2022年6月、沼垂テラス商店街のちょっと外れに「koharu CURRY(コハルカリー)」というカレー専門店がオープンしました。このお店、「マイペースな猫のカレー屋」という面白いコンセプトなのだとか。今回はお店を切り盛りする池田さん夫婦に、コンセプトについて、スパイスカレーについてなど、いろんなお話を聞いてきました。
koharu CURRY
池田 麻早 Masa Ikeda
1973年新潟市生まれ。飲食店や運送業の経験を経て、2022年に自身の好物でもあるカレーに特化した「koharu CURRY」をオープン。絵を描くこと、DIYで何か作ることが好き。
koharu CURRY
池田 則子 Noriko Ikeda
1966年新潟市生まれ。百貨店やスーパーなどで販売員として勤めた後、夫婦で「koharu CURRY」をスタート。お店では接客を担当している。
――麻早さん、則子さん、オープンおめでとうございます。さっそく質問なんですけど……何で「koharu(こはる)」なんですか? 何かの名前からのネーミングとか?
麻早さん:「こはる」は私たちが以前に飼っていたネコの名前なんですよ。
――なるほど。それで「koharu CURRY」なんですね。スッキリしました。
麻早さん:店名もそうですけど、実はお店のコンセプトにも「こはる」は登場しているんです。
則子さん:そうそう。「koharu CURRY」は「マイペースな猫のカレー屋のこはるが寝ちゃったから、今日も私たちが代わりに直伝の特製スパイスカレーを作ります」ってコンセプトのお店なんですよ。
――仕込みをしないで寝ちゃったから、池田さんご夫婦が代わりに作っているんですね。面白い設定だなー。ちなみに、夫婦で一緒にお店をはじめようと思ったキッカケって?
麻早さん:夫婦して食べるのも、作るのも、とにかく料理が好きなんですよ。それで、「いずれはふたりで飲食店でもやれたらいいね」って話していたのがスタートです。
――ってことは、はじめはカレー屋と決まっていなかったんですね。どんな過程があってカレーにたどり着いたんですか?
則子さん:秋葉区に「うめやんKitchen」ってカレー屋さんがあって、前に伊勢丹でポップアップを開催していたんですよ。たまたま食べてみたら、めちゃくちゃ美味しくて。後日、麻早さんと一緒にお店へ食べに行きました。ふたりとも「なんだこのカレーは!」って感動しちゃって、やりたいお店がカレー屋さんになったんです。
――カレー屋さんをやりたい、となってからはすぐに開業に向けて動き出したんですか?
麻早さん:正直、すぐに第一歩を踏み出す勇気はありませんでした。でもあるときに、則子さんが身体を悪くしたこともあって、ふたりとも元気なうちにチャレンジしようと思い切ったんです。
――ふむふむ。それから本格的な準備がはじまったんですね。
麻早さん:はい。新潟県内のいろんなカレーを食べ歩いたり、数え切れないぐらい試作したりしながら店舗を探す日々でした。
――それで巡り合ったのが、この元喫茶店だったんですね。
麻早さん:ちょっとだけ休業して、また再開する予定だったみたいで、店内は昨日まで営業していたかのような状態で引き渡しだったんですよ。初めて入ったときは驚きました(笑)。そこから兄弟にも手伝ってもらいながら、コツコツとDIYでお店作りをしていったんです。
則子さん:元喫茶店ということもあって、ノスタルジックさも活かすことができました。年月という味わいも相俟って、とても居心地のいいお店になったと思います。
――ではでは、カレーについても教えてください。どんなカレーのメニューがありますか?
則子さん:「koharu CURRY」には、こはる直伝のチキンカレー「こはるカレー」、海老のうま味を凝縮した「海老カレー」、しじみ出しで深みを加えた「しじみキーマ」、ゴロっとした豚肉がメインの「ポークビンダル」、トロトロになるまで煮込んだ「牛すじカレー」の5種類があります。この中から「こはるカレー」ともう1種類を日替わりで提供しているんです。
――どれも美味しそうですね。
麻早さん: どれもスパイスカレーなんだけど、いろんな人に食べてもらいたいと考えて、日本人が昔から食べ親しんでいるカレーのようなトロみ、優しくて丸さのある味わいになるように作っています。ちょっと食べてみませんか?
――あ、優しい味わいだし、THEスパイスカレーって感じじゃないから、とても食べやすいカレーですね。美味しいです。なんか美味しさの秘密があったりするんじゃ……?
麻早さん:ありがとうございます。秘密ってわけじゃないけれど……「こはるカレー」には昆布、煮干し、しいたけの出汁を使っていたり、「ポークビンダル」の豚肉は梅酒とスパイスで漬け込んでいたり、どのカレーも和食材を取り入れていますね。きっとそれが親しみやすさを感じさせているんじゃないかな。
――いや~、なるほど。和食材が隠し味なんですね。それでは最後に、これから池田さんご夫婦が目指すカレーを教えてください。
則子さん:みんなが美味しいって言ってくれるカレーですね。みんなっていうのは、おじいちゃん、おばあちゃん、パパ、ママ、その子供たちや孫たち、つまり家族みんなで美味しく食べられるって意味です。辛いから食べられない、クセがあるからちょっと苦手とか、そんなことは気にしないで、気兼ねなく家族で食べられるカレーを提供しているお店を目指していきたいですね。
koharu CURRY
新潟市中央区沼垂東3-1-20 セルショップオオツカビル1F
025-245-0007