東堀通に3階建てのとてもお洒落な建物があります。その1階にある、落ち着いた雰囲気のイタリアンレストランが、今日ご紹介する「LIFE」。心地よい店内の雰囲気と美味しい料理が、女性を中心としたお客さんに人気のお店です。今回はその人気の秘密を、シェフである長谷川さん、ホール担当の布澤さんのお二人から聞いてきました。
LIFE
長谷川 弘幸 Hiroyuki Hasegawa
1975年阿賀野市生まれ。LIFEシェフ。東京の大学で中国語の勉強をした後、東京會舘で料理の経験を積む。子どもが生まれたのを機に新潟に帰り、ホテルオークラ新潟のキッチンで腕を磨く。2013年からLIFEのシェフとして働いている。研究熱心で気になったことはすぐに調べてしまう。最近ハマっているのは動物占い。
LIFE
布澤 和也 Kazuya Fuzawa
1979年魚沼市生まれ。LIFEホール担当。新潟市の建築系専門学校に通っている頃から飲食店のアルバイトに熱中し、卒業後も新潟市内のバー、居酒屋、イタリアンレストランで経験を積んだ後、アルバイトとしてLIFEで働き始める。2019年に退社したスタッフと入れ替わる形で正社員となる。食べ歩きやお酒を飲むことが好き。
——今日はよろしくお願いします。さっそくですが「LIFE」の歴史は古いんですか?
長谷川さん:昨年でちょうど10周年を迎えました。うちのオーナーは「LIFE」の上の階にある「JAMES」っていうショップもやっているんです。この建物の1階にあったお店が閉店して空店舗になったタイミングで、そのオーナーが以前より親交のあった東京の「LIFE」っていう人気イタリアンレストランに相談したら、「LIFE」の新潟店として営業してみたら?ってことになったんです。
——あ、そうだったんですね。東京の「LIFE」から受け継いでいるものは多いんでしょうか?
長谷川さん:ワンプレートでお料理をまとめて提供するというスタイルは、東京の「LIFE」から受け継いでますね。
布澤さん:東京の「LIFE」のコンセプトになっている「居心地のいい店」というところも引き継いでますね。観葉植物を店内にたくさん置いて、お客様がリラックスして過ごせる空間づくりを心がけています。あと、地元に根ざした店を目指しています。近所の方や常連のお客様をお招きして、店の前にあるスペースで催し物を開催してるんです。夏は流しそうめん、新年にはもちつき大会、秋にはハロウィンパーティーもやってます。子ども達が喜んでくれると、こちらも嬉しいですね。
——それぞれにお話をお聞きします。まず長谷川さんがお店に携わるまでの経緯を教えてください。
長谷川さん:私は「LIFE」のシェフとして調理を担当しています。経歴は話せば長くなるんですけど、まずは阿賀野市の白鳥保育園ですかねぇ…。
——え、保育園で調理師をやっていたんですか?それとも保育士を…?
長谷川さん:いえ、私が子どもの頃通っていたんです。
——…?
長谷川さん:…そんなに昔からの経歴じゃなくてもいいですか?
——あ、できればもう少し後からの経歴でお願いします。
長谷川さん:(笑)。ツアーコンダクターを目指して、東京の大学で中国語の勉強をしてました。大学生の頃、いろんなアルバイトを経験した中にラーメン屋があったんです。そのラーメン屋でキャベツの千切りを任せられて、上達したらだんだん楽しくなってきたんですよ。それが飲食業や料理への目覚めだったかもしれないですね。
——じゃあ、その後は料理の仕事に突き進むんですね。
長谷川さん:「東京會舘」という宴会、結婚式、レストランを手がける会社で、スカイラウンジの皿洗いから始まって、フレンチレストランの調理まで10年間働きました。その後、2008年頃に子どもが生まれたタイミングで新潟に帰ってきたんです。ありがたいことに、いろんなところからお声がけいただきましたけど、自分がとても好きな味だった「ホテルオークラ新潟」のキッチンやレストランで働くことにしたんです。そのときに覚えたソースを「LIFE」のソースでも使わせてもらっています。
——「ホテルオークラ新潟」で働いてたのに、どのようないきさつで「LIFE」のシェフになったんですか?
長谷川さん:「ホテルオークラ新潟」の後輩が独立して自分の店を始めたんですよ。大変そうだったので、私もホテルへの出勤前に手伝ったりして。そこで知り合った人から「LIFE」でシェフをやってみないかと打診されたんです。私も30代のうちにシェフをやりたいという目標があったので、そのお話を受けることにしたんですね。当時38歳だったので、ギリギリ目標をクリアしたんです。でも、最初はホテルとは設備の違いもあって大変でしたね。厨房も狭かったし足りない機材もあったので、足りない機材の代わりにどうやって作業するかというところを悪戦苦闘しました。でも、なんとか工夫してクオリティーを保つことができていると思います。
——次は布澤さん、お願いします。あ、でも幼児の頃の話はいらないです。
布澤さん:わかりました(笑)。私は建築士を目指して、新潟市にある建築系の専門学校に通ってました。同時に中華レストランのアルバイトもやってたんです。ところがアルバイト先に友達がたくさんできちゃって、学校よりもアルバイトの方が楽しくなっちゃったんですよ。だから学校もあまり行かず中華レストランでフライパンばかり振ってました。その中華レストランの店長への憧れてもあって、飲食業の道に進むことになるんです。
——最初は建築士を目指してたんですか。へ〜。その後はどんな道を歩んできたんですか?
布澤さん:アルバイト先の中華レストランが倒産してしまったので、バーや居酒屋で働いていました。居酒屋では店長をやらせてもらって、この頃からゆくゆくは自分の店を持ちたいと思うようになったんです。その後「ネルソンの庭」というイタリアンレストランでホールを担当して、次第にイタリア料理への興味が強くなっていきました。その頃「LIFE」にアルバイトとして入店したんですが、2019年に退職したスタッフと入れ替わりで正社員になったんです。
——布澤さんが「LIFE」のホール担当として気をつけているところはどんなところですか?
布澤さん:大きな店では平均的なサービスを求められるんですけど、「LIFE」のような小さいお店では、お客様との距離が近いので一人一人に合わせた接客ができるんですよ。お客様は一人一人みんな違いますからね。あと、スタッフが目立ち過ぎないように気をつけてます。主役はあくまでもお客様であり、料理であり、お酒ですから。お客様の様子に気を配って、呼ばれる前に要望を察することができるように努めています。
——「LIFE」の料理ってどんなところにこだわってますか?
長谷川さん:料理のバランスに気をつけてますね。何か一つ抜けたりしただけで、料理の味って変わっちゃうんですよ。あと女性のお客様が多いので、料理の見た目やヘルシーさにこだわってます。そのため季節によって使う野菜が変わるサラダを用意したり、黒米とか何種類ものお米がブレンドされている「いろいろ米」と「こしいぶき」を一緒に炊いたりして使ったりしています。それから自家製のドレッシングやソースにも自信があります。ドレッシングやソースは思いつきで作ることが多いですね。習って作るものよりもインスピレーションで作ったものの方が美味しくできるんですよ。
布澤さん:シェフはフランス料理出身だから、肉料理は美味しいですよ。特にソースは絶品です。煮込み料理のソースなんて最高ですよ。
——なるほど。そんなこだわりで作っている料理の中で人気があるメニューを教えてください。
長谷川さん:若い女性のお客様の定番は「オムライス」。人気があるので売り切れてしまう日もあるほどです。オムライスに入っている肉は赤ワインに漬け込んだ後に塩漬けして、さらに赤ワインで煮込むんです。そのときのダシを使ってデミグラスソースを作っています。手間はかかるんだけど、手を抜くとお客様にはわかっちゃうんですよ。がっかりされたくはないから、手を抜くことは絶対にできないですね。
——最後に今後はどのように「LIFE」をやっていきたいと思いますか?
長谷川さん:アルバイトには若い学生を積極的に入れるようにしています。若い子をスタッフに入れることで、お店にも若いエネルギーを注入していきたいんですよね。料理についても、若い子の意見を取り入れて、若さのある「LIFE」であり続けたいと思ってます。
布澤さん:昨年10周年を迎えたので、今度は次の10周年に向けて続けていきたいと思ってます。そのためにも居心地がよく、地域に根づいた、そこにあるのが当たり前の店を目指したいですね。そして、気がついたら10年経っちゃってたっていうのが理想かな。
昨年10周年を迎えた「LIFE」。人気の秘密は、一つ一つの作業を手間ひまかけて作る料理や、お客さんに居心地のいい時間を過ごしてほしいというスタッフの思いにあるようです。これからも美味しい料理が食べられる心地よいお店として、長く地元に愛されていってほしいですね。
LIFE
〒951-8065 新潟県新潟市中央区東堀通5番町438 1F
025-228-3756
ランチ 月、木、金曜11:30-14:30(L.O.14:00)、土日曜、祝前日、祝日11:30-15:00(L.O.14:30)/ディナー 月、木、金、日曜、祝日18:00-21:30(L.O.21:00)、土曜、祝前日18:00-23:00(L.O.22:00)
火水曜休