新発田市菅谷地区を元気にするため奮闘中「ABODE菅谷-kitaechigo-」。
その他
2022.07.24
「新発田市の菅谷地区でシードルをつくっている」という噂を聞きつけたThings編集部。地域活性化のために活動しているという「ABODE菅谷-kitaechigo-」さんを取材してきました。メンバーのほとんどが女性だそうで、仕事、家事、育児に日々忙しい様子。そんな中でも、菅谷を元気にしようと奮闘する姿はとてもパワフルで魅力的でした。

ABODE菅谷-kitaechigo-
相馬 絢子 Ayako Soma
1979年聖籠町生まれ。22歳で結婚し、新発田市菅谷地区へ転居。実家のぶどう園を手伝いながらの育児期間を経て、6年前に自身が運営するいちご農園をオープン。2017年に「ABODE菅谷-kitaechigo-」を立ち上げ、現在は代表を務める。

ABODE菅谷-kitaechigo-
二階堂 里子 Satoko Nikaido
1977年新発田市(菅谷地区)生まれ。「ABODE菅谷-kitaechigo-」副代表。専門学校を卒業後、運動施設や企業などに勤める。整体師として働いていた頃、相馬さんと一緒に「ABODE菅谷-kitaechigo-」を立ち上げる。

ABODE菅谷-kitaechigo-
澁谷 由香里 Yukari Shibuya
1981年新発田市生まれ。「ABODE菅谷-kitaechigo-」副代表。専門学校を卒業後、18年間食品会社に勤務。現在は菅谷地区の「高橋農園」で働く。相馬さんと二階堂さんに誘われ「ABODE菅谷-kitaechigo-」に加入。
菅谷で頑張っているママさん主体の「ABODE菅谷-kitaechigo-」。
——皆さんのチーム名「ABODE」ってどういう意味なんですか?
相馬さん:「あぼ」って、この辺りの方言で「行く」って意味なんですよ。「あそこに行こう〜」を「あぼで〜」って言うんです。それで、「菅谷に行こう!」「Let’s go 菅谷」という意味を込めて「ABODE菅谷」って名前にしたんです。
——何人くらいのメンバーがいるんでしょう?
二階堂さん:16名くらいかな。菅谷で頑張っているお母さんたちが多いですね。地元の果樹園「高橋農園」さんご夫婦もメンバーです。
——どんな活動をしているんですか?
相馬さん:地域を元気にするための活動をしています。目に留まりやすい活動としては、旧菅谷小学校で年に1度開催する「すがたにマルシェ」。今年で5回目になるんですよ。地元の皆さんを中心に、毎年マルシェの開催を楽しみにしてもらっています。
二階堂さん:仕事や家事で忙しいメンバーばかりなので、自分たちの生活を大事にしながら「ABODE菅谷」の活動に参加する、ってスタイルなんですよ。だからみんなで集まる機会もそんなに多く設けられないんです。でも月に1度、市役所で野菜市の開催をしていて、「活動を定期的に続けること」も大切にしています。
澁谷さん:あとは、去年から地元「高橋農園」さんのリンゴを使ったシードル「yumekatari」の製造、販売をスタートしました。

——そのシードルについて詳しく聞きたかったんです。
相馬さん:菅谷地区って、もともと果樹栽培が盛んな場所なんです。以前は「フルーツ街道」というスポットもあったくらい。昭和20年代にこの辺りにリンゴの植栽がされるようになって、だんだん果樹園が増えていったみたいですね。どの家庭でもリンゴの木が数本植えてあったそうですよ。
澁谷さん:そんな菅谷のリンゴで「何かを生み出せたらいいよね」って考えから「菅谷のリンゴでシールドを作ったらどんな味がするんだろう」って動き出したんです。まぁ、ひとことで言うと、私たちがシードルを飲みたかったんですね(笑)
——そのシードル、どんな特長があるんですか?
二階堂さん:「yumekatari」は、菅谷自慢の「ゴールデンデリシャス」という酸っぱくて昔ながらの味がするリンゴにフジをブレンドしたシードルです。長野県にあるシードル専門の醸造所の力を借りて製品化しました。
——酸味の強いリンゴってことは、ちょっと大人味のシードルに仕上がっているんでしょうか?
二階堂さん:そうとも限らないんです。むしろ甘いリンゴを使うと、酸味が強めのシードルができあがるみたいですよ。去年は、中辛よりの甘口とすっきりとした辛口の2種類の「yumekatari」を作ることができました。今年はどんなシードルになるか楽しみですね。リンゴのできによって、去年とは違う味わいになるでしょうから。

菅谷の一部で作られていた里芋のルーツを探ってみたら……。
——シードル「yumekatari」が皆さんの名刺代わりとなる商品になったんですね。他にはどんなことをしているんですか?
澁谷さん:「笑み里つばさ」という里芋を増やそうと取り組んでいるところです。今は地元の農協さんも力を貸してくれて、だんだんと本格的な生産ができる準備が整ってきました。
——その「笑み里つばさ」って、どんな里芋なんですか?
相馬さん:嫁ぎ先のおおばあちゃんが自宅菜園で作っていた里芋なんです。私、おおばあちゃんの里芋を食べたてびっくりして。「何これ?」って聞いたら「何って、里芋でしょう」って言われたんですけど、聖籠(※相馬さんの地元)の里芋とは全然違うんですよ。味が濃くて、のっぺにしたらとろみもすごいんです。

——そんな里芋があるんですね。
澁谷さん:調べてみたら菅谷の一部の地域で作られている里芋だと分かったんです。しかも、どの家庭でも「普通の里芋」として作られていて、特別な品種と思われていませんでした。その里芋に、地元の小学生たちと「笑み里つばさ」と名前をつけました。
相馬さん:それから「笑み里つばさ」のルーツを探ってみたんです。そしたら義理の父が「福島の相馬市からきたお嫁さんが、『美味しい里芋だから』って種芋を持って嫁いできた」って言うんです。そのお家からお嫁に行くときは「笑み里つばさ」の種芋を持って嫁いで……って少しずつ広まったんじゃないかという話になって。そんなふうにずっと菅谷で大事に育てられた里芋なんでしょうね。
——なんだかドラマチックな里芋のストーリー。
澁谷さん:菅谷の里芋に興味を持ってくれた山形の大学教授がいらして、その方と一緒に福島の相馬に調査に行ったんですよ。そこで相馬市の里芋と菅谷の里芋は「同じ品種じゃないか」という結論になったんです。どうも200年くらい前から「水害が多い相馬市で栽培しやすい」という理由で作られはじめた里芋のようなんですね。
相馬さん:ちなみに菅谷で「笑み里つばさ」を育てている家は、ほとんど「相馬」という苗字なんです。だから、菅谷の相馬姓は福島の相馬市が由来なのかもしれません。

観光地菅谷の魅力をたくさんの人に届けるために。
——皆さん、仕事や家事に加えて「ABODE菅谷」の活動をされています。地域のために動こうとするモチベーションはどこから生まれるんですか?
相馬さん:私は聖籠から菅谷に嫁いできた20年前から「菅谷ってすごくいいところで観光客がたくさん来るのに、商売っ気のないところだな」って不思議に思っていたんです。お土産を買うところがあってもいいし、地元の野菜を買えるスポットがあってもいいのにな、って。観光地のようで観光地らしくないというか。それで「菅谷地区の魅力をちゃんと届けられる活動をしたい」ってずっと思っていたんです。活動のモチベーションはその思いですね。
二階堂さん:私にとって菅谷は生まれ育った場所だし、相馬さんの考える菅谷の課題が人ごとだとは思えなかったんですよね。「ABODE菅谷」の活動をはじめた頃から、「とにかくこの活動を続けることが大切だ」って思っていました。忙しいママさん世代が多いグループである以上は、活動に参加できる人や時間が限られてしまいます。だから「ここは力を入れて確実にやる」ということを絞ってでも、取り組みを継続したいですね。
澁谷さん:だんだんと「ABODE菅谷」の取り組みが知られてきて、私たちが動かなくても、協力してくれる方々のお陰で動き出すことも増えてきています。それがすごく心強いことなんですよね。マンパワーの問題でやりたいことに取り組めないこともありますし、活動する上での課題はたくさんありますけど、「ABODE菅谷-kitaechigo-」を応援してもらえたら嬉しいです。

ABODE菅谷-kitaechigo-
abode.sugatanishi@gmail.com
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