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ササダンゴンなど、ポップなキャラクターを生み出すクリエイターYAMA

ご当地キャラクターの舞台裏を語る。ちょっと不思議な50歳。

近年で最も人気が爆発したご当地キャラクターといえば、千葉県船橋市在住の梨の妖精「ふなっしー」がパッと思い浮かびます。過激なパフォーマンスで一時はメディアに出ない日はなかったほど。そんな「ふなっしー」をはじめ、全国には多くのご当地キャラクターが存在していますが、いったいご当地キャラクターとは、どのようにして誕生しているのでしょうか。今回、「キャラクタークリエイター」として、多くのご当地キャラクターに命を吹き込んできたYAMAさんに、その舞台裏をうかがいました。50歳とは思えないほど愛くるしいその本人の“キャラクター”にも注目です。

キャラクタークリエイター

YAMA

1968年生まれ。過去3回のプロポーズをものの見事に断られて現在独身。休日の楽しみはカウンターでしんみり食すラーメン。自身がプロデュースする「ササダンゴン」の活動を中心にポップで愛くるしいキャラクターを制作する50歳。怪獣が大好きな一面も。

キャラクタークリエイター・YAMAとしてのキッカケ。

――いきなりの質問で申し訳ないですが、キャラクタークリエイター・YAMAとして活動されていますが、このネーミングは幼い頃のあだ名ですか?

YAMA:本名、「山崎一彰(ヤマザキ カズアキ)」といいます。「YAMA」は、単純に名前を短くして、カッコイイかなと思って英語を使ってみただけなんです。あだ名は「山ちゃん」です。余談ですが、歴代の彼女には「かずたん」と呼ばれていました(笑)。

 

――そうだったんですね。なんかごめんなさい。しょっぱなから余計なことを思い出させてしまって…。

YAMA:いえいえ。なんでも聞いちゃってください!

 

――それでは本題へ…YAMAさんはいつからキャラクタークリエイターとしての活動をはじめられたのですか?

YAMA:話すと長いのですが、高校を卒業してからグラフィックデザインを学ぶために専門学校へと進学しました。まあ、早く働きたくて中退したんですけど…。それからいろいろありまして、印刷会社で営業マンになったんです。その頃の印刷業界は、今みたいにパソコンが導入されていなく、ローテクな時代でした。でもバブルが弾けた頃、デザインに関わる業種にMac(パソコン)が一気に導入されたんです。そのとき、自分でもグラフィックデザインができるということで、デザイナーとしての活動をスタートしました。

 

――その当時はまだ、ご当地キャラクター制作はしていなかったんですか?

YAMA:まだでしたね。もうちょっとしてからキャラクター制作をはじめます。

 

――何かキッカケがあったんですか?

YAMA:はい。印刷会社の後に努めていた広告代理店でいろいろありまして、当時の営業部長とデザイン制作会社を設立することになりました。仕事を作るためキャラクターの公募にいろいろ応募をはじめたんです。そこで採用となったのが、滋賀県にある琵琶湖に生息するビワコオオナマズをモチーフにデザインした「キャッフィー」というキャラクターです。このキャラクターが採用されたことが、キャラクター制作をはじめたキッカケですね。

 

 

キャッフィー

2007年4月に誕生。琵琶湖出身のチャレンジ精神旺盛な子ども好きな反面、のんびり屋でなまけ者。陸上生活は疲れやすく、目を離すとすぐに居眠りをしてしまう。着ているタンクトップの「S」は滋賀県とスポーツの頭文字。

 

――キャッフィーがキッカケだったんですね。他にはどんなキャラクターを作られたのでしょうか?

YAMA:デザイン制作会社から独立して「デザインスタジオ ショッカー」というプロダクションを立ち上げました。フリーでの活動をはじめてから、現在活動をしている「ササダンゴン」をはじめ、さまざまなキャラクターを作ってきましたね。例えばこんなキャラクターです。

――すごい!たくさんのキャラクターを生みましたね!失礼ですけど、意外と愛くるしいキャラクターが多いですね(笑)

YAMA:そうなんですよね(笑)。なんか可愛くなっちゃうんですよ。

 

自身がプロデュースしたササダンゴンの存在。

――「ササダンゴン」について聞かせてください。ササダンゴンはどうやって誕生したんですか?

YAMA:自分で作ったキャラクターといえど、そのご当地キャラの活動は自分でコントロールすることはできないんですよ。キャッフィーがいい例なんですが、活動自体は滋賀県が行っているんです。他のキャラクターもそうです。そこで、自分でキャラクターの制作から活動まで、すべてをプロデュースしたいなぁと思い、新潟のキャラクターを制作しようと思ったんです。

 

――新潟だから笹だんごをモチーフにしたんですか?

YAMA:ササダンゴンのデザインを考えている時代は、まだ笹だんごをモチーフとしたキャラクターが少なかったんです。シルエットも面白いなと思ったので、笹だんごをベースとして考えることにしました。

 

ササダンゴン

笹だんごの神様の魔法によって、怪獣になった笹だんご。趣味は散歩にドライブ、そして合コン(ちょっと女好き)。作者に似てラーメンを好み、中身はつぶあん。同じあんこキャラクターの先輩として、アンパンマンを崇拝している。

生息地 新潟市
誕生日 3月30日
性別 笹男子
身長 笹団子5個分
体重 笹団子5個分
趣味 さんぽ/ドライブ/写真/合コン
好きなモノ 新潟/ラーメン/ぽっぽ焼/イタリアン/ビール

 

 

YAMAさんによるキャラクターの作り方。

――ササダンゴンを例に、キャラクターを作る手順を教えてください。

YAMA:僕の場合は、まずリサーチからスタートします。ご当地キャラクターといわれているので、基本的にはその土地の観光スポットなどを巡って魅力を探ります。

 

――リサーチされたあとは、どのような工程になるんですか?

YAMA:キャラクターのベースとなるものを決めます。ササダンゴンであれば「笹だんご」。ベースを生かしつつも、そのままにしないように気をつけてデザインします。愛くるしさも忘れてはいけないポイントです!あとはキャラクターメイキングも重要。簡単にいえば性格やプロフィールの設定です。寡黙なのか、お調子者なのかなど、ビジュアルにも関係してきますからね。

 

――キャラクターの性格まで考えるんですね。ササダンゴンのプロフィールは、どこかYAMAさんに似ているような気もしますが…。

YAMA:確かにそれはありますね。自分の分身的な部分もあるので、ラーメンだったり、ビールだったり、合コンも好きなキャラクターになっていますね(笑)。趣味でウルトラマンに出てくる怪獣を集めたりもしているので、「笹だんごの怪獣」って設定にもしましたね。

 

――怪獣が好きなんですか?

YAMA:そうなんですよ。ついフィギアとか集めてしまうんですよね。たぶん150体ぐらいあると思います。

 

キャラクタークリエイターとしてのこれからの未来。そして感謝。

――ササダンゴンの活動は、どんなことをメインとしていますか?

YAMA:活動をはじめるにあたって、まずブログをスタートしました。小さなマスコットのササダンゴンが新潟を案内するブログです。驚くことに、スタートして10日目には「ゆるキャラ」のジャンルランキングで1位になったんです。そこから知名度も徐々にあがり、大きなササダンゴン(着ぐるみ)も誕生しました。今では、イベントに参加したり、グッズ販売を行っています。もちろん、ブログも続けています!ブログ!見てくださいね(笑)。

 

――ブログですね。しっかりチェックします。どのようなイベントに出演されているのですか?

YAMA:自治体や企業のイベントをはじめ、ご当地キャラクターが集まるフェスなんかにも参加しています。以前は付き合っていた彼女が手伝ってくれて、イベントでのグッズ販売などを担当してくれました。幾度となくプロポーズまがいなことをしていたのですが、愛想を尽かされていなくなってしまいました(笑)。

 

――それはそれは…。現在、グッズ販売などのサポートはどうされているのですか?

YAMA:なんと、ファンの方が手伝ってくれています!本当にいい人ばかりで頭が上がりませんよ。

 

――これからの活動について教えてください。

YAMA:そうですね、正直大変なときもありますが、楽しみの方が大きいのでもっと楽しいことをしていきたいです。アニメとか映画とかも作りたいと思いますし、自身がプロデュースしたササダンゴンというキャラクターがどこまでいけるかを自分の人生で追いかけたいです。個人ではじめたにも関わらず、ずっと応援してくれているファンの方々や、手伝ってくれている方がたくさんいるので、その方々に恩返しをしたいです。

 

――恩返しというと?

YAMA:とにかく活動の場を増やしていきたいですね。いろいろな場所でササダンゴンの姿を見てもらえることが一番の恩返しと思っているので。あと、ササダンゴンってアグレッシブな動きが多いんですよ。ササダンゴンも年を重ねて、動きが鈍くなってしまわぬようにちゃんとトレーニングをしてもらいたいです(笑)。

 

ササダンゴンの新潟日和

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