Things

三条の複合交流拠点に誕生した「プリン専門店 GABBY GABBY」。

三条市の「一ノ木戸商店街」「昭栄通り商店街」「中央商店街」が交わる三叉路に、空き家をリノベーションした「三-Me.(ミー)」という複合交流拠点の施設が誕生しました。そのなかにオープンした「プリン専門店 GABBY GABBY(ギャビー・ギャビー)」というチャレンジショップでは、シンプルながら洗練された、リッチなプリンを販売しています。ネイリストや双子のお母さんとしての顔も持つオーナーの本間さんを訪ね、プリン専門店をオープンした意気込みを聞いてきました。

 

 

プリン専門店 GABBY GABBY

本間 裕美 Yumi Honma

1981年新潟市中央区生まれ。東京の短大を卒業後、新潟に帰ってアパレルショップ、旅行会社などで働きながらスクールで学び「ネイリスト検定1級」を取得。フリーのネイリストとして活動する。2023年に三条の複合交流拠点「三-Me.」内で「プリン専門店 GABBY GABBY」をオープン。

 

原点は、子どものために作ったプリン。

——ここはどういった建物なんですか?

本間さん:「燕三条空き家活用プロジェクト」が空き家をリノベーションして作った「三—Me」という複合交流拠点なんです。地域住民や移住者、観光者の交流の場として、チャレンジショップやフリーラウンジ、ゲストハウスとして利用されています。

 

——そのなかで、本間さんが「プリン専門店 GABBY GABBY」をオープンしたいきさつをお聞かせください。

本間さん:プリンの専門店をはじめてみようと思ったものの、保健所の許可が必要なので自宅のキッチンではプリンが作れないことを知って、一度はその夢を諦めかけたんです。そんなときに三条市内で開催された「女性のための働き方セミナー」に参加してみたら、講師が「三-Me.」を手掛けた方だったんです。それでセミナーの後に無料の個別面談も受けて、そのときに「プリン専門店をはじめてみたい」という夢を熱く語ったら、その熱意が伝わったのか「三-Me.」のなかでチャレンジショップとしてオープンしてみないかとお誘いいただいたんですよ。保健所の許可を取った調理場も完備しているということでした。

 

 

——本間さんは今までお菓子作りの仕事をしてきたんですか?

本間さん:フリーのネイリストをやっていました。お菓子作りの仕事どころか、プリンを自分で買って食べたこともなかったんです(笑)

 

——ネイリストになったのは、もともとお洒落が好きだったとか?

本間さん:そうですね。中学生のときから自分でネイルデザインをしていましたし、高校生のときに好きだったドラマの登場人物がネイリストの専門学校に通っていたこともあって、さらに憧れを強くしたんです。そこで昼に働きながら夜はスクールに通って、「ネイリスト検定1級」の資格を取りました。その間に結婚をしましたが、資格を取るまで子どもは作らないと決めて頑張りました。

 

——大変な意気込みを感じます。その後はフリーのネイリストを続けてこられたんですね。でもネイリストの本間さんが、プリンの専門店をやりたいと思ったのはどうしてなんでしょうか?

本間さん:プリン嫌いで今まで食べようとしなかった子どもが、何を思ったか急にお中元でいただいたプリンを食べて「プリンって、こんなに美味しかったんだ」と感動していたんです。だったらもっと美味しいプリンを作ってあげようと思って、いろいろなレシピを調べて試作を重ねるうちに美味しいプリンが作れるようになったので、せっかくだからプリン屋さんをやってみたいと思うようになったんですよね(笑)

 

ちょっとリッチでスタイリッシュなプリン。

——こちらのお店では、どんなプリンを販売しているんですか?

本間さん:普段は「カスタード」「テリーヌショコラ」「ピスタチオ」「アップルシナモン」の4種類を定番商品として置いています。金土は週末限定商品として、お酒によく合う「ゴルゴンゾーラプリン」が登場します。

 

——お酒によく合うプリン? ちょっと想像がつかないんですけど(笑)

本間さん:ゴルゴンゾーラチーズにブラックペッパーをよく効かせた、ちょっとパンチのある味わいになっています。セットのプレッツェルでプリンをディップしながら、お酒と一緒に楽しんでいただきたいプリンですね。

 

 

——お洒落な大人のプリンって感じですね。他のプリンはどんな特徴があるんでしょう?

本間さん:固過ぎず柔らか過ぎない、濃厚でリッチなプリンだと思います。他のプリンにはない、ちょっと珍しいフレーバーの数々も特徴ですね。焼きムラができないようにオーブンは使わず、鍋で湯煎しながら蒸し焼きにしているんです。時間で計るんじゃなくて、プリンを振ったときの感触で作っています。

 

——へぇ〜、商品だけじゃなくて作り方も変わっているんですね。

本間さん:ネイリストとしても、ごちゃごちゃデコるよりはシンプルでスタイリッシュなネイルが好きだったので、プリンも同じようにスタイリッシュなものを目指しているんです。だから手土産や自分へのご褒美に買っていただくような、ちょっとリッチなプリンだと思っています。

 

 

——そう言われてみると、お店もすっきりしていてシンプルですよね。

本間さん:当初は予約をいただいてから製造するスタイルを考えていたんですけど、どんなプリンかわからなければ予約のしようもないので、店頭で販売することにしたんです。フリースペースでプリンを食べていくお客様の反応を直接見ることができたり、「この間食べてみて美味しかったから」とか「知り合いから美味しいと勧められて」とかおっしゃってご来店下さるお客様もいて、お客様と触れ合う楽しさを感じられますね。

 

——プリンのラベルにもセンスを感じますね。

本間さん:ラベルをはじめ、化粧箱やショッピングバッグまで、コスト削減のために店名を全部手書きしているんですよ。最初は数が少なかったから余裕があったんですけど、忙しくなってきたら自分ひとりですべてやることの大変さを思い知りました。でも手書きの店名を「味があってお洒落」って褒められることも多いので、やめられないんです(笑)

 

——そうしたこだわりも大切なんでしょうね。

本間さん:プリンが美味しいのは当たり前で、その先にあるイメージやブランディングも大切だということを感じましたね。

 

「GABBY GABBY」という店名に隠された深い思い。

——店名の「GABBY GABBY」にはどんな由来があるんでしょうか?

本間さん:ディズニー映画「トイ・ストーリー4」に登場する女の子の人形の名前なんです。そのキャラクターって、最初は自分への強いコンプレックスを持っているんですけど、最後は勇気を出して一歩踏み出すことで幸せを手に入れるんです。私も新潟から三条に移住してきて、なかなか地域に馴染めなかったんですけど、プリン専門店をはじめることで一歩踏み出せたらいいなという思いがありました。あと、このキャラクターは黄色いドレスに茶色の髪をしていて、見た目もプリンのイメージそのままなんですよ。

 

——これからは、どんなふうに三条に馴染んでいこうと考えていますか?

本間さん:地元のイベントにはできる範囲で参加して、プリンを通して少しでも多くの方々と交流していきたいですね。あと三条のお客様からのご要望で、新潟に住むお母様に母の日の贈り物としてプリンを郵送したときに大変喜んでいただけたので、今後はできる限り郵送にも対応していけたらと思っています。

 

 

 

プリン専門店 GABBY GABBY

三条市神明町5-3 三-Me.内

10:00-15:00

日水曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP