革靴好きがはじめた、靴と服のお店。
三条市の「INTEMPOREL」

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2026.03.04

text by Ayaka Honma

東三条駅から歩いて10分ほど、住宅街の中に新しく古靴と古着のお店がオープンしました。「INTEMPOREL(アンタンポレル)」の店主である西さんは、20年間で150足の革靴を履いてきた生粋の革靴好き。そんな西さんがお店を開いたきっかけや、お店のことなど、いろいろお話を聞いてきました。

Interview

西 智由樹

Tomoyuki Nishi(INTEMPOREL)

1987年三条市出身。高校で農業や林業を学んだ後、新潟市内の専門学校で経営を学ぶ。その後、地元のスーパーで販売として長年働く。今年の2月、好きだった革靴と古着のお店「INTEMPOREL」をオープン。趣味は映画鑑賞で、最近はジブリ映画を観て涙することが多くなったんだとか。

きっかけは、一足の革靴。
西さんが自分のお店をはじめるまで。

――今日はよろしくお願いします!まず、西さんのこれまでのことを教えてください。

西さん:実家がお米を作っている農家だったのもあって、農業や林業を学べる高校に進みました。でも、農業は学ばず、コンクリートの強度を実験したり、設計のことを勉強していたんです。高校卒業後は商業を学べる専門学校に進んだ後、スーパーの鮮魚コーナーで販売の仕事をはじめました。

 

――その時点で、すごくバラエティに富んだ経歴ですね。靴や服のお仕事はされていなかったんですね。

西さん:そうですね。でも、靴も服も学生の頃からずっと好きで。美容師をしていた母親の部屋に洋服がたくさんあって、おしゃれに興味を持ちやすかったのかもしれません。小さい頃からずっと「おしゃれがしたい」って思っていて、高校生のとき、おしゃれのひとつとして革靴を買ってからすごい勢いでハマっていきました。

 

――そのとき、どうして革靴を?

西さん:高校生だったのもあって、いい靴を買えるほどお金がなくて。でもおしゃれはしたかったので、古着屋さんで古い革靴を買ったんです。靴自体は傷んでたり、傷があったりしたんですけど、きれいにすれば問題なく履けるし、きれいにする過程もすごく楽しかったのを覚えています。

 

――そこから革靴好きになって、20年間で150足の革靴を履かれてきたんだとか。

西さん:最初はどんな靴でもよかったんですけど、靴のことを調べて、深く知っていくうちに、たくさんの靴を集めるようになりました。集めはじめたきっかけはイギリスの靴だったと思います。『007』の劇中で履かれていた「クロケット&ジョーンズ」の佇まいのかっこよさとか、ドレッシーな雰囲気にすごく惹かれて、各モデルのサイズや色違いを揃えたこともあるくらいなんです。

 

――それだけ、おしゃれの中でも革靴が大きな存在になっていたんですね。

西さん:そうですね。フランスの革靴文化もすごく感銘を受けましたね。革靴とジーンズ、みたいなカジュアルな組み合わせのやり方を知ったのは、フランスの革靴に出会ってからでした。カジュアルなスタイルでも、革靴があるだけで一段とおしゃれになって。今では子どもと公園に行くときも、場所に合った革靴を履いて行っています。

 

――そんな西さんが、どうして自分のお店をはじめることに?

西さん:革靴を好きになってから、Instagramで自分の好きな革靴のことを発信していたんです。でも、普段生活をしている中で革靴を履いている人が少ないと感じて、「革靴で、もっとおしゃれしてほしい」ってずっと思っていました。不安はもちろんありましたけど、「40歳を前に好きなことにチャレンジしたい」という思いがふつふつと湧いてきたので、思い切って自分のお店を立ち上げることにしました。

 

フランスの小屋をイメージした店。装飾や什器は西さんのお手製なんだとか。

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150足履いてきた西さんが提案する、
シンプルで普遍的な革靴たち。

――店名である「INTEMPOREL」はフランス語で「普遍的」という意味を持っています。

西さん:以前からこの単語が好きで。このお店をはじめるとき、古靴や古着の価値観と通じるものがあると思って、この名前にしました。「トラッド」と呼ばれる、昔からあるような、普遍的な靴や服が好きな方が集まれる場所にしたいという思いも込めています。

 

――最新の流行ではなく、昔からある「定番」が好きな人が集まる場所ということですね。

西さん:今はいろんなファッションのかたちがあって、飽和状態になっていると思うんです。その中で、昔からある定番のよさを体験してもらえたら嬉しいですね。いろんなファッションを楽しんで、最終的に行き着くようなアイテムというか、「やっぱりこれ」と思ってもらえるようなアイテムがここにはあると思います。

 

――お店に入って、まず目に入るのはやっぱり古靴です。

西さん:オープン時には70足くらい、イギリスやフランスでつくられた古靴がありました。今は古着の割合が多いですが、ゆくゆくは古靴の割合をもっと増やしていきたいですね。お洋服に合わせやすい靴や定番のモデル、冠婚葬祭に使えるようなシンプルなものもあります。

 

――すごくおしゃれで、いいなって思うんですが、自分で履くには少しハードルが高いかもしれません。

西さん:そう感じている方は絶対にいますよね。そんな方にこそ古靴を履くきっかけになるようなお店になればいいなと思っているんです。きっかけなんて、おこがましいかもしれないですが(笑)。革靴を履いたことがないお客さまにも、お洋服に合う組み合わせ方や、選び方をご提案しています。靴の選び方をお伝えするときは、これまでの僕の失敗談なんかもお話しするんですよ。

 

――例えば、どんな失敗談が?

西さん:サイズを選ぶときの失敗なんですけど、僕は普段、スニーカーなら27cmを履いているんです。だからといって、古靴を選ぶときも27cmとは限らなくて。古靴は足の実寸のサイズを基準に選んだほうがいいんです。そうじゃないと、サイズが小さくて入らなかったり、逆に大きすぎて歩き方が崩れてしまうこともあるんです。僕はこの失敗を何度もしました(笑)

 

――足の実寸って、測ったことがないです。

西さん:そういう方は結構多いと思いますよ。さらにいうと、同じサイズでも幅や形はブランドによって変わってくるので、実寸で選んだうえで、実際に履いてみることをおすすめしています。実際に履くのは、サイズが合っているかを確かめることができるだけじゃなくて、自分の履いている姿を正面から見ることもできます。よく「装飾があるから履きづらい」っていう声も聞くんですが、実際に履いて鏡で見ると、そこまで気にならなかったりしますよ。

 

タッセルのついた靴も、意外と組み合わせやすいそうです。

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自慢の靴を履いて、
靴のことを語り合える場所に。

――靴に合う服もこちらでは販売しています。

西さん:古着も、イギリスやフランスのブランドが中心です。靴との組み合わせが提案できるように、僕が着てきたような系統が多いかもしれません。靴との組み合わせだけじゃなくて、古着の「定番」の良さも感じてもらいたくて、歴史のあるブランドの服も置いています。いろんなブランドを取り扱うっていうよりは、狭く深く、僕の好きな系統のアイテムをご用意しています。

 

――中でも西さんのおすすめのアイテムは?

西さん:「セントジェームス」のTシャツはおすすめですね。これはボーダーの発祥地であるフランスのブランドのもので、ボーダーはフランス海軍が着ていた「ホリゾンタルストライプ」から由来しているんです。こういうルーツを辿るのがすごく好きで、同じ感覚を持つ方にはぜひおすすめしたいですね。

 

――「INTEMPOREL」を、これからどんなお店にしていきたいですか?

西さん:服のことについて語れる場所は多いけど、靴はそこまで多くないと思っていて。自慢の靴を履いて、靴のことを語り合えるようなお店を作っていきたいですね。イベントを開催してそういう機会を、というよりは、お店を開けているとき常にそうなっていけばいいなと思っています。僕自身、靴のことをもっと知っていきたいと思っているので、皆さんの靴を見せてほしいですね。

 

――最後に、読者の方にひとこと、お願いします!

西さん:靴が好きな方にはぜひ一度来ていただきたいですし、今まで古靴を履いてこなかった方にも気軽に来てもらえた嬉しいです。「おしゃれは足元から」って言葉もありますし、今まで靴を150足履いてきた僕の経験をお話しながら(笑)、ぴったりの靴を探しにきてください。

 

INTEMPOREL

三条市一ノ門2丁目7-24

平日 10:00-16:00

土日 10:00-18:00

不定休

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

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