寄り道したくなる理由がある。
「ヨリミチクレープ」で小さな幸せを。
食べる
2026.06.15
お出かけの途中、クレープのキッチンカーを見つけると、ふらっと立ち寄りたくなることはありませんか。そんな寄り道先のひとつに、4月から出店をはじめた「ヨリミチクレープ」というキッチンカーがあります。こちらのクレープは、生地そのものを楽しめるサクサクでパリパリの食感が特徴。今回は、大のクレープ好きという阿部さんがつくるクレープのこだわりや、キッチンカーをはじめるまでのことについてお話を聞いてきました。
阿部 杏奈
Anna Abe(ヨリミチクレープ)
1988年五泉市出身。高校卒業後は、新潟市内の暖房機器メーカーに16年勤め、工場での溶接作業や事務業務、設計の補助などを行う。第二子の出産を機に会社を退職し、今年の4月から「ヨリミチクレープ」として出店をはじめ、日々クレープを焼いている。最近コーヒーにハマっているんだとか。
自分で何かをはじめたかった。
長年の思いが、かたちになるまで。
――今日はよろしくお願いします。早速ですが、阿部さんがキッチンカーをはじめるまでのことを教えてください。
阿部さん:高校を卒業した後、市内にある暖房機器メーカーに入社して、16年働きました。ここでは溶接や事務、機器の設計補助など、いろんな仕事をしていました。暖房機器は季節商品なので忙しい時期とそうでない時期があって、忙しくない時期に社員育成として、新しい仕事を教えてもらえたんですよ。
――16年働かれた会社を退職したのには、どんなきっかけが?
阿部さん:ふたり目の子どもが生まれたときに、これからの人生のことや、家庭と仕事をどう両立させていくかを考えたんです。昔から「いつか自分で何かをはじめたい」っていう思いがあったので、これを機に、自分の力でやりたいことをかたちにしてみようって思って。
――ご自身ではじめる「何か」として、クレープを選ばれたのには、どんな理由があったのでしょう。
阿部さん:昔からクレープが好きだったんです。小さい頃は母に地元のクレープ屋さんによく連れて行ってもらっていました。大人になって会社員として働いて、いざ、その後何をしようって考えたときに、まっさきにクレープが思い浮かんだんです。それと飲食の仕事なら、お客さんとの距離も近くていいかなと思っていたのも、クレープにした理由のひとつです。
――ところで阿部さんは、飲食のお仕事はこれがはじめてと聞きました。キッチンカーをはじめるまでに、どんな準備をされたのでしょう。
阿部さん:私、何かをはじめるときは石橋を叩きまくるタイプなんです(笑)。クレープ屋さんをはじめるなら、まずは美味しいクレープを作るところからはじめようと思って、業務用のクレープメーカーを買って、ひたすら練習しました。あとは県内外のお店やキッチンカーのクレープを食べ歩いて、自分の作りたいクレープを考えたり、作るときのオペレーションの参考にしたりしました。
――さすが、しっかりと準備されたんですね。
阿部さん:練習している期間もすごく楽しくて。素材をひとつ変えるだけで味や食感が変わりますし、手順や配合によっても、いろんな変化がありました。「今日はこんな出来だったよ」っていうのを、家族に話すのも楽しかったですね。1年くらい繰り返して、「これならいける」っていうクレープにたどり着くことができたので、キッチンカーで販売をはじめました。


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まずはひと口、1分以内に食べてみて。
パリパリ感がたまらないクレープ。
――阿部さんのクレープをひとことで表すと?
阿部さん:「クレープの生地そのものを楽しんでもらえるクレープ」だと思っています。中に入っている具材はシンプルなんですが、その分生地の美味しさを感じてもらいたくて、素材にはこだわっていますね。
――生地のこだわり、ぜひ詳しく教えてください。
阿部さん:「きたほなみ」という小麦粉と、アーモンドプードルを使って生地を作っています。小麦粉は手に入る限り、いろいろ試してこの品種を配合することにしました。クレープの生地をパリパリに仕上げたかったので、そこにアーモンドプードルを入れています。生地に使う砂糖は、お子さんにも安心して食べてほしくて、てんさい糖を使っています。
――具材は、どんなものがあるのでしょう。
阿部さん:シュガーバター系、チョコバター系、お食事系のクレープをそれぞれご用意しています。すべてのクレープに「カルピスバター」を使っているのも、こだわりのひとつですね。他のバターも試したなかで、このバターがいちばんクリーミーでコクがあって美味しかったんです。シュガーバター系には「カソナード」っていうフランスの赤砂糖も使っていて。赤砂糖のコクが生地との相性が抜群なんですよ。
――シンプルだけど、素材ひとつひとつにこだわりが詰まっていますね。中でも、阿部さんのおすすめは?
阿部さん:全部おすすめなんですが……(笑)、私はシナモンが好きなので、「シナモンシュガー」推しです。でも、中にはシナモンが苦手な方もいらっしゃると思うので、その方の好みに合わせてクレープをおすすめできたらな、と思っています。私のおすすめの「シナモンシュガー」、よかったら食べてみてください。
――では、できたてをいただきます!パリパリの生地とバターとシナモンの香りがたまりません……!
阿部さん:私の作るクレープは、できればその場ですぐ食べてもらいたいんです。できたてのうちに食べてもらえば、クレープの食感やバターの香りをいちばん楽しんでもらえるので。10分経つだけでも状態が変わってくるクレープなので、ぜひ最初のひと口目は、お渡ししてから1分以内に味わっていただきたいです。
――確かに、このひとくち目の美味しさは、ぜひ体験してもらいたいです。このクレープだったら、もう1個食べられそうなくらい軽いです。
阿部さん:実際お客さまからも「ペロッと食べられた」って言っていただけています。はじめる前は、このクレープがみなさんに受け入れてもらえるか、すごく心配だったんです。でも食べてくださった方には「美味しい」と言っていただけていますし、中には生クリームが苦手な方もいらっしゃるみたいで。「こんなクレープが食べたかった!」って言っていただけて、嬉しいですね。


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小さな幸せを「ヨリミチ」から。
クレープと歩む、新しい毎日。
――「ヨリミチクレープ」という名前には、どんな思いが込められているのでしょう。
阿部さん:この名前は、忙しい毎日の中で、ちょっと幸せを感じてもらえるようなお店にしたいという思いを込めました。どこかへ向かう途中で「ヨリミチ」して、うちのクレープを食べてちょっとでも幸せになってもらえたら嬉しいですね。これから出店する場所は、イベント会場というよりは、お店さんの敷地内をメインにしていきたいなと考えています。
――4月から出店をはじめられて、いかがですか?
阿部さん:すごく楽しくやらせてもらっています。自分で何か目標を立てて、それに向かって自分で考えて動けるっていうのが楽しいんです。子育てと両立できているのも、すごくありがたくて。土日に出店できないのが申し訳ないと思いつつも、子どもの行事に参加できているので、思い切ってやってみてよかったです。出店していくなかで、やってみないとわからないことも、いろいろ見つけることができました。
――具体的には、どんなものでしょう。
阿部さん:出店場所によっては傾斜がついているところがあって、そういうところでクレープをつくると、生地が傾斜に向かって流れちゃうんですよ。電圧も場所によって変わってくるので、出店先についたらまず試しにクレープを作ってみて、火力を調整しています。
――そういった課題をひとつひとつクリアしていくのも、楽しそうです。最後に、阿部さんのこれからの目標を教えてください!
阿部さん:まずは、「ヨリミチクレープ」を多くの人に知ってもらいたいと思っています。季節に合わせて、気まぐれメニューみたいなものも出していこうと考えていて。これからの時期だと、ブルーベリーとクリームチーズを使ってみたりとか、アールグレイを生地に練り込んだものとか、いいなと思っています。

ヨリミチクレープ
※出店予定はInstagramをご確認ください。
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