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ゆったりしたティータイムを過ごせる、鍛冶小路の「Sugar COAT」。

鍛冶小路にあるヨーロッパのカフェみたいな場所。

新潟市中央区の鍛冶小路に、古くて小さなカフェがあります。そのお店の名は「Sugar COAT(シュガーコート)」。店内に入ってみると、そこはおもての街並みからは想像できない、ヨーロッパの古いカフェみたいな味わいある空間。メニューは豊富な種類から選べる紅茶と、家庭的で素朴なお菓子の数々。お菓子の仕込みをするオーナーの大野さんに、お店のこだわりを聞いてきました。

 

 

Sugar COAT

大野 久美子 Kumiko Ohno

1959年新潟市中央区生まれ。ホテルオークラで宿泊係として働いた後、東京の百貨店、ビジネスホテル、フレンチレストランでアルバイトをし、1995年新潟市中央区に「Sugar COAT」をオープンする。趣味は「お店」と語るほど「Sugar COAT」は人生そのものになっている。

 

住み込みや賄い付きアルバイトで開店資金を貯める。

——大野さんはお店を始める前はどんなことをされてきたんですか?

大野さん:ホテルオークラ新潟の一期生メンバーとして働いてたんですよ。冬場はスキー客で忙しい同系列の赤倉観光ホテルでも、ヘルプで働いたりしてました。ホテルオークラ東京での研修に参加したとき、サービス業の面白さや楽しさを知ったんです。でも3年も経たないうちに辞めちゃいましたけどね。

 

——もったいないような気がしますね。どうして辞めちゃったんですか?

大野さん:どうしてでしょうね(笑)。でも将来のことを考えたとき、結婚にもあまり興味がなかったし、生活していくために自分一人でもできることをやりたいって思ったんです。子どもの頃から喫茶店に憧れていたこともあったので、喫茶店をやってみようと思いました。

 

——なるほど。それで「Sugar COAT」をオープンしたわけですね。

大野さん:でも、その前に開店資金を作らなければならなかったので、東京に行ってアルバイトしてきたんです。百貨店のインテリアコーナーでオーダーカーテンやクッションを売ったり、ビジネスホテルやフレンチレストランで働いたりしました。住み込みだった上に、ランチはフレンチレストラン、ディナーはビジネスホテルの賄いで済んじゃうから助かりましたね(笑)。3年くらい働いて資金を貯めてから新潟に帰ってきました。

 

紳士服の仕立屋がインスタ映えするカフェに変身?

——帰ってきてからすぐにお店をオープンしたんですか?

大野さん:いいえ、まず自分のお店の勉強のために海外旅行へ行ってきました。「トーマス・クック」のガイドブック、時刻表、外国語会話集の本を準備して、パリからロンドンまで6ヶ国をまわる旅だったんですよ。1年8ヶ月滞在したロンドンで、紅茶の味になじみました。でも紅茶の本場っていわれるロンドンでは、意外とティーバッグで煎れてるんですよ。

 

——あ、そうなんですか。イギリス人ってこだわりが強くて頑固なイメージがありますけど、意外と合理的だったりするんですね。それでロンドンから帰って「Sugar COAT」をオープンしたんですか?

大野さん:はい。古町でお店をやりたいと思って物件を探していたら、行きつけの洋服屋さんからこの物件を紹介してもらったんです。もともと紳士服の仕立屋さんの店舗だったようで、お金をかけないように古い建物をそのまま生かして、1995年の12月12日にオープンしたんです。古い建物だからちょっと心配だったんだけど、中越地震のときも少し物が落ちた程度で済んだんです。意外と丈夫にできてるんですね。

 

——古い建物がお店の世界観にマッチしていて、とっても素敵な雰囲気になってますよね。

大野さん:もともと、こういう雰囲気が好きだったんです。だから学生の頃なんかはまわりから浮いてましたね。当時はこういうのが好きな子ってほとんどいなかったですから(笑)。私は自分が落ち着いて過ごせる居場所を作ったって感じなんですよ。お客様に自分の好みを押しつけたいとは思わないので、お店を気に入ってくれた方がまた来てくれたらうれしいなって思ってます。

 

——25年間続いてきたっていうことは、お店の雰囲気が受け入れられてきたってことですよね。

大野さん:ありがたいですよね。最近はInstagramの影響で、10代20代の若い女の子もたくさん来てくれるようになって、おかげさまで混むことが多くなっちゃったんです。スイーツはもちろん、店内の写真を撮っていく方が増えましたね。

 

豊富な種類の紅茶と素朴で家庭的なお菓子。

——お菓子づくりはどこかで勉強したんですか?

大野さん:お菓子づくりは昔から好きだったので、お店を始める前からやってきたんです。あとは本や雑誌を読んで参考にしたり、お店をやりながら勉強してきました。私が作るお菓子は家庭でお母さんが作るような素朴なお菓子だから、材料も近所のスーパーで買って来るし誰でも作れるものなんです。お客様に聞かれたらレシピも教えますよ。

 

——お菓子づくりは独学なんですね。そんなお菓子の中では何がおすすめですか?

大野さん:今はドイツ風アップルケーキがおすすめだけど、リンゴの季節も終わるからもう少しでお休みするかな。年中お出ししているスイーツは、バナナクラムケーキ、ガトーショコラ、スコーン、カスタードプリン、クッキーがおすすめ。クッキーは7種類くらいありますよ。あと、お菓子の盛り合わせが一番人気ですね。

 

——今いただいてるのがドイツ風アップルケーキですね。酸味と甘味のバランスがよくて美味しいです。紅茶は種類が豊富なんですよね?どのくらいあるんですか?

大野さん:今は80種類くらいです。とにかく種類が多い上に一人でやってるもんだから、カウンターでお客様の紅茶の好みを聞いちゃうんです。茶葉や煎れ方の説明をしながら、お客様の好みに沿った紅茶を選んでいきます。あとカウンターにあるサンプルで香りを確かめてもらうこともできますよ。

 

——あまり種類が多いと、お客さんとしてはなかなか決められない感じがします(笑)。ところで大野さんは紅茶の魅力ってどんなところにあると思いますか?

大野さん:うちの店では茶葉で煎れた紅茶をティーポットでお出ししてるから、たっぷり飲めてゆっくりのんびり過ごすことができますよね。でも、私は紅茶だけじゃなくて、空間としてトータルで提供している感覚なんです。お菓子もお料理も、そして紅茶もその一部なんですよ。

 

自分が楽しめてお客様も満足できる場所。

——最後にこれからどんな風にお店を続けていきたいですか?

大野さん:新型コロナウィルス感染症の影響でお客様が減ってきているので、ヴィクトリアサンドケーキとかテイクアウトできるメニューを増やしていこうかなって思ってます。とにかく自分も楽しみながら、お客様に喜んでもらえるような場所として続けていけたらいいなって思いますね。

 

 

取材中にも若い女性の2人組が訪れ、おもてに出ていた「CLOSE」の看板を見て帰っていきました。その様子を見ながら「お休みだけど入れてあげようかな。どうしようかな」と微笑んでつぶやいていた大野さん。気取りも気負いもなく、マイペースで淡々とした大野さんとお話ししていると、「Sugar COAT」の持つ雰囲気って大野さんそのままなんだなと思いました。そんな「Sugar COAT」のシックでお洒落な空間でゆっくり紅茶やお菓子を楽しみながら、素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

Sugar COAT

〒951-8061 新潟県新潟市中央区西堀通802-3

025-223-9239

11:00-18:00

不定休

 

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