフォンケーキ」や新潟のお酒「鶴齢」を使った「酒粕シフォンケーキ」を期間限定で販売したり、「鶴齢」の仕込み水をシフォンケーキにも、コーヒーにも使用しています。コーヒーもこだわりの一杯です。
――ほうほう。
中村さん:「Days Coffee Roaster」の白井さんにお願いして、2539kitchenオリジナルのブレンドコーヒーを作ってもらいました。ひとくち飲んだらもうひとくち……となるように、香りにこだわったり、飲みやすくするために酸味を控えてもらったり、僕のわがままを伝えて作ってもらった特別な一杯です。
――どんな方にお店を楽しんでもらいたいですか?
中村さん:やっぱり小麦を食べられない人、自然派スイーツを探している人、それからあとは老若男女問わずいろんな方に楽しんでもらえたら嬉しいです。
――では最後に、今後の目標があれば教えてください。
中村さん:小さな子どもがおこづかいを握りしめて、子どもたちだけでお店に遊びに来てくれることが目標です。その子たちがいつか大人になっていく、それまでの成長の過程にこの店のシフォンケーキがあったらとても嬉しいです。
「お店の人に会いに来てくれるお客さんをこれからもっと増やしていきたい」という中村さん。取材中にお店に訪れたお客さんにも笑顔で声をかけていて、中村さんの人柄が伝わるひとときでした。シフォンケーキはもちろん、素敵な店員さんたちに会いにみなさんもぜひ「2539kitchen」を訪れてみてください。
2539kitchen
新潟市西区内野552
7:00〜コーヒー
10:30〜ホールシフォンケーキ→準備が出来次第カットシフォンの販売
〜18:00閉店
不定休