Things

TOKYOカルチャーを繋ぐみんなの遊び場「PARENT PINE’S」。

めちゃくちゃ店名の長いお店が住宅街に登場。ファンキーなオーナーに話を聞いた。

女池インターからすぐ近くの住宅街。小学生たちが走り回っているその先に、とても長い店名の「PARENT PINE’S THE BEST SHOP by DAY WORK & COMPANY.TOKYO(ペアレントパインツザベストショップバイデイワークアンドカンパニートウキョウ)」がオープンしました。取材前の時点でわかっているのは、テイクアウト専門のカフェらしい、ということのみ。謎のベールを剥がしに、オーナーである生駒さんにインタビューをして来ました。

 

生駒 浩之 Hiroyuki Ikoma

1980年新潟市生まれ。語り切れない経歴を経て、兄と2008年に「新潟酒場 生駒」をオープン。2019年「PARENT PINE’S THE BEST SHOP by DAY WORK & COMPANY.TOKYO」を立ち上げる。

 

ファンキーオーナーの壮絶な前半戦。

――よろしくお願いします。ますは飲食の道を選んだキッカケから教えてもらえますか?

生駒さん:話すと長いけど、大丈夫ですか?

 

――もちろんです!

生駒さん:中学を卒業してから工務店で働いていたけど、モテたくて美容師を目指したんです。でも美容師の資格を取るには、高校を卒業していない人はどこかの店舗で働かなくてはいけませんでした。それでいろんなお店にお願いをして回ったけど、ガラが悪いという理由でどこの店からも断られる始末。

 

――ガラが悪いって見た目ですか?

生駒さん:そうですね。タトゥーがバリバリの長髪チーマーにめちゃくちゃ影響を受けていた時期だったので(笑)

 

 

――それはアウトですね(笑)

生駒さん:それからなんだかんだとあって、ペンキ屋に勤めはじめました。確か19歳のとき。でもペンキ屋って冬になると仕事がなくなるから、その時期はアルバイトをしないといけないんです。それで働きはじめたのが古町ビルのバー。

 

――お! ついに飲食店のスタートですね。

生駒さん:といっても毎日がパーティーみたいなチャラチャラした店だったから、ちゃんとした飲食店とは程遠くてスタートとはいえないレベル。ただ楽しかったけどね(笑)

 

――しばらくそのバーで働いていたんですか?

生駒さん:ここがちょっとしたターニングポイント。しっかりとしたオーセンティックなバーで働いていた兄貴が「本物のバーを見せてやるから来い」って。見に行ったけど自分がカッコイイと思える場所ではなくて。それから働きたいと思えるカッコイイ店を探すようになりました。それで出会ったのが駅南にある「ドラゴンタイフーン」。

 

ここで働きたいから断られても諦めない。

――「ドラゴンタイフーン」ってどんなお店なんですか?

生駒さん:一軒家をリノベーションしていて、ハウスミュージックが流れていて、アジアン料理を提供して…とにかくめちゃくちゃカッコイイんですよ!予約しないと入れない人気店でした。

 

――なるほど。ではそのお店に?

生駒さん:履歴書すら持たないでドアを叩き「給料とかいらないから雇ってくれませんか?」って。そしたら、デジャブのようにガラが悪いからって断られました(笑)

 

 

――どこかで聞いた話ですね(笑)。今度はどんな格好をしていたんですか?

生駒さん:チノパンにVANSのハーフキャブを履いて、金髪の坊主。スケーターファッションですね。どうしたら雇ってもらえる格好なのかを真剣に考えて、後日、ギャルソンのセットアップで再挑戦。

 

――スタイルがかなり変わりましたね。結果はどうでした?

生駒さん:またダメ(笑)。でもデニムにCONVERSEのハイカットを履いて、ネルシャツを着ていったら合格したんです。どうしても働きたかったから諦めないでチャレンジした結果ですね。

 

――どのくらい「ドラゴンタイフーン」で働いていたんですか?

生駒さん:7年くらいかな。雇われ店長だけど新潟駅南に「生駒」をオープンさせてももらえて、今のベースとなることをたくさん学びました。

 

40歳の節目。これから何がしたいかを考えて。

――「PARENT PINE’S THE BEST SHOP by DAY WORK & COMPANY.TOKYO(以下:PARENT PINE’S)」はどんなキッカケではじめたんですか?

生駒さん:新潟駅南の「生駒」を辞めた後、2008年に場所を新潟駅前に移して兄貴と一緒に「新潟酒場 生駒」を開きました。それから「焼肉V」もオープンして…。いろいろ順調に進んでいたけど40歳を目前にして、今何がしたいのかを考えて原点回帰しようと思いました。それではじめたのが「PARENT PINE’S」。

 

――どんな考えてこのお店を?

生駒さん:今まで新潟の中心で働いてきたけど、ちょっと離れた場所でチャレンジしてみようって思いました。周りにお店のない住宅街で、今まで培ってきたコネクションや経験を生かした居場所を作れないかなって。

 

 

――それで誕生したのが「PARENT PINE’S」なんですね。どんなお店ですか?

生駒さん:たくさんのカルチャーを結び付けているテイクアウト専門のカフェです。新潟に東京のエッセンスをちょい足しして。昔から東京とのコネクションが強いから東京でも滅多に手に入らないアイテムを使っていたり、希少なコーヒー豆を使っていたり、これからはアパレルの展開も考えています。

 

――フードメニューも気になります。メインはなんですか?

生駒さん:ホットサンドがメインかな。キューバサンドやステーキサンド、チーズサンドをはじめとしたサンド類はボリュームもあって、めちゃくちゃこだわっているから、新潟ではそうないスタイルだと思います。

 

――キューバサンド…聞いたことあります。確か映画で観たような…。

生駒さん:「シェフ」って映画ですよね。あれに影響されたんですよ(笑)。キューバサンドは「PARENT PINE’S」のベストサンドです。

 

こだわりのキューバサンド。うまさの秘訣は何?

――オススメとなれば、かなりのこだわりがあるのでは。

生駒さん:まずはパン。これは探すのに苦労しました。名前は出せないけど、あるカンパーニュ専門店にどうにかお願いして仕入れさせてもらっています。そのまま食べてもおいしいけど、キューバサンドのメインとなるポークと合わさると格別です。

 

――確かフルーツ系の味付けをするんですよね?

生駒さん:しっかり映画を観ていますね(笑)。豚肩ロースをオレガノやパクチー、ミントとオレンジ、ライム、レモンなどのフルーツで作ったモホソースでネリネします。しっかりと味が染み込んでいるけど、サンドする前にソースと合わせて火を入れます。そうすることでうま味が強くなるんです。

 

 

――ん~よだれが(笑)

生駒さん:三種類のチーズをこれでもかと盛ったらグリル。チーズが溶けてパンがカリっと焼けたら完成です。フォークとナイフはあるけど、何も気にしないでかぶりつけばもっとおいしくなりますよ。「PARENT PINE’S」は子どもから近所の人まで、いろいろな人たちが集まる遊び場です。だから行儀なんて気にしないでフリーなスタイルで食べて、話して、遊べる場所として使ってもらえたら嬉しいですね。

 

THE CUBA SAND 1,180円

 

THE GRIL STAKPLATE(Lサイズ) 3,160円

 

 

PARENT PINE’S THE BEST SHOP by DAY WORK & COMPANY.TOKYO

新潟県新潟市中央区親松81-6

025-278-7220

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP