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ハンデに立ち向かう国内最小最軽量の女性ファイター「ちびさいKYOKA」。

春から新しい習いごとをはじめた方も多いのではないしょうか。今回ご紹介する女性は、フィットネス感覚で道場に入門したことがきっかけで総合格闘技に目覚め、現在は「ちびさいKYOKA(キョーカ)」というリングネームで総合格闘家として活躍しています。身長145cm、体重42kgの彼女がどうして格闘技を続けているのか。所属している「総合格闘技道場 SAI-GYM(サイジム)」にお邪魔してお話を聞いてきました。

 

 

総合格闘技道場 SAI-GYM

ちびさいKYOKA Chibisai Kyoka

1997年燕市生まれ。中学校を卒業した頃に「総合格闘技道場 SAI-GYM」へ入門し、2021年の「DEEP TOKYO IMPACT 2021」で総合格闘家としてプロデビュー。現在は「DEEP JEWELS(ディープジュエルス)」で試合を重ねながら、道場のコーチも務めている。

「家庭科部」の少女が、総合格闘家になるまで。

——想像していたよりも小柄な方なのでびっくりしています。総合格闘家だなんて信じられません。

KYOKAさん:会った人にはよく言われます(笑)

 

——もともと格闘技に興味があったんですか?

KYOKAさん:格闘技どころかスポーツも好きだったわけではなく、得意じゃありませんでした。どちらかというと細かい作業が好きで、小学生の頃は家庭科部に入っていたんです。今でもグローブがほつれたりしていると、自分で縫って直しています(笑)

 

 

——そんなKYOKAさんが、格闘技に興味を持ったのはどうしてだったんでしょうか?

KYOKAさん:「ブラジリアン柔術」をやっていた叔父の練習にくっついて、この「SAI-GYM」へ来たのがきっかけでした。キッズクラスを見学したんですけど、想像と違って、みんな楽しそうに遊びを交えたトレーニングをしていたんです。そこで後日、女子クラスの体験レッスンを受けてみました。

 

——体験してみて、いかがでした?

KYOKAさん:ミットやサンドバックを打つ体験をしたんです。パンチを打つ機会なんて日常生活ではなかなかないので、スカッとして楽しかったですね(笑)。その日のうちに入門することにして、最初はフィットネス感覚でトレーニングをしていました。

 

 

——最初はフィットネス感だったのに、どうしてプロの格闘家を目指すことになったんでしょう?

KYOKAさん:実践的なクラスのレッスンを見ていたら、もっと強くなりたいと思うようになったんです。そこで柔術、総合格闘技とステップアップしていきました。そんなときに女子総合格闘家の浅倉カンナ選手と出会う機会があって、キラキラと輝いている姿に憧れを持つようになり、自分も同じように輝いてみたいと思ったんです。

 

——それでプロの総合格闘家になったんですね。

KYOKAさん:2020年の「アマチュア修斗選手権女子アトム級」に優勝したことでプロに昇格しました。

 

ハンデを乗り越えて、戦い続ける思い。

——「ちびさいKYOKA」って、変わったリングネームですよね。

KYOKAさん:小柄という意味の「ちび」とジムの名前と本名を合わせて考えました(笑)

 

——プロになって、アマチュアとの違いを感じたことはありました?

KYOKAさん:プロデビューした際に感じたのは応援の大きさですね(笑)。それまで体験したことがないほど大きな応援をいただいたことで、プレッシャーを感じると同時にプロとしての責任に身が引き締まるのを感じました。

 

 

——こんなことを言ったら失礼かもしれませんが、身長146cmという小柄な体格って格闘技をやる上では不利ですよね。

KYOKAさん:それはトレーニングから感じています。ジムでスパーリングの相手になってもらえるのはほとんどが男性なのでウエイトの近い選手とやるんですけど、どうしても体格や力の差があって思うようなトレーニングができないんですよ。

 

 

——なるほど。試合でも不利に感じることはありますか?

KYOKAさん:もちろんありますね。身長の高い選手が相手だとリーチの差があるので、こちらの攻撃がなかなか当てられなくて、反対に相手の攻撃は当たりやすいという不利な面は感じます。だから自分が有利に戦えるような工夫をしているんです。

 

——例えばどんなことでしょうか?

KYOKAさん:真正面から向かっていったら不利なので、相手の隙に回り込むことで自分に有利なポジションをキープするようにしたり、パンチの打ち方ひとつにしても相手にヒットするよう工夫したりしています。

 

——頭を使って考えながら試合に臨んでいるんですね。

KYOKAさん:試合ではどれだけ自分のペースで戦うことができるかが大事なので、そのためにトレーニングを重ねています。

 

——2022年のジャカ季美香選手との試合で初勝利していますね。

KYOKAさん:すっごく嬉しくて、総合格闘技を続けてきてよかったと思いましたね(笑)

 

——KYOKAさんはどんな思いで総合格闘技を続けているんですか?

KYOKAさん:私の身長って小中学生と同じくらいですよね。そんな私が自分よりも大きな相手と戦う姿を見て、小中学生のみんなを勇気づけることができたらいいなと思っているんです。スポーツ経験もなく将来の夢もなかった私が、総合格闘技と出会うことで夢や憧れを持つことができたので、私もキラキラと輝いている姿を見せていきたいです(笑)

 

 

 

総合格闘術道場SAI-GYM

燕市吉田東町9-1

090-6628-4350

18:00-22:00(土曜は9:30-12:00)

日曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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