自家製にこだわった村松のラーメン専門店「チャイナハウス古丹」。
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2022.10.27
お花見や紅葉狩りの名所「村松公園」のすぐ近くに「チャイナハウス古丹」というラーメン店があります。このお店ではラーメンの他にも、丼物や定食など豊富なメニューを楽しむことができるんです。今回は店主の樋口さんから、料理へのこだわりをいろいろと聞いてきました。


チャイナハウス古丹
樋口 金一 Kinichi Higuchi
1957年五泉市(旧村松町)生まれ。東京のとんかつ店やラーメン店で修業を積む。新潟に帰ってからは地元のうどん店で働いた後、1986年に「チャイナハウス古丹」をオープン。映画鑑賞が趣味で、ジェイソン・ステイサムが出演しているアクション映画をよく観る。
「ラーメンの鬼」のラーメンに感動し、ラーメンメインのお店に。
——樋口さんはずっと料理の仕事をされてきたんですか?
樋口さん:叔父が東京でとんかつ店を経営していたから、そこで働いたのがきっかけですね。料理が好きだったっていうよりも、飲食業だったら一生食いっぱぐれがないと思ったんだよね。最初は出前持ちからスタートしたんだけど、冬は手にあかぎれができて辛かったですよ。そしたらその店が、1970年代に起こったオイルショックの影響で景気が悪くなったことにあわせて、とんかつよりもリーズナブルに食べられるラーメン店に商売替えをしたんです。
——じゃあ、そのときにラーメンの作り方を覚えたんですね。新潟に帰ってすぐに「チャイナハウス古丹」をオープンしたんですか?
樋口さん:その前に親戚がやっていた「水車」っていう、うどん専門店を手伝っていたんですよ。でも息子さんがお店を継ぐことになったので、僕は「水車」を離れて1986年に「チャイナハウス古丹」をオープンしました。

——メニューを見るとラーメン以外の料理もたくさんありますけど、それはどこで勉強されたものなんでしょうか。
樋口さん:いろんなお店を食べ歩きして、美味しいと思った料理は帰ってから自分で作ってみるんです。食べてみればどんな材料を使っているのかわかるし、反対に料理のレシピを見ても味の想像はできますからね。

——さすがプロの料理人ですね。食べ歩きをしてみて、印象に残ったお店はありましたか?
樋口さん:以前放送していたテレビのバラエティー番組に、「ラーメンの鬼」っていわれていた佐野実さんが出ていたんです。佐野さんはラーメンに対してすごく厳しいこだわりを持っていたんですが、僕はテレビ向けの演出だと思っていました。そこで佐野さんが経営する人気店「支那そばや」までラーメンを食べに行ったんです。
——行ってみてどうでした?
樋口さん:あいにく本店は休業していたので「新横浜ラーメン博物館」にある店舗に行ったんですが、「ラーメンって、こんなに繊細なものなのか!」ってものすごく感動したんですよ。自分の店に帰ってからラーメンをすべて見直して、それからはラーメンメインでやっていくことにしたんです。

インドネシアのお客さん達にとっての「ジャパニーズ・ファーザー」。
——お料理のこだわりを教えてください。
樋口さん:料理に使う油にはこだわっているかな。ラーメンには煮干しで出汁をとった油、あんかけメニューには海老で出汁をとった油、チャーハンにはネギ油というように、それぞれで使い分けています。特にこだわって作っているのは味噌ラーメンですね。3種類の味噌をブレンドして、さらに十何種類の調味料を加えてタレを作っています。全部手作りしているから、いろんな調味料で味の調整をしているんですよ。これがそのレシピ。

——えっ、こんなの見せてもらってもいいんですか?
樋口さん:聞かれたら誰にでも教えていますよ。同じレシピでも作る人間や環境で味は変わってきますからね。僕が作るラーメンは僕にしか作れないと思っています。
——なるほど。味噌ラーメンの他にも、おすすめのメニューはあるんでしょうか。
樋口さん:月替わりのメニューをいろいろやっているので、そちらも楽しんでほしいですね。毎年恒例の冬期限定メニューに「なんこつ担々麺」と「なんこつ丼」があります。圧力鍋でトロトロに煮込んだ豚なんこつをトッピングした人気メニューです。あとはお持ち帰りいただける冷凍餃子ですね。ご家庭や機械では作れないヒダの数の多さが自慢です(笑)

——お客さんにはどんな人が多いですか?
樋口さん:常連のお客様が多いですね。特に地元のまいたけ工場にワークシェアリングで来日しているインドネシアの子たちがよく来てくれます。彼らは宗教上の理由で豚を使った料理が食べられないので、鶏だけを使ったラーメンとか海老餃子を作って出してあげるんです。今では彼らから「ジャパニーズ・ファーザー」って呼ばれています(笑)
——それは素敵な関係ですね。
樋口さん:研修が終わってインドネシアに帰っていった子とも、LINEで連絡を取り合っています。僕に影響を受けて本国で飲食店を開きたいと思っているようなので、いろいろな相談にも乗っているんですよ。料理のレシピも教えてあげています。
——樋口さんのノウハウを生かしたお店がインドネシアにオープンするわけですね。
樋口さん:人に頼まれたことは、相手が望む以上のことをやってあげたいんです。それが僕自身や「チャイナハウス古丹」のポリシーかもしれませんね。

チャイナハウス古丹
五泉市宮野下6026
0250-58-8287
11:00-20:00
火曜休
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