日常のひとときに華を添える地酒。西蒲区の「地酒専門 岸本商店」。
買う
2025.02.15
JR巻駅から徒歩約10分。商店街から少し離れたところに、新潟のお酒はもちろん県外の珍しいお酒も買うことができるお店、「地酒専門 岸本商店」があります。木の温もりを感じるおしゃれな店内では角打ちも楽しめるのだとか。このお店の4代目である岸本さんに、お店のこと、お酒のこと、聞いてきました。

地酒専門店 岸本商店
岸本 健 Ken Kishimoto
1976年新潟市生まれ。東京の大学に進学後、新潟に戻りプログラマーや事務員として働く。父の病気をきっかけに「岸本商店」を継ぎ、4代目としてお店に立つ。趣味は写真をとることで、「東京カメラ部」の受賞歴を持つほどの腕前。

代々続く家業に、新しい風を。
――岸本さんはこのお店の4代目だそうですが、ここはずっと酒屋さんだったのでしょうか。
岸本さん:父の代でそれまであった酒屋を取り壊して、「Yショップ」っていうコンビニをつくったんです。僕がこのお店を受け継いだとき、また酒屋としてこのお店をはじめました。
――家業を継ぐことは前から考えていたのでしょうか。
岸本さん:もともと家業を継ぐつもりはなかったんですけど、父が病気になったことで、この場所がなくなってしまうんじゃないかと思ったんです。生まれてからずっと当たり前にあった場所がなくなるのが寂しくて、コンビニではないですけど、酒屋というかたちで残そうと思いました。
――酒屋さんのイメージが変わるような、素敵な店内ですね。
岸本さん:コロナが流行っていたときに、店内を改装しました。そのときに、飲食の営業許可もとって、角打ちのスペースも作ることにしたんです。
――へぇ〜、なぜ角打ちを?
岸本さん:言葉で伝えるよりも、その場で飲んでもらったほうがお酒の味や香りをお客さんにわかってもらえるなと思ったんです。

――確かに、飲んでもらうのが手っ取り早いですね。
岸本さん:ここは巻駅から歩いてこれる場所なので、電車を使っていらっしゃる方が多いんです。角打ちだけの利用もできて、最近では0次会や2次会、帰りの電車を待つちょっとした時間に使っていただいているんですよ。
県内外から集まる、こだわりのお酒。
──どんなお酒が置いてあるのでしょうか。
岸本さん:新潟だけではなく、秋田や山形、東京の八丈島などから仕入れています。酒蔵の数でいうと、だいだい50箇所くらいですかね。
――地酒専門って書いてあったから、てっきり新潟のお酒がほとんどだと思ってました。
岸本さん:その土地で造られたお酒を「地酒」と捉えて商品を用意しています。だから、置いている商品も日本酒だけではなく、ワインや焼酎、クラフトビールなども置いてありますよ。

――お酒を選ぶときの岸本さんの基準を教えてください。
岸本さん: 味の美味しさはもちろん、造っている人の思いも含めて選んでいます。そういったものを見るために、なるべく酒蔵や醸造所に足を運ぶようにしていますね。
――お酒を造るところをみて、何か発見があったりするのでしょうか。
岸本さん:大まかな工程は同じでも、使う機械、手作業にするかどうかとか、温度とかが酒蔵ごとで違うんですよ。もっと細かいところを見ると、酵母や麹もいろんな種類があったり、最近では「クラフトサケ」のような、発酵中のもろみに直接フルーツや野菜を入れる造り方があるくらい、多様になっているんですよ。

――奥深いです……。岸本さんのおすすめのお酒を教えて下さい。
岸本さん:地元の「笹祝酒造」さんの「お酒を冷やすな」ですね。笹祝酒造さんは毎年「Challenge brew」という、新しい試みを取り入れたお酒を造っているんです。2024年は「生もと造り」っていう方法で、普通酒を造ったんです。これはとてもすごいことなんですよ。
――すごい、というのは?
岸本さん:「生もと造り」は昔からの製法で、手間と時間がとてもかかる造り方なんです。この造り方は吟醸酒など高価格のお酒が多いのですが、日常的に日本酒を飲んでほしいという思いから、笹祝酒造さんはあえて普通酒でつくっているんです。日本酒がカジュアルな存在になるように、常に新しい変化を試みているところがとてもすごいと思っています。

――どんな味なのか、とても気になっちゃいました。他にもおすすめのお酒があるそうですね。
岸本さん:「たからやま醸造」さんの「たからやま NOBLE EARL(ノーブル アール)」ですね。「再醸仕込み」という製法をとっていて、このお酒は前の年に造られたお酒を仕込み水の一部に使用して造られているんです。10年かけて造られるこのシリーズは、1年目の「NIGHT」からはじまり、2024年で5年目。貴族の階級の名前がそれぞれに付けられていて、重すぎない甘さと爽やかな酸がとても美味しいですよ。

巻からお酒の魅力を発信したい、岸本さんのこれから。
――今さらですが、岸本さんはお酒はお好きですか?
岸本さん:もちろんです(笑)。日本酒であればお米の香りが感じられるものが好きですし、ワインだったら、つくり手さんの個性が感じられるものが好きですね。
――お店の理念について教えてください。
岸本さん:「地酒でお客様の日常に幸せなひと時を!!! for happy daily life & sake lovers…」という理念は、お店を継ぐときに考えました。お酒ってその日頑張ったご褒美として飲むことが多いと思うんです。日常に寄り添い、癒やしを与えてくれるようなお酒をお届けするのが酒屋の役目だと思い、この理念にしました。

──素敵な理念です。ここでは不定期でイベントも開催されていると聞きました。
岸本さん:今までは作品の展示会や、間借りカフェ、飲食店や酒蔵を招いた飲食イベントなどをしましたね。酒屋なので、これからもお酒を絡めたイベントができたらいいなと思います。個性的なお酒と、それに合う料理を出したペアリングの体験会をやってみたいな、なんて考えています。
――開催が決まったらぜひ教えてください。今後の岸本さんの目標をおしえてください。
岸本さん:とにかく健康でいたいです(笑)。元気じゃないとお店が営業できませんから。これからもお酒の魅力を伝えられるようにお店を続けていきたいですね。

酒専門 岸本商店
新潟市西蒲区巻甲2186-11
0256-72-244
営業時間:13:00-21:00
定休日:水曜日・木曜日
Advertisement
関連記事
新しい記事
食べる
日々、パンと向き合う職人がいる、
十日町のパン屋さん「BAUMRINGE」
2026.06.29
買う
お金ではなく心で物と人をつなげる
子育ての味方「つなぐマーケット」
2026.06.28
食べる
十日町の四季を1枚に乗せて。
「Pizzeria Remo」のナポリピッツァ。
2026.06.27
カルチャー
ものを作る人が集まる場所、
北区のレンタルギャラリー「のらごや」
2026.06.26
食べる
グルテンフリーのお菓子が楽しめる
「米粉シフォンのお店 chuchu」
2026.06.25
New Eyes Niigata
New Eyes Niigata #09 石井圭
2026.06.25


