日本最古級の映画館の隣にあるカフェ「世界ノトナリ」。
カフェ
2021.10.18
日本最古級の映画館として有名な「高田世界館」。1911年に「芝居小屋 高田座」として開業して以来、多くの人たちを楽しませてくれています。そんな映画館の隣にあるのが、「高田世界館」の大ファンである大久保さんと、今回インタビューに答えてくれた店長の佐藤さんが開いたカフェ「世界ノトナリ」です。開店から今までのこと、そして現在のことなど、いろいろとお話を聞いてきました。

世界ノトナリ
佐藤 範子 Noriko Sato
1968年長岡市生まれ。保育園のお手伝い、カトリック教会の受付などの経歴を経て、2018年より「世界ノトナリ」の店長に。料理とお菓子作りが好きで、たまに瞑想をするのが趣味。
お客さんの声を叶えた。そんなカフェが「世界ノトナリ」。
――今日はよろしくお願いします。「世界ノトナリ」は、「高田世界館」のファンが開いたとの噂を聞きましたが……本当なんですか?
佐藤さん:本当ですよ。大久保喜和さんという「高田世界館」の大ファンが発起人となって、「世界ノトナリ」はスタートしました。彼女は映画館に通うだけじゃなくて、お掃除を手伝ったり、ちょっとした助っ人をしたり、ボランティアスタッフとして働くくらい「高田世界館」が大好きなんです。
――ボランティアスタッフをするなんて、本当に「高田世界館」が大好きなんですね。どんなキッカケで「世界ノトナリ」はスタートしたんですか?
佐藤さん:「高田世界館」って、県外からも映画好きが集まる映画館なんですよ。だから、「この辺で美味しいお店ってある?」「コーヒーが飲める場所ってどこ?」とか、周辺のお店についての質問が多いんです。で、そんな声があるなら映画好きが集まる場所を自分でやろうと、喜和さんが思い立ってスタートしました。

――なるほど。佐藤さんは、どのタイミングで加わったんですか?
佐藤さん:喜和さんとは以前からの知り合いで、立ち上げのタイミングで誘ってもらいました。私は目の前にあることに対して、「はい」としか言えない性格だから誘いに乗ったんですけど、飲食業の経験はなかったから、カフェの立ち上げなんて未知の世界でしたね(笑)
――えー。飲食業の経験がないのに……? チャレンジャーですね(笑)。もしかして、佐藤さんも「高田世界館」のファンだったとか?
佐藤さん:何回か観に行ったことはあったけど、映画は詳しくないんですよね(笑)
――えーー。「そうなんですよ」って答えを期待していたのに(笑)
佐藤さん:でも、喜和さんの「高田世界館」に対する愛情と熱意に押されて、飲食未経験でも、映画に疎くても、とにかくチャレンジしてみることにしたんです。……あ、今では映画が好きになったし、ちょこちょこと観に行くようにもなったんですよ、私。

――喜和さんの影響力が大きかったんですね。そういえば、喜和さんの姿が見えないですね……。
佐藤さん:実は怪我をしてしまって、今はちょっとだけお休み中なんですよね。でも、「高田世界館」には映画を観に行っているし、ここにも顔を出しているから、タイミングが合えば会えますよ。

映画好きが語らい、コミュニティーが生まれる場。
――「世界ノトナリ」には、どんな人たちが訪れていますか?
佐藤さん:食事やコーヒータイムを楽しんでいる人たちもいますけど、やっぱり、「高田世界館」で映画を観て、ここで語らっている人たちが多いかな。あと、地域柄なのか、芸術系や文学系の人も結構いますね。
――へー。映画館の隣にあるカフェって感じがしますね。そんな人たちが新たな出会いでつながることもあるんですか?
佐藤さん:同じ趣味嗜好の人たちが集まるから、ここでコミュニティが生まれることも珍しくありません。「高田世界館」でイベントがあるときは、出演者のファンも集まって、そこでまたコミュニティが生まれたりもしますしね。
――例えば、どんな出演者が?
佐藤さん:映画監督はもちろん、井浦新さん、オダギリジョーさんとか俳優でしょ……、モデルなんかも。出演者がお店を使ってくれることもあるから、たまにドキドキしちゃいます(笑)

おもてなしの心。それが一番大切なこと。
――そういえば……飲食業の経験がないのに、どうやってお店を切り盛りしているんですか? カレーやサンド、デザートまで、いろんなメニューが揃っていますよね。
佐藤さん:私の家は、来客が多かったんですよ。だからそういうときは、いつもご飯を作ったり、ケーキを焼いたりしてもてなしていました。珍しい料理を作ることもあったから、その経験が生かされているんですよね。
――ちなみに、その経験から生まれたメニューはどれですか?
佐藤さん:ん~……いろいろあるけど、強いて言えば「ハムのサンドイッチ」かな。結婚したばかりの頃、珍しい料理を作るのが好きで、手作りハムを作っていた経験がそのまま生かされています。

――ハムを作っていたなんて……本当に料理が好きなんですね。なんだかお話を聞いていると、お客さんをもてなしていた環境が、ご自宅からお店に移ったように感じますね。
佐藤さん:それはありますね。料理を作ってもてなすことは、「よく来てくれましたね」が伝わりやすい行為だと思っています。このおもてなしの心が、飲食業には欠かせないし、元々あったからこそ、未経験でもここまでやってこれたんでしょうね。
――おもてなしの心って、大切ですよね。……それでは最後に質問です。ひょんなことからスタートした「世界ノトナリ」での仕事ですが、やってみてよかったと思うのは、どんなところですか?
佐藤さん:えー、たくさんありますよ(笑)。「お店を営み、お客さんをもてなす」というやるべきことが見つかったこと、映画を観るようになったこと、文化人とかいろんな人に出会えたこと、自分で作った料理に「美味しい」と言ってもらえること……。「世界ノトナリ」をやってみてよかったと思えることは、思いつかないぐらいたくさんありますね。

世界ノトナリ
上越市本町6-4-19
025-512-4982
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