昔ながらのお店と新しいお店が混在する上古町に、新しく「古道具MARBLE」というお店がオープンしました。細い路地を歩いてたどり着いたのは、民家を改築した隠れ家のようなお店。レトロな家具や雑貨に囲まれた店内で、店主の五野上さんにお話を聞いてきました。
古道具屋MARBLE
五野上 洋子 Yoko Gonokami
燕市生まれ。2023年に上古町で「古道具屋 MARBLE」をオープン。古い家具や雑貨が好きで、30年以上にわたりコレクションしてきた。
——まるで隠れ家のような建物ですね。ちょっと道に迷っちゃいました(笑)
五野上さん:すみません。やっぱり迷いますよね(笑)。お店の前は駐車場になっていて古町通からも建物が見えるんですけど、この建物を買った当時は大きな建物が建っていたので、陽も当たらないような状態だったんです。不動産屋さんも諦めていて、売りに出していない物件だったんですよ。ちょうどお店をはじめるタイミングで駐車場になってくれたので、偶然とはいえありがたかったです。
——そんな物件をどうして購入されたんですか?
五野上さん:ずいぶん前のことになるんですけど、古町で「S.H.S」が古民家をリノベーションした店舗で営業しているのを見て、そのスタイルにとても憧れたんです。それ以来、古町で古民家をリノベーションしたお店やアトリエを開くことが夢でした。
——じゃあ念願叶ってこのお店をオープンされたわけなんですね。
五野上さん:ここの木製のドアや窓、白壁のキッチンやバスルームを見て、ひと目惚れしてしまったんです。とはいえ古い建物ですので、傷んでいるところは改築しなければなりませんでした。私たちはまともに大工仕事をやったことがなかった上に改築資金もなかったので、自分たちで古い木材を調達してきたりして、失敗を繰り返しながら改築したんです(笑)。今後もできるだけ元の状態を生かしながら、改築していきたいと思っています。
——入ってすぐのところはキッチンだったんですね。気づきませんでした(笑)
五野上さん:玄関は別にあるんですけど、あまりにも民家の玄関なので入りにくいんじゃないかと思ったんです。息子の意見もあって、キッチンの勝手口をお店の入口にしました。古民家の面影なんかも含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。
——こちらの商品はどのようにして集めたものなんですか?
五野上さん:私はもともと古い家具や雑貨が好きで、ここにあるものは30年以上にわたって集めてきたものなんです。自分の好きな古い道具の魅力を、できるだけ多くの人たちに伝えたいという思いで「古道具MARBLE」をオープンすることにしました。
——五野上さんは、いつから古い道具に興味を持つようになったんですか?
五野上さん:はっきりとはわからないんですけど、小学生の頃のことが記憶に残っています。おばあさんの使っていた古い箪笥やミシンが大好きで「いらなくなったら、私にちょうだい」とお願いしていたんですよ。その箪笥は高校生のときに譲り受けることができました。
——古道具をコレクションされるようになったのはいつからなんですか?
五野上さん:結婚してからですね。リサイクルショップや骨董市をめぐるようになって、古い家具を中心に集めるようになりました。ぬくもりが感じられる木を使った道具が好きなので、棚やイスを中心に集めていましたね。
——オススメの品物があったら教えてください。
五野上さん:う〜ん……。現代とは違ったデザインのソファーですかねぇ……。ちょっと大きめでかさばるんですけど、丈夫で安定感があるんですよ。あと花瓶もオススメですね。
——来店したお客さんの反応はいかがですか?
五野上さん:古い道具が好きな方ばかりなので、とても喜んでくださいます。古道具屋めぐりが趣味のお客様からは、置いてある棚を「とてもコンディションがいい」とお褒めいただけたり、若いカップルのお客様から丸イスを気に入っていただけたりしました。その丸イスはカバーが破けちゃっていたんですけど、古道具ではそれも味わいになるんですよね。
——へぇ〜、若い方も来られるんですね。
五野上さん:そうなんです。古い道具って年配のお客様には懐かしさを感じますし、若いお客様には新鮮に映ると思うので、世代を超えて愛好家はいるんですよね。
——なるほど。最後に古い道具の持つ魅力を教えてください。
五野上さん:持ち主から大事に使われてきたなかで、長い年数を経て生まれる味わいがありますよね。現在は作られないようなデザインのものが多いので、若い方にとっては新鮮に感じると思います。ぜひ宝探しをする気持ちでお立ち寄りください。素敵な家具や雑貨との出会いがあるかもしれませんよ。
古道具屋MARBLE
新潟市中央区古町通4番町578-3
11:00-18:00
月〜金曜休