炭火を使って壷のなかで焼き上げる
人情横丁の焼き芋専門店「いも福」

食べる

2026.02.12

text by Kazuaki Yamazaki

冬の風物詩のひとつに、どこからともなく聞こえてくる「いしや〜きいも〜、おいも〜♪」の呼び声がありますが、最近は聞こえてくることがめっきり減った気がします。寂しい思いをしている焼き芋フリークにお勧めしたいのが、新潟市中央区の人情横丁商店街に登場した「いも福」です。焼き芋の香り漂う店内で、店主の岩原さんからこだわりについて聞いてきました。

Interview

岩原 郁乃

Ayano Iwahara(株式会社AIR)

1983年新潟県生まれ。アパレルショップや飲食店で働き、2008年に「株式会社AIR(エーアイアール)」を立ち上げて建築写真撮影に携わる。2025年に焼き芋専門店「いも福」を人情横丁にオープンする。趣味はヨガやピラティス。

建設写真を撮影する会社の代表が
焼き芋の店をはじめた正直な理由。

――オープンおめでとうございます。焼き芋専門店をはじめたいきさつを教えてください。

岩原さん:私は「株式会社AIR」という会社を経営しているんですけど、時間に余裕ができてきたので、以前からやってみたかったお店の経営をはじめてみたんです。

 

――「株式会社AIR」というのは、どんな会社なんですか?

岩原さん:建築専門の写真や動画を撮影する会社なんです。主に商業施設やマンションなどの施工写真を撮影していて、新潟のゼネコン関係にはほとんど関わらせていただいています。ドローン撮影や360°撮影なんかも手がけているんです。

 

――へぇ〜、建築写真を専門にしているんですね。

岩原さん:一緒にやっているカメラマンが、建築写真を得意にしているんですよ。建築士の経験があるので、建物の設計意図を汲み取った写真を撮影してくれるんです。私はクライアントとカメラマンをつなぐ仕事をしています。

 

――そして今回、新しく焼き芋専門店をはじめたのはどうしてなんでしょう?

岩原さん:焼き芋が好きだから(笑)

 

――ストレートな理由なんですね(笑)。焼き芋のどんなところが好きなんですか?

岩原さん:食物繊維やビタミンCが豊富に含まれているので、最初は美容や健康のために焼き芋を食べはじめたんですけど、甘いものが大好きだったのですっかりハマってしまったんです。それまではお菓子をよく食べていたんですけど、代わりに焼き芋を食べるようになりました。

 

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焼き芋好きな店主が厳選した
3種類のさつま芋とは。

――焼き芋は3種類なんですね。

岩原さん:本当にお勧めしたい3種類に絞りました。その他に「本日の特選」として、そのときのお勧めをご用意しています。

 

――それぞれ、どんな特徴がある芋なのか教えてください。

岩原さん「紅はるか」は甘さや食感が強い茨城産にこだわっています。糖度が高くて蜜のような甘さが広がり、冷めてからも甘みを感じることができます。焼きたてはもちろんですが、冷めるとよりねっとりしてくるので、お買い上げの翌日に食べていただくと、より美味しさを感じることができるんです。

 

――「紅はるか」といえば、ねっとり系を代表する芋ですよね。

岩原さんそうです。その他にも新潟市北区特産の「しるきーも」も負けていません。シルクのように滑らかな食感とすっきりした甘さが特徴です。こちらも冷めてから甘さが続くので、おやつやデザートにぴったりなんですよ。

 

――ねっとり系が続きましたが、ほくほく系の芋もあるんですよね。

岩原さん:昔ながらのほくほくした芋が好きな方には、栗みたいな食感の「栗かぐや」をお勧めします。こちらもお買い上げの翌日に召し上がると、よりほくほくした食感をお楽しみいただけます。

 

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炭火でじっくり火を通す壷焼きで、
甘さや食感を追求する。

――こちらに並んでいる壺で芋を焼くんですね。

岩原さん:熟成させたさつま芋を壷に入れて、低温の炭火でじっくり3〜4時間かけて焼き上げることで、甘さが凝縮するんです。

 

――焼き上がるまでに3〜4時間もかかるんですか。

岩原さん:その前に炭火が安定するまで1時間半はかかりますから、遅くても早朝の5時半までに火を起こさなければならないんですよ。それから、一定の温度を保つように気をつけながら、壷のなかの温度が下がったら炭を補充しなければならないんです。

 

――美味しい焼き芋をつくるためには、温度管理が大切なんですね。こちらに並んでいる木箱は何に使うんですか?

岩原さん:焼き上がった芋を入れて30分くらい休ませることで、甘みがさらに増すんですよ。できるだけ熱が冷めないように、保温性の高い桐箱を使っています。

 

――とことん甘みを追求。ちなみに、夏も焼き芋を続ける予定でしょうか?

岩原さん:冷やし焼き芋を考えています。今後は米粉を使った商品なんかにも挑戦してみたいですね。贈答用商品のネット販売にも力を入れていきたいです。

 

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手間をかけて焼いた芋が
お客様から喜んでもらえる喜び。

――人情横丁にお店をオープンしてみて、手応えはいかがですか。

岩原さん:ご来店くださる方は、とてもいいお客様が多いんですよ。天気の悪いなかでも買いに来てくれて、「また食べたくなったから買いにきたわ」なんて言ってもらえると嬉しいですね。街並みやお客様が焼き芋によく合うと思ったので、人情横丁にお店をオープンさせていただきました。

 

――でも……建築写真の方が儲かりますよね。

岩原さん300円の焼き芋が1本しか売れないかもしれませんが、自分の焼いた芋を「美味しい」といって買っていただけるのは嬉しいですよ。建築写真の仕事では打ち合わせや編集に携わりますが、写真を撮影しているのはカメラマンですからね。

 

――なるほど。

岩原さん:これからも自分の大好きな焼き芋を、たくさんの方々にお届けして喜んでいただきたいと思っています。

 

壺やきいも いも福

新潟市中央区本町通6番町 人情横丁内

025-000-1278

11:00-15:00

月〜木曜休

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

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