鮮魚が自慢、内野の台所。スーパーマーケット「いちまん」。
食べる
2025.05.25
西区でThingsの取材をしている最中に話題になったのが、スーパーマーケットの「いちまん」さん。取材先の内野在住の店主さん曰く、「いちまんは、内野のデパートですよ」。そのときの会話がきっかけで、私が久しぶりに「いちまん」に寄ったのは半年ほど前。以来、毎月足を運んでいます。生鮮品、特に海鮮の品揃いが豊富で、とてもリーズナブルなんです。今回は店長の高井さんに、知りたかった「いちまん」の秘密をいろいろと聞いてきました。

高井商店
高井 栄二朗 Eijiro Takai
1968年新潟市生まれ。建築関係の仕事に就き、20代半ばで家業の「高井商店」に入る。現在は、代表取締役専務。同社が運営するスーパーマーケット「いちまん」の店長でもある。休日は子どもの野球に熱を入れている。競輪も好き。

後継ぎ候補に届いた、連日のファックス。
――高井さんは、建築業から家業へ移られたんですよね。
高井さん:元々は兄貴が「高井商店」で働いていたんですけど、他の道に進むことになったんですよ。現会長の父には、思うところがあったんだと思います。あるときから、我が家にファックスを寄越すようになって。「次期経営者の心得」「後継ぎとは」とか、そっち系のファックスを(笑)。直接何か言われたわけじゃないんだけど、「これはそういうことだろう」と察しました。
――ふふふ。気持ちを伝えるために、ファックスを使われるなんて。
高井さん:確かその頃、現在社長を務めている弟は県外にいたんです。「俺しかいないのね」と、実家に入り、それから約20年「いちまん」一筋です。
――「いちまん」誕生の歴史を聞きたいです。
高井さん:今、当社が経営している居酒屋「旬菜 籐や」がある場所で、その昔、祖父母が行商をはじめました。それが「高井商店」につながっています。昭和43年に、よろずやだった「高井商店」を会長がスーパーマーケットに業態転換したんです。

――「いちまん」さんって、他では見かけない生鮮品がたくさんありますよね。この前は、県内産の葉野菜がけっこうなお値段で売られていて、びっくりしました。
高井さん:うちのお客さまは、「いいもの」を求めているような気がしますよ。なので、値段は二の次。ものすごい高い商品を普通に売っているとき、たまにありますね。
――ほぉ。「いいもの」を揃えるのが「いちまん流」なんですね。
高井さん:そうそう、それは間違いないです。会長の考えがそうなんですよ。安くて質がイマイチな商品は、絶対に置きたがりません。ちなみに会長、今でも現役バリバリで週の半分は市場に行っています。

鮮魚の目利き、刺身の盛りも「いちまん」流。
――高井さんも、市場に行かれるんでしょうか?
高井さん:もちろんですよ。私が仕入れしてこなかったら、魚が入りません。「高井商店」は小売店ですけど、仲買さんみたいな立ち位置で、セリで直接魚を買うことができるんですね。もちろん、すべての競り場に入れるわけじゃないんですけども。
――美味しいお魚が揃っている理由は、それですね。
高井さん:たぶん、流通している魚のほとんどをお店に置いたことがあるんじゃないかな。気になる魚は、なんでも手を出します。それでお客さまがお求めにならなければ、扱いをやめればいいんです。

――「いちまん」さんのお刺身が、すごくありがたいんですよ。量が多くないから、いろいろな種類のお刺身を買えて。
高井さん:それは、ありがとうございます。刺身の一点盛りは、昔からの伝統なんですよ。盛り合わせは一切なくてね。「好きなものを選べる」とお客さまからも喜ばれます。
――他にも、安くて美味しいお魚類がたくさんありますよね。
高井さん:大手さんと違って大量の仕入れをする必要がないから、小回りが利くんですね。いい品物を「競り下げ」(競売品の価格を下げていく方式)で、仕入れることも得意です。
――仕入れ以外にも、いろいろなノウハウがありそうです。
高井さん:各所からの情報というか、コミュニケーションが大事かなと思います。「明日船が出る、出ない」「魚がある、ない」などの情報をこまめに聞いて、仕入れの参考にしています。とにかく把握したい情報が多くて、市場にいる時間はとにかく忙しいんですよ。

ぜひ、毎日通って。目指しているのは、地域の台所。
――「いちまん」さんは、内野近くにお住まいの方にとってお馴染みのスーパーなんでしょうね。
高井さん:この地域のお客さまが多いのは、間違いないです。理想としては、まとめ買いはせずに毎日寄っていただきたいと思っています。必要なものを必要な分だけ見繕う「台所」みたいなスーパーでありたいんですね。
――他店との違いを意識することってありますか?
高井さん:差別化が必須であって、「いちまん」が特に意識しているのは「魚」です。鮮度と品揃えは、どこにも負けません。ナショナルブランドのマヨネーズなどでは、勝てない上に差別化もできないですからね。それと、お惣菜にも自信があります。
――ほぉ、お惣菜にも注目ですか。
高井さん:茶碗蒸し、昆布巻き、焼き豚が人気です。「焼き豚」とはいえ、焼かずに煮ているので、実際は煮豚ですけども。すべて自家製です。

――今度、買ってみます。
高井さん:それと去年、お寿司を強化しました。それまでお惣菜部が兼務していたんですけど、鮮魚チームの中に「寿司部門」を新設し、人材も増やしたんです。毎日店舗で魚をおろしている「魚自慢のスーパー」なので、味には自信がありますよ。

――「いちまん」さんは、内野に一店舗だけですか?
高井さん:数年前から「ダイレックス新潟大学前店」にテナントとして入っています。新大前と内野、たった一駅しか離れていないのに、魚の売れ筋がまったく違って驚きました。どうやって売ろうか考えるのが大変なんだけど、おもしろいんですよ。
――おもしろさを感じられたんですね。
高井さん:「いちまん」は親の代からあるお店だけど、「ダイレックス」はそうじゃないでしょう。初めて店舗の立ち上げからすべてに関わったので、「いい経験しているな」って実感できるんです。あーでもないこーでもないと、「ダイレックス」では日々試行錯誤しています。

いちまん
新潟市西区内野町480
025-262-5171
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