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レストランから食品製造業に変身した「新潟食材研究所 ティオペペ」。

東中通にあった人気欧風レストラン「ティオペペ」が、古町通3番町にある複合施設「SAN(サン)」に移転し「新潟食材研究所 ティオペペ」として復活しました。しかもレストランではなく、食品製造業者として生まれ変わったんです。いったいどんな商品を作っているんでしょうか。 オーナーシェフの渡辺さんにお話を聞いてきました。

 

 

新潟食材研究所 ティオペペ

渡辺 敏之 Toshiyuki Watanabe

1979年北海道生まれ。父の転勤で小学6年生のときに新潟へ移り住む。大学進学を機に上京。在学中にアルバイトした飲食店で10年間修業し、2000年に新潟へ戻りフレンチレストランやホテルで経験を積む。2003年に新潟市の東中通で「ティオペペ」をオープン。19年間にわたって営業した後、2021年に古町通へ移転し「新潟食材研究所 ティオペペ」をスタート。

 

レストランから食品製造業者に生まれ変わった「ティオペペ」。

——渡辺さんが料理に興味を持ったきっかけを教えてください。

渡辺さん:大学生のときに東京の洋風居酒屋でアルバイトをはじめたことがきっかけで、料理の仕事に興味を持ちました。当時は「料理の鉄人」などテレビ番組の影響もあって、料理人に憧れて店に入ってくる人が多かったんですよ。でも労働時間が長い上に給料も安かったので、辞めていく人もたくさんいました。

 

——好きじゃないと続けられない仕事なんでしょうね。

渡辺さん:最初のうちは掃除や皿洗いからはじめて、きちんと仕事を教えてもらえるようになるまで時間もかかりますからね。私は10年修業してやっといろいろな仕事を任せてもらえるようになりました。自分の料理の基本にあるものは、すべてこの時期に学びましたね。

 

——東京を離れて新潟に戻って来られたのはどうしてですか?

渡辺さん:いつかは新潟に帰って自分の店をはじめたいと思っていたんですよ。だから新潟に帰ってからはフレンチレストランやホテルで働きながら開店準備をして、2003年に東中通で欧風レストラン「ティオペペ」をオープンしました。

 

 

——お店を開く場所として東中通を選んだのは?

渡辺さん:繁華街から少しだけ離れた場所を探したんです。当時は不景気の影響でまわりが空きビルだらけだったんですよ。でも団体職員の方や病院の方々も近くで勤務していたので、忘新年会や歓送迎会にご利用いただけたのはありがたかったですね。

 

——なるほど。それは心強いですね。

渡辺さん:でも新型コロナが拡大した2020年から、外出自粛の影響で宴会での利用がほとんど無くなってしまったんです。これは本当に大打撃でしたね。そこでお店を一度閉めることにして、さらなる食の可能性を求めて古町を拠点に「新潟食材研究所 ティオペペ」を2021年にオープンしました。

 

——つまり食品製造業にステージを移したわけですね。やはりコロナ禍の影響でテイクアウト需要が増えたからなんでしょうか。

渡辺さん:実はコロナ前から他の店では手をつけていないことに挑戦しようと思って、テイクアウトのお弁当販売をはじめていたんですよ。

 

——それって先見の明じゃないですか。

渡辺さん:ところがその翌年からコロナ禍がはじまって、みんなが一斉にテイクアウトメニューをやりだしたので、それに巻き込まれちゃったんです。そこで、もっと変わったことをやろうと考え出したのが「冷凍パエリアキット」でした。それをきっかけに食品製造業に移行することにしたんです。

 

苦労の末に誕生した「冷凍パエリアキット」。

——「冷凍パエリアキット」って、どんな商品なんですか?

渡辺さん:誰もが簡単に家庭でお店のパエリアを作ることができる食材キットなんです。佐渡で獲れた魚介類で出汁をとって、自然栽培のお米や野菜を使って作っています。開発には苦労して1年半かかりましたね。

 

——とても美味しそうですけど、「誰でも家庭でお店の味が作れるようにする」ってとても難しいことなんじゃないですか?

渡辺さん:妻のアイデアでスタートしたことだったんですが、最初は絶対に無理だと思っていました(笑)。自分がお店でやっている作り方をいろいろな知り合いに試してもらったんですけど、どうしても上手く作れないんです。お米の使い方には加減が必要で、素人には難しかったんですよね。

 

 

——それを解決するためにどんな工夫をしたんでしょうか。

渡辺さん:無洗米を使うことでお米を洗う調理過程を減らしたら解決しました。最初は「コシヒカリ」を100%使っていたんですが、水分が多くてパエリアのパラパラ感が出なかったので、酒米の「亀の尾」を使うことにしたんです。でも今度はうま味が足りなくなってしまったので、今では「亀の尾」と「コシヒカリ」をブレンドしています。

 

——お米ひとつとっても、試行錯誤を繰り返しているんですね。

渡辺さん:大変でしたけど、その甲斐あって「料理王国100選2022」に選ばれたんです。これは全国から食にまつわる商品が集められて、料理界トップのシェフやバイヤーによって評価されるコンテストなんです。それに入選したことで、大手百貨店やバイヤーから注目していただけるようになりました。

 

——おおっ! おめでとうございます。

渡辺さん:ありがとうございます。ただ、喜んでばかりもいられないんですよ(笑)。何十セットというレベルでしたら対応できるんですけど、何百セットとなってくると今段階では対応が不可能なんです。そうなってくると外注しなければ追いつかないんですが、販売価格には外注費を計算していないのと調理工程が多いので、大量生産が難しいのが現状です。

 

——規模が大きくなると、いろいろな問題も出てくるんですね。

渡辺さん:そうなんです。だから知り合いの工場と提携できるよう、交渉を進めているところです。

 

美味しい食材を追求するこだわり。

——渡辺さんは料理をする際、どんなことにこだわっているんでしょうか。

渡辺さん:生産者の顔が見える、安心安全な新潟県産の食材を使うことですね。有機無農薬や自然栽培で作物を育てている農家さんともお付き合いさせていただいているので、その大変さがとてもよくわかるんです。また佐渡の漁師さんからは新鮮な魚介、柿崎の猟師さんからはジビエ食材を直接仕入れているので、見聞きした知識も料理に生かすよう心がけています。

 

——そこまで食材にこだわるのはどうしてなんですか?

渡辺さん:やっぱり料理は食材からはじまると思うんです。食材の味を引き出すのが料理だから、食材が美味しくなければそれを誤魔化すことしかできないんですよね。それで美味しい食材を追求していくと、結局は生産者に辿り着くわけです。

 

 

——食材の味を引き出すために、どんな調理をしているんでしょうか。

渡辺さん:僕の料理はフレンチの技法がベースになっています。たくさんの食材を合わせて使うことで、複雑で重厚な味わいを出すようにしています。気を使っているのは火加減です。火加減や加熱時間の目安はあっても食材によってまったく違ってきてしまうので、そこは様子を見ながら調節しなければなりません。

 

 

——料理人としての経験が生かされてくるわけですね。

渡辺さん:今は便利な調理機器がたくさんありますけど、それに頼るだけではなく、今まで経験してきたなかで培った技術や知識を生かした料理を作っていきたいですね。

 

——ちなみに「ティオペペ」の商品は店舗以外でも手に入るんでしょうか?

渡辺さん:「新潟食材研究所 ティオペペ」のホームページからお買い求めできますし「ナチュレ片山」さんや「新潟直送計画」、最近では「道の駅加治川」や「道の駅たがみ」さんでも一部の商品をお求めいただけます。レストランとして営業していたときは目の前のお客様だけに料理を作っていましたけど、今はよりたくさんの方々に美味しさを届けたいと思っています。

 

 

 

新潟食材研究所 ティオペペ

新潟市中央区古町通3番町653

025-225-6677

10:00-18:00

火水曜休

 

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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