民泊やカフェで古民家を堪能できる「Café & Marché 麦んち。」
カフェ
2022.03.25
角田山の麓、海沿いに広がる越前浜集落。以前は空き家が多かったエリアですが、地域の方々の取り組みによって、移住者がどんどん増えています。そして最近、この越前浜集落に人の集まる場所を作ろうと、古民家をリノベーションした「アグリ民宿 麦んち。Café & Marché 麦んち。」がオープンしました。今回はオーナーの圡田さんを訪ねて、趣のある古民家におじゃましたのですが、怪しい者だと思われたのか……看板犬のわんちゃんに吠えられてしまいました(笑)


アグリ民宿 麦んち。 Café & Marché 麦んち。
圡田 聡子 Satoko Tsuchida
1970年新潟市西蒲区生まれ。長野の短期大学を卒業後、新潟に戻って銀行の窓口業務を担当。2018年にご主人と越前浜の古民家を購入し、2022年より「アグリ民宿 麦んち。Café & Marché 麦んち。」をオープン。柴犬の麦ちゃんと過ごす時間が何よりの楽しみ。アロマコーディネーターの資格を持っている。
「麦んち。」の看板犬は人見知りの柴犬。
——すみません……怪しいヤツが来たと思って、わんちゃんを驚かせてしまいましたよね。わんちゃんは、なんていう名前なんですか?
圡田さん:こちらこそすみません。なかなか人見知りが直らなくて(笑)。この子の名前は「麦」っていいます。4歳の女の子です。「柴犬を飼いたい」っていう子どもの頃からの夢が最近やっと叶ったんですよ。「犬」じゃなくって「柴犬」をずっと飼いたかったんです(笑)
——麦ちゃんとはどこで出会ったんですか?
圡田さん:たまたま立ち寄ったペットショップです。主人もひと目見て気に入ったみたいで「この子だったら飼ってもいいよ」って言ってくれたんです。西区にある自宅は車の交通量も多くて、なかなか散歩しにくいんですけど、越前浜のこのあたりは車もめったに通らないし、のびのび散歩させることができるんです。
——もしかして「麦んち。」の由来って……。
圡田さん:そうなんですよ。この子の「麦」って名前からつけました。「麦の家」っていう意味なんです。だから、たまにドッグカフェと勘違いしたお客様もいらっしゃいますね。大型犬を二匹連れて来て「犬も一緒に上がって大丈夫ですか?」って聞かれたのでさすがにお断りしましたが、ご要望が多いので将来的には対応したいです。
——麦ちゃんは可愛い顔をしているし、お客さんのアイドルになれそうですね。
圡田さん:そうなってほしいですね(笑)。さっきもお話ししたように人見知りが激しいから、何とか人に慣れてほしいんですけどねぇ……。いつか看板犬になれるように育て上げたいと思っています。

「浜メグリ」のイベントで巡りあった古民家。
——立地も佇まいも、隠れ家という言葉がぴったりの古民家ですね。
圡田さん:はじめてこの建物と出会ったのでは、2018年に開催された「浜メグリ」っていうイベントに、主人とふたりでおじゃましたときです。「浜メグリ」っていうのは、越前浜をはじめ角田地区にあるいろいろな工房におじゃまして、作品を見てまわるイベントなんですよ。そのとき、この空き古民家に出会って、巡り合わせのようなものを感じました。

——最初からカフェや民泊をはじめるつもりで購入したんですか?
圡田さん:いいえ。最初は老後にスローライフを楽しむつもりで購入したんです。だから週末に畑仕事をしに来て、作業が終わったらひと休みするだけに使っていました。そのついでに麦と散歩して帰っていたんです。
——うわ〜、もったいない。カフェや民泊をはじめようと思ったのはどうしてなんですか?
圡田さん:2020年4月から新潟市で「特区民泊」ができるようになったんですよ。
——「特区民泊」ってなんですか?
圡田さん:簡単にいうと、一定条件を満たして新潟市の認可を受けることで、住宅での宿泊事業ができる制度なんです。旅館やホテルと比較して、施設設備が容易になるんですよ。

——へ〜、知りませんでした。
圡田さん:全国でも東京、大阪、京都くらいでしかやっていなくて、新潟市では今まで1軒しかなかったから「麦んち。」は第2号なんです。それほど、まだ珍しいものなんですよ。
——旅館や民宿とは違うんですか?
圡田さん:2泊3日以上の宿泊が必要なんです。あと、お食事や日々のお掃除といったサービスは一切つきませんので、お客様各自にお願いすることになります。その代わり台所をはじめ、建物や民泊の方専用の道具を自由にお使いいただけるんです。裏にある畑の作物も時期によっては収穫していただくことができます。
——ほんとだ。広い畑があるんですね。
圡田さん:だからいろいろな作物の収穫体験もしていただけるんです。収穫した作物は台所で調理して食事していただいてもいいし、お持ち帰りいただいても構いません。
——だから「アグリ民泊」なんですね。ちなみに、どんな作物を収穫できるんですか?
圡田さん:今のところはキュウリ、トマト、ナス、カボチャ、サツマイモ、キウイですね。自然のままで育てているので、安心して召し上がっていただけますよ。

気軽に立ち寄れる場所としてはじめたカフェ。
——カフェもやっているんですね。スイーツは圡田さんの手作りですか?
圡田さん:はい。平日はすべてひとりでやっているから、ちょっと大変なんです(笑)
——「犬の手も借りたい」って感じでしょうか……失礼しました(笑)。ところで、圡田さんは飲食店で働いた経験ってあったんですか?
圡田さん:それがまったくないんですよ。地元のコーヒー焙煎屋さんに「麦んち。」オリジナルの豆をブレンドしてもらってるのでコーヒーの淹れ方はそのお店で指導をしていただきました。

——そうなんですね。じゃあ、スイーツは独学?
圡田さん:そうなんです、家庭で子どもたちを相手に研修を重ねてきました(笑)

——へ〜、レベル高いですね〜! カフェのお客さんって、どんな方が来るんですか?
圡田さん:いろいろですね。女性が多いけど男性もいらっしゃるし、おひとり様もいればお子様連れのファミリーもいらっしゃいます。なかには古民家好きな方とか柴犬好きな方とかもいますね。
——民泊をはじめた理由はわかりましたけど、カフェはどうしてはじめたんですか?
圡田さん:どんなところかわからないのに、いきなり民泊を申し込む人っていないじゃないですか。だから、まずは気軽にカフェへお茶を飲みに来て、建物を気に入ってもらえたら今度は宿泊してほしいと思ったんです。
——確かにカフェの方が気軽に立ち寄れますもんね。
圡田さん:あと地元の人たちが、お茶飲みに集まれる場所を作りたかったんです。だから、地元の方々にもぜひ遊びに来てほしいですね。
——これから暖かくなってくると、畑の収穫体験も楽しめるし、越前浜の海水浴も楽しめそうですね。
圡田さん:はい。今はプレオープン中でカフェだけの営業なんですが、4月からは本格的に民泊の募集をはじめる予定です。カフェメニューのテイクアウトや野菜のマルシェもやっていますので、興味がある方は遊びに来ていただきたいですね。看板犬見習いの麦と一緒にお待ちしています(笑)

アグリ民宿 麦んち。 Café & Marché 麦んち。
新潟市西蒲区越前浜5029
070-8318-6921
Advertisement
関連記事
カフェ
「かわいい」が詰まった、弥彦の「ぬいぐるみと雑貨カフェmilicute」。
2024.04.27
カフェ
温かい接客で迎えてくれる、旧小澤家前にオープンしたカフェ「Histoire 旬庭」
2022.08.21
カフェ
海沿いの小さな田舎町で
暮らしと人々をつなぐカフェ「絲と糸」
2025.12.13
カフェ
「Days Coffee Roaster」の選べるコーヒー豆。
2021.07.28
カフェ
心地よい空間で人と人がつながる店を目指す「紡ぐ珈琲と。」
2019.12.02
カフェ
桐製品のショールームでジェラートを楽しめる「KIRICAFE GERATO」。
2025.09.25
新しい記事
買う
できることを、できる範囲で。「下田の森の美術館 リースとタルトのお店」
2025.12.19
食べる
台北出身のオーナーがつくる
本場の台湾料理「Lu Rou」
2025.12.18
カルチャー
芸術に関わりたい人を支える、
加茂市の「アトリエ現場」
2025.12.17
食べる
季節感を大切にしたお菓子づくり。
上古町の老舗「美豆伎庵 金巻屋」
2025.12.16
その他
「整体コラボスペース リソラボ」で
やりたいことを、思いっきり。
2025.12.15
Things写真館
[Things写真館]Photo Studio またね photographer 吉田尚人 #03
PR | 2025.12.15


