ペットとして人気の高い猫ちゃんですが、いろいろな事情で飼えない人もいますよね。そんな人たちでも猫と触れ合える空間が「猫カフェ」です。多くの猫カフェはトラブル防止のために、子どもの入店をNGにしているのですが、五泉にある猫カフェ「TOM’NCHI(トムンチ)」では子どもでも猫と触れ合うことができるんです。そのあたりも含めて、店長の塚野さんからお話を聞いてきました。
TOM’NCHI
塚野 郁弥 Fumiya Tsukano
1994年五泉市生まれ。金属加工工場や印刷会社に勤務した後、2019年12月にオープンした猫カフェ「TOM’NCHI」の店長となる。猫以外にはつけ麺が好き。
——ずいぶんたくさんの猫ちゃんがいますね。いったい何匹いるんですか?
塚野さん:今は20匹います。
——へ〜、けっこういますね。どんな種類の猫ちゃんがいるんでしょうか?
塚野さん:いちばん多いのは、半数近くいるマンチカンですね。他にはロシアンブルーやメイーンクーン、ベンガルシンガブーラ、ミックスがいます。最初に飼ったのがマンチカンの「とむ」と「イヴ」だったんですよ。その子どもがまた子どもを産んで、今では3世代が暮らしています。
——もしかして「TOM’NCHI」っていう店名って「とむの家」っていう意味なんですか?
塚野さん:そうなんですよ(笑)
——塚野さんは昔から猫ちゃんが好きだったんですか?
塚野さん:以前家で猫ちゃんを飼っていて小さいときから触れ合ってきたので、猫ちゃんをはじめ生き物が好きなんです。自宅ではわんちゃんも飼っているんですよ。
——子どもの頃から生き物に触れるのって、大事なことなのかもしれませんね。でも、どうして猫カフェをはじめようと思ったんですか?
塚野さん:しばらく猫ちゃんを飼っていなかったんですが、どうしても飼いたかったんです。でも父親はあまり猫ちゃんが好きじゃなくて自宅では飼うことができなかったので、猫ちゃんを飼うために猫カフェをはじめたんです。
——今までいろいろな猫カフェを取材してきましたが、猫ちゃんを飼うために猫カフェをはじめるっていうのははじめて聞きました(笑)
塚野さん:僕もあまり聞いたことがないです(笑)
——それにしても、この建物は新しそうですね。
塚野さん:猫カフェをはじめるにあたって新築したんです。だから、猫ちゃんのことを考えて作られています。
——例えばどんなところでしょうか?
塚野さん:いろんな所に猫ちゃん用の階段を作ったり、窓を大きくして外を眺められるようなスペースを作ったりしています。あと猫ちゃんは爪研ぎをするので、壁が傷まないようにキッチンパネルを貼って保護しているんです。
——このコーヒーは濃厚で美味しいですね。
塚野さん:ありがとうございます。コーヒー問屋さんにお願いして、指定した配合でブレンドしているオリジナルコーヒーなんです。最初は浅めにしていたんですが、近頃は濃いめにしているんですよ。
——今日はクレープって食べられないんでしょうか?
塚野さん:すみません。生クリームが溶けちゃうから、寒い時期だけの提供にしているんです。おかげさまで、見た目が可愛くて写真映えするということで、お客様からはご好評をいただいています。
——ところで、こちらは他の猫カフェと違った特徴ってあるんでしょうか。
塚野さん:ほとんどの猫カフェは小さい子どもの入店をNGにしているんですけど、うちは入店OKにしているんです。でも小さい子どもが苦手な猫ちゃんも多いので、追いかけたりしないように注意する必要はありますね。あと、ゆったり過ごしたいという他のお客様にも迷惑がかからないようにしなければならないので、とても難しいことではあります。
——いろいろリスキーな面も多いように感じますけど、それでも子どもの入店をOKにしているのはどうしてなんですか?
塚野さん:僕自身、子どもの頃から猫ちゃんが好きだったので、猫ちゃんが大好きで触れ合いたいという子どもたちの気持ちに応えたかったんです。小さいうちから生き物と触れ合ってほしいという思いもありました。
——なるほど。他にも猫カフェをやっていて大変だと思うことはありますか?
塚野さん:伸びてきたら猫ちゃんの爪切りをするんですが、おとなしく切らせてくれない子には手を焼きます(笑)。ふたりがかりでも大変なときが多いんですよ。
——1匹あたり18本だから大変ですよね(笑)。ところで、お客さんはどんなふうに過ごしているんでしょうか。
塚野さん:長いお客様は4〜5時間いらっしゃいますね。「推し猫」ができたと言って何度もリピートしてくださるお客様もいます。みんな自分の子どもみたいなものですから、気に入ってもらえるのはとても嬉しいです。
——特に人気のある猫ちゃんっているんですか?
塚野さん:「こむぎ」が一番人気ですね。この子は「とむ」の孫なんですよ。
——へ〜、確かに小さくて可愛いですね。お客さんは推し猫の写真を撮っていくんですね。
塚野さん:撮った写真をSNSに投稿してくれることもありますね。思いがけないアングルで撮っているのを見ると、猫ちゃんたちに対する愛情を感じます。
——他にはどんなお客さんがいますか?
塚野さん:「猫ちゃんを飼いたいけど、今まで飼ったことがない」というお客様も来られるので、そういうときは猫ちゃんについていろいろ教えてあげています。そしたらしばらく経ってから「猫ちゃんを飼いはじめた」と報告に来てくれて、スマホで撮った写真を見せてくれたんです。とても嬉しかったですね。
——確かにここで猫ちゃんと触れ合うと、飼いたくなる気持ちはわかる気がします。
塚野さん:猫ちゃんを世話してあげていると、膝の上に乗ったり甘えたりしてきて、愛情表現してくれるようになるのが嬉しいですよね。愛情をかけてあげると、愛情を返してくれるっていうか。これからも猫ちゃん好きな方が、癒されるスペースであり続けたいと思っています。
TOM’NCHI
五泉市三本木3-5-35
0250-47-8853
10:00-19:00
火曜休