コンビニをはじめ様々なところで販売されている「生どら焼き」。どら焼きの皮に挟まれたあんこと生クリームが絶妙な美味しさの人気スイーツです。その生どら焼きの専門店「creamsand Nagi(クリームサンドナギ)」が新潟市西区に登場し人気を集めています。オーナーの嶋村さんにお会いして、どんなこだわりや特徴のある生どら焼きなのか、お話を聞いてきました。
生どら焼き専門店 creamsand Nagi
嶋村 貴大 Takahiro Shimamura
1986年村上市生まれ。調理師専門学校を卒業後、新潟市内のいろいろな洋菓子店で修行を重ね、2021年10月新潟市西区に「生どら焼き専門店 creamsand Nagi」をオープンする。趣味はラーメンの食べ歩きで、なかでも味噌ラーメンが好き。
——「生どら焼き専門店」って、新潟では珍しいスタイルのお店ですよね。どうしてはじめようと思ったんですか?
嶋村さん:どこのコンビニでも生どら焼きが売られていて、無くなることなくずーっと続いているロングセラー商品なので、それだけ人気があるんだろうなと思っていたんです。僕自身も生どら焼きが好きでよく食べていたので、自分でやってみようと思いました。
——でも、一般的な生どら焼きとはちょっと違うような……。
嶋村さん:生どら焼きを作っているお菓子屋さんは多いので、僕が今までやってきたパティシエとしての経験を生かしたオリジナリティある生どら焼きを作ろうと思って「ケーキをサンドしたどら焼き」を思いついたんです。僕には和菓子作りの経験がなかったので試行錯誤して作るのは大変でしたけど、逆に先入観がなかったので、洋菓子の知識と技術を自由に生かした「新しい生どら焼き」を作れたと思っています。
——たしかに斬新ですよね。お客さんの反応はいかがですか?
嶋村さん:お店をはじめる前に融資の相談をした銀行の方から「最初からそんなに売れない」と聞いていたんです。でもオープン一番乗りのお客様が、いきなり20個買っていかれたんですよ。「全然話が違うじゃん」って思いました(笑)。うちの生どら焼きを食べたお客様からは「予想していたものとまったく違った」とか「どら焼だと思って食べたらケーキだった」とかの感想をいただいています(笑)
——ちなみにどんなお客さんが多いんですか?
嶋村さん:最初は年配の方が多いのかなって思っていたんですが、30〜40代の女性が多いんですよ。あと、おじさんが会社の女子社員への手みやげに買っていかれます(笑)。うちのどら焼きって、和菓子派と洋菓子派のどちらにもアピールできているような気がしますね。
——たしかに、手みやげにも喜ばれそうですね。
嶋村さん:手みやげとして誰かに贈ってほしいから、うちでは箱代や袋代はいただいていないんです。これからコロナ禍が落ち着いてきて、人と会う機会も増えてくるのに箱代や袋代で手みやげの邪魔をしたくないんですよね。
——嶋村さんが独立して自分のお店をはじめたのは、どうしてなんですか?
嶋村さん:今までパティシエとしてお菓子作りをしてきたなかで、自分が納得できるお菓子作りのできるお店をやりたかったんですよね。大きな洋菓子店になってくると、どうしてもたくさんのスタッフが必要になるし、お菓子作りが「作業」になってしまいがちなんです。僕はひとつひとつのお菓子を丁寧に手作りしたかったので、自分ひとりがお菓子作りをする小さなお店にしました。自分にとっては何百個も作るお菓子でも、お客様にとっては大切なひとつだということを意識して作っています。
——他にもこだわっていることはありますか?
嶋村さん:できるだけ、いろいろな種類を味わってほしいので、一般的などら焼きに比べて小さめに作ってあるんです。あと、手みやげとして使われることを意識して、翌日まで美味しく食べられる賞味期限になっているんです。仕事帰りの夕方に買って帰って、その日のうちに食べなければならないのはハイリスクだと思うんですよ。手みやげとして使うんだったらなおさら日持ちした方がいいですよね。
——なるほど。翌日でも美味しく食べることができるんですね。
嶋村さん:実は翌日まで寝かせてから食べると、生地がなじんでより美味しくなるんですよ。だから僕は2日目に食べることをおすすめしています。実践したお客様からも同じ感想をいただいたので、間違いないと思います(笑)
——翌日の方が美味しいっていうのは、まるでカレーみたいですね(笑)。嶋村さんは個人的にどの生どら焼きがおすすめなんですか?
嶋村さん:「チーズテリーヌ」ですね。いつもはレシピを見るとだいたいの味が想像つくのに、これを試食したときは思っていた以上に美味しくて「おっ! いけるじゃん」って思いました。どら焼きの生地と生クリームやチーズテリーヌの相性が抜群にいいんです。あとは定番の「つぶあん」を買っていく人も多いですね。
——お話を聞いているだけでも美味しそうです。それにしてもお客さんがひっきりなしですね。
嶋村さん:とてもありがたいですね。ただ駐車場が広くないので、近隣のお店にご迷惑をおかけすることもあって困っているんです。うちの駐車場は「清水フードセンター青山店」さんと「レッドバロン新潟本店」さんの間の道を少し下ったところにある「プチパーク松美台」さんの3番と4番のふたつなんです。それ以外のところには駐車しないよう、くれぐれもお願いしたいですね。
——うれしい悲鳴、とは言っていられない問題ですね。
嶋村さん:駐車場問題で困っている以外は、多くのお客様に来ていただけてうれしいんですよ。最初は興味本位で生どら焼きを買っていただいたとしても、2回目に来てくれるということは味を認めていただけたわけですから、リピーターのお客様は特にうれしいです。
——ちなみに店名の「Nagi」にはどんな由来があるんですか?
嶋村さん:僕は村上出身なので笹川流れを見て育ったんです。凪いだ静かな海を見ていると心が落ち着いたんですよね。お客様にも僕が作ったお菓子で心を落ち着かせてもらえたらと思って、凪の海をイメージして「Nagi」にしました。最初は店名の由来を話すのが恥ずかしかったんですけど、取材のたびに話していたら最近は慣れてきました(笑)
生どら焼き専門店 creamsand Nagi
新潟市西区松美台1-4 1F
025-211-8668
10:00-18:00(売り切れ次第終了)
火曜他不定休