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お花と映像で挙式を演出。夫婦で活動する「KLAMP」。

新潟市西区にある「KLAMP(クランプ)」は、月に何日か営業しているフラワーショップ……とご紹介したいところですが、実は、普通のフラワーショップではなく、映像制作とウェディング装花を手がけるご夫婦が営むちょっと特別なお店なんです。今回はお花担当の北爪あゆみさんに、いろいろとお話を聞いてきました。

 

KLAMP

北爪 あゆみ Ayumi Kitazume

1987年新潟市生まれ。お花の専門学校を卒業後、ブライダル関係の仕事をトータルで運営する横浜の企業へ就職し、装花部門に所属。その後新潟に戻り市内の結婚式場専属のフラワーショップに勤める。2018年に夫婦で「KLAMP」を立ち上げる。お風呂が好き。

 

花と映像で演出を。ふたりで「KLAMP」のはじまり。

――「KLAMP」は、ご夫婦で営む「お花と映像制作のお店」です。お店そのものは、お花屋さんのようですけれども……。

北爪さん:ここは「不定期営業のお花屋さん」みたいなところです。もともとはブーケの制作やブライダルの準備ができるアトリエとしてこの空間を設けたんですけど、ウェディングの時期はお花をたくさん仕入れるので、「いっそのこと営業してしまおう」と思ったんですよ(笑)。通常の営業は月に何日か、あと他に「ゆるゆるオープン日」があります。

 

――「ゆるゆるオープン」だなんて、かわいい営業日です。

北爪さん:そんなにお花が充実しているわけじゃないけど、「今週はこれがありますよ」ってラフにご案内しています。作業しながらお店も開けている日が「ゆるゆるオープン日」ですね。

 

――ということは、営業日以外はウェディング関連の装花をされていらっしゃるってことですか?

北爪さん:週末に向けて結婚式の装飾準備をして、平日はオンラインショップの商品などの制作や事務作業をします。お店はオープンしていたりしていなかったりと、ちょっと独特の営業方法かもしれないですけど、お花のロスを出すのは嫌だし、でも可愛いお花を仕入れたいしってことで、今のやり方に落ち着いています。

 

 

――新卒で就職されたのも、ウェディング関係の会社だったそうですね。そこからずっとひとつの道を極めていらっしゃる。

北爪さん:それしかしてこなかったので、私たぶん、他の仕事をしたらポンコツだと思います(笑)。でもウェディングの装花は、ずっと前から「やりたい」とはっきり思っていた仕事なんです。両親が鉢花を生産していて、小さい頃からいっぱいお花に触れて育ってきました。当たり前のようにお花のある生活を送ってきて、「将来はお花屋さん。しかもキラキラした結婚式の仕事をしよう」ってずっと思っていたんです。

 

――そうだったんですね。ご夫婦で「KLAMP」として活動をスタートしたきっかけも知りたいです。

北爪さん:「いつかはお勤めじゃないかたちで働きたいな」と思っていたので、制作したドライフラワーを少しずつネットショップで販売していたんです。その頃、結婚式の映像制作をしている夫が独立して。それで、ふたりで「KLAMP」を立ち上げることにしました。夫婦ともにウェディング関係の仕事をしているんですけど、たまに同じ式場さんに入るくらいで、一緒に仕事をする機会は多くないんですけどね。

 

カップルの期待をさらに超えていく、お花の仕事。

――お花を扱っているお店って、ネットを中心に販売しているところもあるし、昔ながらの店頭販売のところもあるし、皆さんいったいどうやって個性を出しているんだろうって気になっています。

北爪さん:私自身は「KLAMP」の個性が何なのか、わかっていないです(笑)

 

――案外そういうものなのかもしれないですね。でも、何か意識されていることは?

北爪さん:特にないんですよ。あ、でも、結婚式の場合は、お客さまに「こうしたい」っていう理想があるので、それを叶えたいといつも思っています。そういう意味では「個性を爆発させる」よりも「お客さまの思いを叶える」ことが基本にあるかな。最終的に喜んでいただくと、ホッとします。お客様の「こうしたい」を超えるお花を届けたいといつも思っています。

 

 

――どういった式場でお仕事されることが多いですか?

北爪さん:レストランウェディングの会場にお世話になっています。でも独立当初は、ほとんどお仕事がなかったんですよ。たまたま友人がガーデンウェディングをするというので、装花を担当させてもらって。そのときの会場さんが、私の装飾を「いいね」と言ってくださって、その後のお仕事につながっていきました。

 

――見事に信頼を得たんですね。

北爪さん:やりたいことや目標を言葉にするって大事ですね。「レストランウェディングをやりたい」って、ことあるごとに口にしていたから実現したような気がしています。

 

――そもそもレストランウェディングがいいなと思われたのには、何か理由が?

北爪さん:あの空間の少しだけカジュアルな感じが好きなんです。風と音楽に包まれる挙式、いいですよね。

 

結婚式の陰に、当日を彩るプロたちの「本気」がある。

――今の時期、結婚式帰りの皆さんをよく見かけます。

北爪さん:ハイシーズンに突入すると、もう結婚式のお花のことしか考えられなくなっちゃって。休みの日も、ぜんぜん休んでいる気がしません(笑)。それくらいずっと緊張感を保ってしまって。

 

――結婚式を迎えるカップルには、いろいろな要望があるでしょうから、北爪さんの言葉はすごくリアルだと思いました。ハッピーを支える裏側って感じです。

北爪さん:もう何年もこの仕事をしているのに、ぜんぜん慣れないんですよね。でも、その方がいいのかなとも思うんです。気が張っているとちょっとしたミスを防げるタイプなので(笑)

 

――お花の飾り付けを終えてから、挙式の様子を見ることもあるんですか?

北爪さん:会場の装飾を済ませたら、挙式がはじまる前に失礼することがほとんどです。でもガーデンウェディングでは挙式の様子を見せていただけるので、そのまま残るときもあります。毎回「素敵だなぁ」って胸がジーンとするんですよね。あの気持ちは、何度見ても変わらないです。そう思えるから、続けているんだろうなと思います。

 

 

――お仕事が軌道に乗りはじめたって感じたのは、どんなときでした?

北爪さん:コロナ禍前は、順調にお仕事の依頼をいただいていたんですけどね。それが突然、結婚式がまったくなくなってしまって。結婚式の映像制作の仕事をしている夫ともども「KLAMP」は仕事を失ったようなものでした。

 

――そうですよね。確かに、ウェディング業界は大変そうでした。

北爪さん:コロナ禍が落ち着いて、じわじわとお互いの仕事が回復していったんですよね。苦しいとき、相談できる人がすぐ近くにいるのがすごく心強かったです。私とは違う視点でのアドバイスは、助かりました。夫は「やりたいようにやればいい」「好きにしていいよ」とも言ってくれて。「あ、そうなのね」って気が楽になりました(笑)

 

――お花と映像、どちらも結婚式には欠かせないものですよね。

北爪さん:やっぱりそうですよね(笑)。それぞれにお得意先があるから、「一緒に仕事する」ってほとんどしてこなかったんですけど、去年、結婚式の前撮り撮影プランを商品化しました。披露宴のオープニングムービーと写真撮影、装花演出が含まれる企画です。「ふたりで頑張ろう」って言い合っています。

 

 

 

KLAMP

新潟市西区真砂4-10-7

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