タコス文化を広めたい。左官屋さんがつくった「TACOS FACTORY」で働く小林さん。
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2025.08.31
6月にオープンした複合施設「NEST 3」。その中にあるショップのひとつ「TACOS FACTORY」は、三条の左官屋さんがつくったお店なんだとか。このお店では、店長の小林さんが本場のメキシコの味をリスペクトしてつくるタコスを楽しむことができます。小林さんのこれまでや、お店のこと、タコスのことなど、いろいろお話を聞いてきました。

TACOS FACTORY
小林 昭弘 Akiriro Kobayashi
1971年新潟市出身。知り合いに誘われバーで働き出したのをきっかけに、料理の道へ進む。2年間アメリカで生活し、帰国後は複数の飲食店での勤務を経て、現在に至る。趣味はスノボとスケボー。4歳の子を持つパパでもある。

20年のキャリアの中で、衝撃を受けたタコスの味。
——「TACOS FACTORY」は左官屋さんがつくったタコス屋さんですよね、ということは、小林さんも左官のお仕事を?
小林さん:僕は左官の仕事はしたことないんです。このお店のオーナーが左官屋さんで、彼に誘われてこのお店でタコスをつくることになったんです。僕自身はずっと料理の仕事をしていましたね。
——料理をはじめたきっかけは?
小林さん:20年前に、知り合いに誘われてバーで働きはじめたのがきっかけですね。最初はバーテンとして働いていたんですけど、「人手が足りない」って言われて調理の仕事もすることになったんです。ニュージーランドの料理を提供しているお店で、外国出身のシェフも多くいました。それまで調理の経験はなかったんですけど、シェフたちと一緒に仕事ができて楽しかったですね。
——その後も、飲食のお仕事を?
小林さん:ハワイ出身の方のお店で働くことになって、海の家や系列のお店で調理の仕事をさせてもらいました。その後は、新潟駅の「ぽん酒館」に入っていた角打ちのお店で調理の仕事もしていました。

——いろんなお店で経験を積まれたんですね。ところで、タコスは……?
小林さん:タコスとは20代のころ出会いました。当時アメリカのカルチャーが大好きで、「何でもいいからアメリカに行きたい! 」と思っていたときに、アメリカの農場で働くプログラムを見つけたんです。それに応募して、2年間アメリカに住んでいました。そこで一緒に働いていたメキシコ人に教えてもらって、はじめてタコスを食べたんです。
——初タコスはいかがでしたか?
小林さん:ものすごく衝撃を受けました。こんなに美味しいものがあるんだって。日本に帰ってから、お店でタコスを出すことはなかったですけど、賄いでつくってみました。「TACOS FACTORY」で出しているタコスは、僕の思い出の味なんです。
——そうだったんですね。小林さんがここでタコスをつくることになったのには、どんな経緯が?
小林さん:左官屋さんだったオーナーが、飲食店をはじめたい、と考えていたときに出会いました。オーナーはタコスを提供するお店をやりたかったみたいで、それで僕に声を掛けてくれたんです。「TACOS FACTORY」には、もうひとりシェフがいて、タコスと他のメニューをふたりで協力してつくっています。

左官屋さんが手掛ける、賑やかで自由に想像できるお店づくり。
——それにしても、「左官屋さんのつくる飲食店」って面白いですね。
小林さん:オーナーは20代の頃、飲食業の経験がありました。その当時の仲間と「飲食店をつくる」と約束したみたいで。人が生きるために欠かせない「衣食住」の「住」である左官の仕事と、「食」を結びつけたお店として「TACOS FACTORY」をつくったんです。
──タコスを提供するお店にしたのも、何か意図があったのでしょうか。
小林さん:タコスって、トルティーヤの上にいろんな具材を乗せて楽しむ料理ですよね。その具材次第で楽しみ方が変わるタコスのように、ここで働くスタッフにも楽しみながら輝けるお店をつくりたくて、タコスを出すことにしたそうですよ。
——そんな意図があったんですね。左官屋さんがやっているということは、内装にもこだわりが?
小林さん:このお店に来る方に、少しでも左官というものを知ってほしくて、比較的新しい左官材料を取り入れています。店内は異国感を出すために、くすんだ色合いにしたのもこだわったところですね。壁に絵を描いてほしかったみたいで、それも踏まえて壁の色を決めたそうですよ。

——壁に描かれた大きな絵ですね。明るい色使いでとても素敵です。
小林さん:オーナーが仕事を通じて知り合った、イラストレーターさんに描いてもらったんです。道路に面した窓には、「TACOS FACTORY」のロゴといっしょに「Festejar la vida!(フェステハール・ラ・ビータ)」という言葉も書いてもらったんです。
——どんな意味の言葉なんでしょう?
小林さん:スペイン語で「人生を祝おう」っていう意味の言葉なんです。「TACOS FACTORY」で人やタコスとの出会いを、みんなでワイワイ楽しめるような場所にしていきたい、というオーナーの思いが込められています。

思い出の味を、本場の食べ方で。メキシコ文化をリスペクトする小林さん。
——ここでは、どんなタコスが楽しめるんでしょう。
小林さん:牛肉を使った「スアデロ」、豚肉を使った「カルニタス」、月ごとに変わるタコスの3種類を楽しんでもらえます。「スアデロ」と「カルニタス」はタコスの定番なので、はじめて来た方にはぜひ食べていただきたいですね。月替りのタコスはそのとき旬の食材をつかっています。何回来てもらっても、楽しんでもらえると思います。
——小林さんが、タコスをつくるときに大事にしていることを教えてください。
小林さん:メキシコをリスペクトすることですね。日本の方向けにアレンジを加えるのもいいと思うんですが、本場のものから離れすぎず、メキシコ文化を尊重してつくることは心がけています。メキシコの食べ方で楽しんでもらえるように、素材を活かした味付けにしています。

——メキシコの食べ方って、もしかして壁に貼ってあるこのことですか?
小林さん:そうです、少し大げさかもしれないですが(笑)。温かいうちに食べてもらうには、やっぱり手で食べてもらうのがいちばんなんです。あとは、具材といっしょにサルサやライム、パクチーも全部一緒合わせて食べてもらいたいんです。
——手で食べることは普段なかなかしないので、楽しいです。タコスにも、王道の食べ方があるんですね。
小林さん:サルサやライム、パクチーがあって、はじめて「タコス」を食べていると言えると思っているんです。言いすぎかもしれませんが、ひとつでもパーツを抜いて食べるのは、お寿司をバラバラにして食べているようなものだと思っていて(笑)。苦手じゃなければ、ぜひ合わせて食べてもらうことをおすすめしています。

——オープンしてから3ヶ月経ちました。これから「TACOS FACTORY」をどんなお店にしていきたいですか?
小林さん:タコス文化を新潟に広められるようなお店にしていきたいです。おにぎりみたいに、もっと気軽で身近な存在になってほしいと思っていて。具材や食べ方はもちろん、雰囲気もメキシコに近づけていきたいですね。ライブ感があるような、メキシコの屋台のような雰囲気を目指していこうと思っています。

「TACOS FACTORY」では、タコスの他にもここでしか味わえない「フライドポテト」や「オニオンリング」も人気。これに合わせてメキシコのビールもランチの時間帯から飲めちゃいます。また、タコスの他にも月替りのカレーもあり、何回通っても違った楽しみ方ができる「TACOS FACTORY」。ぜひ足を運んでみてください。
TACOS FACTORY
新潟市中央区女池神明3-14-3
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