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庭を眺めながらコーヒーを楽しむ、工務店がはじめたカフェ「HARUMACHI coffee」。

素材にこだわった家づくりをしている工務店「ノモトホームズ」。新潟市中央区にある住宅展示場に併設するかたちで、今年7月に「HARUMACHI coffee」というカフェをオープンしたそうです。こちらでは四季折々の花が咲くお庭を眺めながら、コーヒーやパフェを楽しむことができます。今回は「ノモトホームズ」で取締役を務める竹村さんに、カフェをはじめた経緯についてお話を聞いてきました。

 

 

ノモトホームズ

竹村 泰彦 Yasuhiko Takemura

1984年和歌山県生まれ。大学進学で新潟へ引っ越し、工学部の建築学科で学ぶ。大学院修了後は東京で数年設計の仕事をした後、新潟に戻りハウスメーカーに就職。4年ほど働いた後、「ノモトホームズ/株式会社野本建設」に入社。現在は取締役を務めながら営業や設計を担当。休日も間取りを考えたり建築物を見に行ったりするほどの建築好き。

 

地域の工務店が、住宅街の真ん中でカフェをはじめる。

――竹村さんは「ノモトホームズ」さんで営業と設計を担当されているんですよね。もともと建築が好きでこのお仕事に?

竹村さん:そうですね。出身は和歌山なんですけど大学進学で新潟に来て、工学部の建築学科でずっと建築を学んできました。

 

――建築といってもいろいろあると思いますが、竹村さんはどんな分野を学んでこられたんでしょうか。

竹村さん:建築の中でも意匠の分野、構造の分野、断熱とか換気についての環境の分野、都市計画の分野、というふうに分かれていて。自分は意匠っていう、デザインとか居場所づくりの方向でした。

 

――大学を出てからはどんなお仕事をされてきたんですか?

竹村さん:大学と大学院の6年間を新潟で暮らして、その後は東京で就職しました。大規模なマンションとか、事務所ビルとか老人ホームの設計に携わっていたんですけど、そのときに建築の仕事の醍醐味ってエンドユーザーの方とのやり取りなんじゃないかと思ったんです。

 

――お客さんとのやり取りの中にやりがいを感じられたんですね。

竹村さん:東京で数年働いた後、新潟に帰ってきて4年ぐらいは今と別のハウスメーカーで設計をやっていました。それから転職して「ノモトホームズ」に入社しました。

 

 

――「ノモトホームズ」さんはどんなお家づくりをされているんでしょうか。

竹村さん:お客様の暮らし方とかご要望や夢を伺った上で、完全オーダーメイドでお家を作らせていただいています。敷地の条件とかもそうですけど、ふたつとして同じものがないものなので。あとはどこから来た材料か、どこの山で伐採された木なのかっていうトレーサビリティを考えて、素材を吟味した家づくりをしています。

 

――完全オーダーメイドとなると細部までこだわったお家づくりができそうですね。

竹村さん:以前働いていたハウスメーカーとかだと、カタログから壁の色や建具のデザインを選んでいただくことが多かったんですけど、今はなんでも作れちゃうので、すごくやりがいのある家づくりをしているなって感じますね。

 

「家づくり」と「コーヒー」の意外な共通点。

――本題に入りますが、「ノモトホームズ」さんがカフェをはじめることになったきっかけを教えてください。

竹村さん:弊社はもともと東区に事務所があったんですけど、移転することになりまして。今後どういうスタイルであるべきか考えたときに、「自分たちのような地域の工務店は、地域に出ていって関係を作らなければいけないな」っていう話が会議で出たんですね。そこで、地域の方との接点になるようなカフェをやることになりました。

 

――工務店がカフェをはじめるって、なかなかないと思いますが……。

竹村さん:弊社の社長がもともとコーヒー好きっていうのがありました。あと、オーナーさんのお家に行って、本格的なコーヒーをハンドドリップで淹れて出していただくことがあったんです。コーヒーってモノにこだわったり、時間を楽しんだりするっていう意味で、自分たちが提供している住まいづくりとリンクする部分があるんじゃないかって思いました。だからすんなり「じゃあカフェでコーヒーを出すといいね」ってなりましたね。

 

 

――家づくりもコーヒーも、まったく違うようで通じる部分があったんですね。

竹村さん:産地だとか、コーヒーの説明を書いたカードを一杯一杯に添えてお出ししているんです。家づくりにおけるトレーサビリティと一緒で、素材へのこだわりとか、どこの豆を使っているかとか。そういうところまでリンクしているのもひとつのコンセプトです。

 

――やっぱりお店の設計やお庭の造りにもこだわりが?

竹村さん:そうですね。この辺りは平坦なので、起伏に富んだランドスケープを感じてもらえたら面白いんじゃないかと思って、こういう庭を造りました。設計にもこだわりまして、例えば柱を表しにして見せたり、天井の高さを変えたり、薪ストーブを置いたり。そういう、「コーヒー+ここでしか味わえない体験」っていうものを提供できればいいですね。

 

 

――カフェのメニューはどなたが考えられているんでしょうか。

竹村さん:メニューについては店長の小島さんの提案です。自分たちにはそのあたりのノウハウがないので(笑)。シャインマスカットのパフェを先日まで提供していたんですけど、見た目も綺麗ですし、すごく人気で。すごいなと思っていますね。

 

――食べるのがもったいないくらい綺麗なパフェですね……。コーヒーも種類がたくさんありそうですね。

竹村さん:浅煎りから深煎りまであって、オリジナルのブレンドコーヒーを含めて7種類ほど提供しています。うちの社長と小島さんが「今回はどれにしよう」って話しながら決めています。

 

カフェがオーナーさんとのコミュニケーションの場にもなっている。

――カフェをはじめてから感じた変化はありますか?

竹村さん:近所の方がよくお越しになるようなりましたし、今までノモトホームズのことをあんまり知らなかった方とか、20代とか30代前半の方とか。そういう、今まではなかなか出会えなかった方にも来ていただけるのは、すごくありがたいことだと思っています。

 

――工務店のお仕事の方にも何か影響はあるんでしょうか。

竹村さん:モデルハウスってなかなかハードルが高くて入りにくいかもしれないですけど、カフェが併設されていることで入りやすくなっているかなとは思います。あと、オーナーさんと会う機会ってそんなにないんですけど、カフェに来たついでに事務所にもちょっと寄ってくれることがあって、そういうコミュニケーションの場にもなっていますね。

 

 

――竹村さんは「HARUMACHI coffee」がどんな場になってほしいですか?

竹村さん:「近所にいい店があるからちょっと飲みに行ってみよう」って気軽に寄ってもらえる場になったらすごく嬉しいです。あと、この庭を使って年2回マルシェをやるんですけど、そういうふうにこの一帯がいろんな使い方をされるようになればいいですね。この場所がいろんな意味での接点になって、小さなコミュニティの輪が地域に少しずつ広がっていってくれれば嬉しいです。

 

 

 

HARUMACHI coffee

新潟市中央区鳥屋野南3丁目8-24

平日 9:00-17:00

土日祝 8:00-17:00

木曜定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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