新潟のクライミング施設の少なさに残念な思いをしている方も多いのではないでしょうか。今回紹介する池田さんもそのひとりで、新潟県内でもっとクライミングを盛り上げていきたいと考えています。以前は池田さんの経営する胎内市のクライミングジム「HUT WALL(ハットウォール)」を紹介しましたが、今回は新潟市東区で新しく「CRAIL CLIMBING(クレイル クライミング)」をオープンしたということで、完成間近のジムで池田さんの思いを聞いてきました。
CRAIL CLIMBING
池田 朋允 Tomomi Ikeda
1979年胎内市(旧中条町)生まれ。スポーツ専門学校のスノーボードインストラクター科でインストラクターの資格を取得後、東京のスノーボードショップに3年勤務。結婚を機に胎内市に戻りサラリーマン生活をした後、2015年に胎内市でクライミングジム「HUT WALL」、2024年に新潟市で「CRAIL CLIMBING」をオープン。趣味はスノーボード、サーフィン、スケートボード、モトクロスと幅広い。
——この度はオープンおめでとうございます。新潟市内に新しいクライミングジムをつくったいきさつを教えてください。
池田さん:胎内でクライミングジムをやっていたものの、横浜にいた頃に比べて新潟の盛り上がり方が寂しいと感じていたんです。そこでもっとジムを増やしたくて、新潟市内に限らず新しくクライミングジムをオープンできる物件を探していたんですよ。
——今回、この場所にオープンすることになったのは?
池田さん:東区に続いて江南区のクライミングジムまで相次いで閉鎖したことで、新潟市からクライミングの灯を消してはならないという使命感に駆られたんです。それでこの工場跡地を見つけました。
——こちらは、なかなか広い敷地ですね。
池田さん:そうなんですよ。広い上に壁にこだわったこともあって、大幅に工期が遅れちゃいましたけど。それでも年内にはすべてが完成する予定です。
——こちらの施設のこだわりについて教えてください。
池田さん:新潟市のフラッグシップ的なクライミングジムにしようという意気込みがあったので、デザイン性の強い壁にはこだわりました。単管パイプで作ってはいないので、たわみがないんです。あとぬくもりを感じられるように板の木目を生かしました。ただ、形を複雑にした分、使う板の数も多くなってしまい、思っていた以上に予算がかかることになってしまいました。
——ただ垂直な壁ではないんですね。他にもこだわりはあるんでしょうか?
池田さん:うちはクライミングの壁でも最大の、5mの高さがあるんですよ。公式戦の壁が5mあるんですけど、クライミングジムでそこまで高い壁があるところは少ないと思います。一面ごとの幅も広く取ってあるので、横移動もしやすいし自由度が高いんですよ。
——新潟市のクライミングを盛り上げていくために、力を入れようと思っていることはあるんでしょうか?
池田さん:子どもの頃からクライミングに親しんでもらいたいと思うので、小学生のためのクライミングスクールをやっていく予定です。そのために地元の小中学校へご挨拶に伺ったら快く受け入れていただけました。
——それは心強いですね。どんなスクールをはじめようと思っているんでしょうか。
池田さん:子どもたちにクライミングの楽しさを知ってもらった上で、好きになってもらいたいですね。みんなで楽しさを共有できればいいなと思っています。好きになれればあとは勝手に強くなっていきますから(笑)
——なるほど、確かにそうですよね。
池田さん:あと中学生のためのクライミングクラブをはじめたいと思っています。国民スポーツ大会の「少年種別」が中学3年生からなんですけど、その前にクライミングをやめてしまう子も多いんですよ。本当なら中学生からが本番なのに、もったいないと思うんですよね。
——それでクラブを作ろうと思っているんですね。全体的にはどんなクライミングジムにしていきたいと思っていますか?
池田さん:いろいろな方に楽しんでもらえるよう、クライミングの裾野を広げていきたいですね。初心者でも気軽にはじめてもらえるよう、気をつけていきたいと思っています。そうして新潟市にも、クライミングの文化が根付いてくれたら嬉しいです。
CRAIL CLIMBING
新潟市東区河渡夷296-22
025-367-7897
14:00-22:00(土日祝日10:00-19:00)
不定休