幸せを分け合い、誰もが安心できる居場所「more cafe」。
カフェ
2024.02.11
越後線粟生津駅のすぐ近くにある「more cafe」。とっても優しい雰囲気の、ほっこり落ち着けるお店です。かつて保育士として働いていた店主の渡邉さんに、新しい人生のステップとしてカフェをはじめた理由や、どんなお店を目指しているのかなど、いろいろとお話を聞いてきました。

more cafe
渡邉 愛 Ai Watanabe
1985年燕市生まれ。青陵大学短期大学部幼児教育学科を卒業後、保育士として働く。アルバイトやアパレルの仕事などを経て、保育士に復職し10年以上勤務。2022年3月に退職し「more cafe」としての活動をスタート。間借りカフェやイベント出店で実績を重ね、2023年11月に実店舗をオープン。3児のお母さん。
「大きくなった子どもたちにまた会いたい」。うきうきワクワクを選んだ先。
——渡邉さんは、元保育士さんだそうですね。
渡邉さん:地元で10年以上保育士をしていました。3人目の子どもを出産するタイミングで「もう仕事復帰はしないだろうな」と自分の気持ちが固まったんですね。2022年の3月に退職して、カフェのオープンに向けてスタートしました。
——カフェをやろうと思ったきっかけは何かあるんですか?
渡邉さん:「いつかカフェをやりたいな」って、ぼんやりとですがずっと思っていました。それが明確になったのは7年前です。友人から「10年間のライフプランを考えてみて」と言われて、自分の夢として「カフェをやってみたい。名前は『more cafe』」って、初めて具体的に思い描けたんです。
——そういうなにげない会話の流れが決め手になることってありますよね。
渡邉さん:コロナ禍が決断を後押ししたところもあるんです。会いたい人に会えない状況で、遠くに住んでいる同級生が亡くなったと聞いて。「『いつか』なんていつになるかわからないんだから、早くかたちにしなくちゃ」と思いが強くなりました。ある講演で聞いた「迷ったときは、うきうきワクワクする道を選ぶこと」という言葉にハッとして、うきうきワクワクする道を選択してみようとも思えたんですよね。

——「うきうきワクワク」、いい言葉ですね。
渡邉さん:もうひとつ、保育士として受け持った子どもたちにまた会いたいなって気持ちもありました。年度はじめにお子さん、親御さんに向けて「共に成長したい」と宣言しても、実際は担任でいる1年間だけの関わりになっちゃうことは少なくないんです。私にはそれがとても寂しく思えて。みんなにまた会いたいから、子どもたちと親御さんが頼れる場所、「ここも居場所だよね」って思える場所を作りたかったんです。
——実店舗がオープンするまで、どれくらい準備期間があったんですか?
渡邉さん:1年半ほどですかね。お店を構えるまではイベントに出店したり、間借りカフェで営業させてもらったりしました。カフェ経験がなかったのでアルバイトもしましたね。

誰かと誰かがつながることで、生まれる喜び。
——去年の11月に念願のお店がオープンしました。どんなお気持ちでしたか?
渡邉さん:いまだに夢を見ているみたいです(笑)。お店がある、お菓子も食事も作れる。好きなことができるってことが信じられなくて。カフェ営業をしていると、普通に働いているときとはまた違う出会いがあるのも嬉しいですよ。同級生とのふとした再会もできますし。「また会える場所」ってすごくいいですよね。
——「more cafe」さんが掲げている、「小さな保育園みたいなカフェを……」という言葉に込めた思いは?
渡邉さん:これまでの経験を生かさないと自分らしさがなくなるかなと思って。保育園みたいに、月に1度ここでお誕生日会を開いているんです。ちょっと前まで、旧吉田町で地域のお誕生日会があったんですけど、市町村合併やコロナ禍の影響でその企画がなくなりました。その代わりというわけではないんですけど、「more cafe」に来てくださる方同士でお誕生日のお祝いをしたいと思ったんです。月に1度のこのイベントが、私のモチベーションにもなっています。
——渡邉さんの地元もこの近くだとか。そうするとこの地域で交流を生むことを意識しているんですか?
渡邉さん:う〜ん。それより「どなたでもどうぞ」って気持ちですかね。小さいお子さんと年配の方が触れ合って、お互いが生きるパワーをもらい合うのもいいなと思いますし。みんなで支え合う場所が理想ですよね。でも、この場所でひとり黙々と作業してくださってもいいんですよ。生活の一部に「more cafe」を取り入れてもらえると嬉しいかな。
——渡邉さんは「人をつなげるのが上手だ」と、さっきお会いしたお客さんが言っていましたよ。
渡邉さん:上手かどうかはわかりません(笑)。でもそういう居場所を作りたいとは思っています。人と人が助け合える場所があれば、みんなが生きやすくなるのかなって思うんです。互いの存在を知らずに過ごすんじゃなくて、互いにつながりがあれば不審者なんていなくなるかもしれない。そんな場所がカフェとしてこの地域にあってもいいですよね。

——スイーツやランチは渡邉さんのお手製ですか?
渡邉さん:小さい頃からお菓子作りが大好きなんです。進路をパティシエか保育士かで迷ったくらい。小学生のときに初めてマドレーヌを作って、「手作りはこんなに美味しいのか」って感動して。よくお友達に手作りのお菓子をプレゼントしていました。料理は家庭料理がベースですよ。私、おばあちゃんに育ててもらったんですけど、高校生のときにおばあちゃんが体調を崩してからは姉と私が料理当番だったんです。
——ドリンクはコーヒーもあれば「りんご茶」というものもあるんですね。
渡邉さん:ドリンクに限らず、季節に寄り添ったメニューをご用意しています。大正生まれのおばあちゃんの影響で、伝統行事や季節の食事を大切にする習慣が身についているんです。食べて健康に、ハッピーになって欲しいですし、「お客さまに提供するのだから安心できるものじゃないといけない」と思うばかりに、使う素材にはこだわってしまいました(笑)
——そういった気遣いは、お客さんに伝わるんでしょうね。
渡邉さん:お店のベースになっているのは、横浜のとあるカフェです。あるときそのカフェを見つけて、実際に訪れたら、かわいくって、美味しくって、理想的で、これは幸せになれるよって感動しちゃって。コーヒーも美味しくて、聞いたら10年間コーヒー専門のキッチンカーをしていたらしくって。コーヒーはそのお店から仕入れているんですよ。

小さな美術館でもあり、未来ある人を応援する場所でもある。
——店内には本や雑貨なども置かれていますね。
渡邉さん:美術館みたいな要素も入れたくって。そう思った理由には、東京でデザイナーをしている同級生の存在があります。彼女のオブジェや画が大好きで、お店を開いたら彼女の作品を置こうと決めていました。他にも若手作家さんの作品やお気に入りの絵本も置いています。東京の絵本屋さんとの出会いがあって「新潟にも絵本の虹を架けたいです」とお願いして、取り扱いをさせてもらいました。

——念願叶って手に入れた大切な場所を、これからどのように育てていきたいですか?
渡邉さん:誰かの「ファーストシーズン」を応援することができたらいいなと思っています。子どもと過ごす時間を持つために週末は営業していないので、その間これからお店をはじめたいと思っている方にお任せしてみたいと考えているところです。私の大好きな言葉、「フェリシモ」の「ともにしあわせになるしあわせ」のように「みんなで幸せになろうよ」「幸せを分け合おうよ」って気持ちでいます。
——ハッピーが溢れる場所ですね。
渡邉さん:やりたいことはまだまだたくさんあります。バレンタインや夏祭り、クリスマス、季節に合わせたイベントも企画したいし、お店で使っている「いいもの」を買えるように計画中です。今はみなさんのリクエストにできる限り応えたいですね。依頼されると嬉しくなっちゃって、断ることができないんです(笑)

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燕市下粟生津616-10
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