食べるコト、食べるモノ。完全菜食主義を伝える「mountain△grocery」。
食べる
2019.09.08
たくさんある食生活のスタイル。インドで開いた新たな扉。
国や民族、思想や文化の違いから、世界中にはたくさんの食生活があります。動物性食品は食べずに完全菜食主義を実践する「ヴィーガン」もそのひとつ。今回は、海外生活や都内での活動を経て、沼垂テラス商店街に「mountain△grocery(マウンテングローサリー)」をオープンしたyoyo.さんに、ヴィーガンとの出会いや自身が考える“食”について、お話を聞いてきました。

mountain grocery
yoyo.
1975年東京生まれ。日本大学芸術学部中退後、フランスにあるファッション専門学校へ進学。30歳でヴィーガンに出会い、2019年8月に「mountain△grocery」をオープン。
フランスへの興味から開かれた、こんな世界、あんな世界。
――ご出身は東京なんですね。
yoyo.さん:母の実家が新潟なので、出生は新潟なんですよ。生まれてからすぐに暮らしていた東京へ移りましたが。大学を中退してその後はフランスへと渡りました。
――フランスですか。それはどうして?
yoyo.さん:ずっと「海外に行きたい。日本を出たい」と思っていたんです。好きな服や音楽は海外から入ってきたモノばかりなのに、発祥の地へ行ったことがないなって。
――フランスでは、何をされていたんですか?
yoyo.さん:ファッションの専門学校へ行きました。卒業後もフランスで暮らして、語学学校へ行ったり、日本人の知り合いから紹介を受け、ライターとしての仕事をしながら5年間。日本に帰る理由もないので、ズルズルと滞在していました。
――5年も暮らしていたんですね。帰国してからは?
yoyo.さん:ライターの仕事をくれていた知人のアパレルブランドを手伝っていました。外国語が話せるので、海外アーティストとのコラボアイテムの打ち合わせとか、やり取りををしながら展示の制作、広報などを中心に小さなブランドなので何でもしていました。

南インド料理との出会いが、食への興味関心を呼び戻す。
――キッカケとは、どのようなものですか?
yoyo.さん:NYのアーティストとよく仕事をしていました。彼らは瞑想をしたり、インドの思想に影響を受けていたんです。また、その頃、東京でもにわかに流行り始めた南インド料理や、インドの古典音楽に触れ、惹かれていきました。
――南インド料理ですか。どんなのなんですか?
yoyo.さん:例えば、バターチキンカレーとかの、肉や魚を使ったこってりタイプは北インド料理。反対に南インド料理は、バナナの葉をお皿代わりにして野菜や豆類がたくさん使われ、主食はお米です。色鮮やかであっさりとした味付けが多くあります。
――同じインドでも地域によって、食文化が異なるんですね。
yoyo.さん:そうなんですよ。

何千年も、何億人ものヒトが。インドで感じた食のコト。
――実際に南インドへは行かれたことは?
yoyo.さん:はい。一ヶ月半、バックパッカーで南インドを周りました。この地域は宗教的な理由で肉、魚などの動物性食品を食べない習慣があります。いわばベジタリアン(菜食主義)の多い場所なんです。
――日本でも南インド料理店に行くなど、インドに触れる機会はあったと思います。実際に行かれてみて、どうでしたか?
yoyo.さん:ご存じの通り、インドには多くの方が暮らしています。その人たちが長い年月、肉や魚を食べずに健康いられていることを目の当たりにして、いろいろな食生活があるんだなと思いました。日本は何でも食べられて、多くの選択肢があります。そして、肉や魚だけでなく、野菜、果物もバランスよく食べましょうと育てられてきました。これらの常識が、ぐるっと覆されましたね。食べなくてもいいんだって。ヴィーガンとの出会いでした。
――ヴィーガンとの出会いで、何か考えは変わりましたか?
yoyo.さん:母が料理好きで各国の料理を作っていたり、テレビ局のディレクターをしていた父は料理番組を担当していたこともあって、家庭環境は食が中心でした。そんな環境で育ったのに、独り暮らしの生活では何を食べていたかもわからないほどに、食への配慮が薄くなっていて。でも、フランスなんかは大都市でもマルシェなんかで食材を買って、手作りの料理で友人をもてなしたり、食事に時間をかけたりして楽しそうにしていました。食を大事にすることは、人の尊厳や生きることを直結していると、その時に強く思いました。

――「ヴィーガン」についても教えてください。
yoyo.さん:分かりやすく説明すると、ベジタリアンの一種です。ベジタリアンのなかには、卵までは食べるとか、いろいろな種類があって、中でも「ヴィーガン」は食物由来の食べ物だけを食べる完全菜食主義者を指します。ちょっと例をあげると、ハチミツはNGです。
――yoyo.さんも、野菜と豆類だけしか食べないんですか?
yoyo.さん:自分からスーパーでパックされたお肉を購入することはありませんが、環境によっては率先してジビエの解体や調理をしていました。また、人が作ってくれたもの、外食などでは何でもおいしくいただきます。

「自分でやるしかない」と、気が付いた瞬間。
――yoyo.さんは、どうして新潟に移り住んだんですか?
yoyo.さん:東京で「VEGEしょくどう」という屋号で、店舗を持たずに高円寺や原宿を拠点に「ヴィーガン定食」を提供したり、ケータリングや出店、雑誌の料理スタイリングなどをしていました。そんな活動をしているときに、久しぶりに会った建築デザイナーの知人が新潟(十日町市松代)でゲストハウスをはじめたました。それで2015年に開催された「大地の芸術祭」で、彼らがプロデュースしたレストランで料理を作る仕事を受けて、自然の美しさ、人の良さを感じたのが最初のキッカケです。
――じゃ、長い期間滞在されていたんですね。
yoyo.さん:そうですね。なんか空気感がしっくりきて。この「mountain△grocery」をオープンする前に、糸魚川に暮らしていました。あとは、現在98歳の祖母も新潟市に住んでいることもあり、いつでも会えるようにと新潟で生活することにしました。
――生まれたのも新潟ですしね。独立してまで、お店をはじめようと思ったのはどうしてですか?
yoyo.さん:結局は組織に属するのは向いていないと思ったんです。自分でお店をはじめれば、いろいろな意味で場所を作れるし、表現や発信のできる拠点ともなりえるじゃないですか。それで、自分でやるしかないと、今更ながら気が付いたんです。

“食”に興味を持ってもらいたい。「mountain△grocery」について聞いてみた。
――それでは、お店についてお聞きしたいと思います。「mountain△grocery」について教えてください。
yoyo.さん:新潟市近郊で採れた自然栽培の野菜を中心に、ヴィーガンご飯を提供しています。メインの「本日のプレート」は、数種類のおかずに天然酵母で発酵させたパン、野菜たっぷりのスープが付いてきます。
――自然栽培の野菜って、慣行栽培のものとどう違いますか?
yoyo.さん:畑を耕したり、肥料をあげることを極力しない農法です。自然のチカラを最大限に発揮して育つので、味も違えば、食感も異なります。トマトなんて酸っぱさがなく、優しい味がして驚きました。まったく別物ですね。
――ヴィーガンだけでなく、食材へのこだわりもあるんですね。「mountain△grocery」として、伝えていきたいことはありますか?
yoyo.さん:あえて山の中で生活をしていたことがあり、その時、周りに住んでいる方は自分で食料を調達して、手間暇をかけて保存していました。それって、とても大切なことだと思います。食と自然と人が繋がっている、そんなことを強く感じました。ヴィーガンご飯を提供することで、いろいろな生き方があり、選択肢もあることを伝えつつ、さまざまな視点から“食”へ興味を持ってもらえるようにと考えています。ちなみに食だけでなく、いろいろな文化も発信していきたいとも考えいて、10月19日(土)に「山のあなた」という音楽イベントも開催予定です。「北里彰久(Alfred Beach Sandal)」「mei ehara」「井手健介」、3組のアーティストの音楽をお楽しみください。

「mountain△grocery」で食べられるヴィーガンご飯はコレ。


mountain△grocery
新潟県新潟市中央区沼垂東3-5-16
090-6516-8626
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