生産者の思いを伝える、炭火焼とイタリアンの店「Osteria Benedetta」。
食べる
2022.02.02
昨年12月、JR新潟駅南口エリアに「Osteria Benedetta(オステリア ベネデッタ)」というお店がオープンしました。ご夫婦で切り盛りしている炭火焼とイタリアンのお店です。今回はオーナーシェフの若林さんに、料理や食材へのこだわりについてお話を聞いてきました。


Osteria Benedetta
若林 淳 Jun Wakabayashi
1982年新潟市中央区生まれ。「にいがた製菓・調理専門学校えぷろん」で料理を学び、新潟市内をはじめ、東京やイタリアでイタリアン、肉料理の修行を重ねる。2021年12月に新潟市中央区で「Osteria Benedetta」をオープン。
新潟だけじゃなく、東京やイタリアで料理を学ぶ。
——若林さんは以前から料理人を目指していたんですか?
若林さん:高校生のときは美容師になりたかったんです。でも、当時は「カリスマ美容師」がブームになっていて競争が激しかったので、あきらめて料理の道に進みました。
——料理もお好きだったんですね。
若林さん:学生時代は仲間と夜中まで遊んでいて、僕が夜食にインスタントラーメンを作ったりしていたんです。それを食べた仲間から「料理の仕事したら?」って勧められたので、専門学校に入学して料理を学びました。

——インスタントラーメンなのに、そこまで言われるって……。よっぽど美味しかったんですね(笑)。最初からイタリアンに興味があったんですか?
若林さん:あるときイタリアンレストランの前にあったショーケースに、料理のサンプルが並んでいたんです。そのなかにジュノベーゼのサンプルがあったんですけど、緑色のパスタなんてはじめて見て「パスタっていろいろな種類があるんだな」って興味を持ったんです。それで専門学校のときのインターンでイタリアンレストランを選んで、そのまま、そこのお店に就職することになりました。
——興味を持ったきっかけが食品サンプルだったとは……。実際にイタリアンの厨房で働いてみていかがでした?
若林さん:仕事はハードでしたね。でも修業というのはそういうものだと思っていたので、なんとか頑張れたんだと思います。あとスーシェフ(副料理長)には可愛がってもらって、いろいろなことを教えてもらいました。そのスーシェフが店を移ることになって、僕も誘われたのでついていったんです。その後は東京やイタリアで修業を重ねました。
——本場のイタリアにも行かれたんですね。
若林さん:はい、語学留学でフィレンツェの学校に行きました。その学校にはいろいろなお店から仕事の誘いが来るんですよ。僕は北イタリアのトレンティーノにあるレストランで4ヶ月間勉強してきました。

——語学も料理の勉強もどちらもされたんですね。イタリアでの経験はどうでしたか?
若林さん:とても勉強になりましたね。北イタリアと南イタリアでは料理がまったく違うんですが、日本ではあまり北イタリアの料理を食べる機会がなかったんですよ。シェフも面倒見のいい人で、地元のワイナリーに連れて行ってくれたりして、いろいろなことを教えてくれましたね。とてもいい経験をさせてもらうことができました。
——お話を聞いていると、上の人から可愛がられる人柄なんでしょうね。うらやましいです(笑)。帰国後はどんな仕事をしたんですか?
若林さん:あるイタリアンレストランでオープニングスタッフとして働いたんですけど、びっちり働いて月5万円しか給料がもらえなかったんです。それを見かねた知り合いの紹介で、「NiQ(ニック)」という肉料理専門店で立ち上げから働くことになったんです。
——あ、イタリアンではなく肉料理の店で働くことになったんですね。
若林さん:そうなんです。肉の焼き方を試行錯誤したり、とても勉強になりましたね。このときの経験は「Osteria Benedetta」の炭火焼料理の基盤になっています。また東京やイタリアでも修業をさせてもらって、最後は東京のイタリアンレストランで働いていたんですけど、自分の店をやるために辞めることを伝えたら、退職までの3ヵ月間はめちゃめちゃしごかれました(笑)。独立のためにあえて厳しく教えてくれたんでしょうけど、辞める前なのに今すぐ辞めたくなるほど怒られましたよ(笑)

料理を通して、生産者の思いやストーリーを届けたい。
——コロナ禍でお店をオープンすることに迷いはなかったんですか?
若林さん:新潟に帰ってきたタイミングでコロナ禍がはじまって、どうしようか迷いましたね。そしたら東京で修業した店のシェフが「コロナ禍の今がオープンのチャンスだ」って勧めてくれたんです。どん底の状態からはじめれば、あとは上がるだけだといわれました。
——なるほど。そういう考え方もあるんですね。若林さんはどんなことにこだわって料理を作っているんでしょうか。
若林さん:食材を選ぶことにはこだわっていますね。「地産地消」というわけじゃなくて、とにかく自分が美味しいと思ったもの、お客さんに食べてほしいと思ったものを使うようにしています。だから県内外問わず生産者のところに直接足を運んで、お話を聞いた上で仕入れるようにしているんです。

——わざわざ足を運ぶんですか?
若林さん:自分が使う食材については、どんな人が作っているのか、どんなふうに作られているのか、しっかりと知っておきたいからです。そうすることで食材への思い入れも強くなるし、大切に料理しようという気持ちも深くなります。だからお客様にも生産者の思いを届けるようにしているんです。
——食材に対しての思い入れが伝わってきますね。お客さんにはどんなふうに、生産者の思いを伝えているんですか?
若林さん:お料理を提供する際に、どんな生産者がどんなふうに作ったものなのか、ストーリーをお伝えするようにしています。それを知った上で大切に食べていただきたいですし、その方がより美味しく召し上がっていただけるんじゃないかと思っています。

——なるほど。ちなみに例えばどんな食材を?
若林さん:例えばフォカッチャに使う小麦粉は弥彦の生産者から仕入れています。秋葉区の生産者が育てた野菜は野性味があって味が濃厚なので、バーニャカウダとかに使わせてもらっています。あと西蒲区の生産者からは豚の飼料を使って育てた、食べやすい野菜を仕入れています。
——みんな若林さんが気に入った食材なんですね。
若林さん:はい。だから、できるだけ手を加えず、食材のよさを生かして料理するように心掛けているんです。ぜひ美味しい食材を味わいに来てほしいですね。
——最後に、店名の「Benedetta」ってどういう意味のある言葉なんですか?
若林さん:イタリア語で「恵まれた」とか「感謝の気持ち」とかの意味があります。師匠、友人、生産者、そして食材との出会いに恵まれてきた感謝の気持ちを込めて名付けました。これからも、いろいろな出会いへの感謝を忘れずに、美味しい料理を作っていきたいと思います。

Osteria Benedetta
新潟市中央区米山1-1-26 TOMOS米山2F
025-250-0244
11:30-14:00/18:00-23:00
火曜休
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