新潟でいちばん高価な笹団子と、なんでもできちゃう若旦那。

新潟市の中心地・東中通にある老舗の笹団子屋さん。

役所や大学病院に近く、企業も多く立ち並ぶ新潟市中央区の東中通に「良寛堂」という名のお店があります。出雲崎町にある、新潟の名僧・良寛の生家跡「良寛堂」とうっかり間違えてしまいそうな店名ですが、こちらは明治40年から続く老舗の笹団子屋さん。それも新潟でいちばん高額だと思われる笹団子を売っているお店なのです。4代目の佐久間匠さんにお話をうかがいました。

 

良寛堂

佐久間匠 Takumi Sakuma

1978年新潟市生まれ。日本菓子専門学校卒業後、東京の和菓子店で5年間修行したのち、実家の良寛堂に戻る。和菓子職人として腕をふるうかたわら、自転車の修理、リフォーム工事、近所のなんでも屋など、いろいろな副業をこなしている。子煩悩な二児の父でもある。

 

 

よい材料をたっぷり使う。新潟でいちばん高額な笹団子!?

まず気になったのが「良寛堂」という名前の由来。実はお店がある場所には以前飴屋さんがあり、托鉢旅の途中で良寛さんが立ち寄っていたという言い伝えが残っているからなのだとか。そもそも「良寛堂」は元は水原でお祝いの饅頭や餅を扱っている「佐久間末吉商店」というお店でした。いつしか笹団子も作るようになり、お店の名前も「良寛堂」と改められたそうです。笹団子の真ん中をしばらない「良寛堂」独特の結び方は、水原地方の特徴。その理由は紐に使う材料にあります。新潟市では主に「い草」を使うのですが、水原地方では短い「すげ」を使うため、真中をしばるには長さが足りないのです。

 

ところで、新潟名物として笹団子が紹介されるようになった背景には1964年の「新潟国体」が影響しています。県が新潟土産として笹団子を奨励したため、いつのまにか名物として定着したのです。現在でも笹団子屋さんは新潟にたくさんありますが、多いときは100軒ものお店があったのだそうです。そんな中、「良寛堂」の笹団子は1個200円。これはかなり高額な部類です(新潟でいちばん高価な笹団子なのではないかと思われます)。これは良い材料をふんだんに使っているから。とくに、ヨモギの量が他店に比べて多く使われていることが特徴なのだそうです。

 

 

笹団子のほかに和菓子も自慢

もともとは「餅菓子店」だった「良寛堂」。笹団子はもちろん、おこわや赤飯など、餅を使ったお菓子や製品も作って販売していました。和菓子店で修行をした匠さんが実家に帰ってきて店を手伝うようになってから、そこに和菓子ラインナップが加わります。「調布」や「ゆべし」などの伝統的な和菓子はもちろん、自慢の「どら焼き」はバリエーションも豊富。いちご、ママレード、キウイ、りんごなど旬の食材を使ったどら焼きのほか、笹パウダーと米粉を使い、新潟のご当地キャラクター「ササダンゴン」の焼き印が押された「ササどら」まであります。

 

匠さんは「どら焼き」をガラス越しに店頭で実演しながら焼いています。今回はどら焼き作りの作業を見せていただきました。

 

生卵をよくかき混ぜます

かき混ぜた生卵に砂糖、みりん、ハチミツを加えて混ぜ、湯煎して冷やします。そのあと小麦粉、重曹などを加えます。

水を加えてさらにかき混ぜ、ていねいに裏ごしをして卵の殻や砂糖の塊などを取り除きます。

熱した鉄板に生地を丸く敷いて焼いていきます。

片面がきつね色になったらひっくり返して、もう片面を焼きます。ふっくらしてすごく美しいどら焼き!

焼きあがったらあんこを塗り、2つの生地で挟んで出来上がり。

 

 

行商にいくときの秘密兵器は、この特製かご付き自転車。

匠さんはお店での営業だけにとどまらず、バザーなどのイベント出店などにも積極的に参加しています。夏場は自家製シロップをかけた「かき氷」を売っているとか。とても美味しそうです。また、時間の空いたときにはせっせと和菓子の行商に回っています。そんなときに頼りになる秘密兵器が、フロント部に大きなかごの付いたこの特製自転車。

 

かごに和菓子をいっぱい積み込んで街に出かけ、ときには子どもを乗せて行商することもあるとか。行商先も様々で、幼稚園や保険会社など、女性の多い職場ではとくに喜ばれるそうです。また、イベント出店で知り合ったデイサービスセンターなどに呼ばれることも多く、お年寄りにも人気です。足が不自由で買い物に行けないお年寄りのために、個人宅への行商も行っているとか。バイタリティにあふれる匠さんなのでした。

 

 

笹団子屋の職人でありながら、なんでも屋もやっている。

「良寛堂」で笹団子や和菓子を作る一方、さまざまな副業にもチャレンジしている匠さん。「BIKE-T」という自転車修理店を営み、お店の裏には自転車を組み立てたり修理したりする作業場を設けています。また「水と土の芸術祭」で感銘を受けた芸術家・小原典子さんのインスタレーション作品を一緒に作ったりもしていて、作品出展の際は県外などへも出かけていくとか。そのほかにも、リフォーム作業の下請けやイベント会場の設営といった仕事もこなします。とてもフットワークが軽いのです。近所のお年寄りからの頼まれごとも多く、タイヤ交換、鍵の修理、ビンの蓋あけ、除雪など、「なんでも屋」のような存在になりつつあります。頼まれると断れない匠さんの人柄がうかがわれます。

 

 

どら焼き 130円

ミニどら 70円

串だんご(2本) 200円

笹おこわ 170円

ゆべし 420円

 

良寛堂

新潟市中央区寄居町332

025-222-0429

10:00-18:30 日曜祝日休

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