新潟駅前楽天地で今年11月にオープンしたバー「SKETCH」。入店できるのは女性のみという、新潟ではかなり珍しいスタイルのお店ですが、どんな経緯ではじめることになったのでしょうか。店主の泉さんにお話を聞いてきました。
SKETCH
泉 由香理 Yukari Izumi
1991年五泉市生まれ。アパレルショップや古町のバーで働いた後、2022年11月に「SKETCH」をオープン。スノーボードとスケートボードが趣味。
――こちらは女性限定のバーなんだそうですね。
泉さん:そうです。戸籍上女性の方と、性自認が女性の方であればどんな方も大歓迎です。
――こういうかたちのお店をオープンされたのにはどんないきさつが?
泉さん:私は同性愛者なので、10代のときに女性との出会いを求めて東京に行ったのがきっかけです。そのとき新潟には女性限定のお店がなくって、当時から新潟にも作りたいと思っていました。
――こちらは「ビアンバー」というわけではないんでしょうか。
泉さん:「ビアンバー」という言い方しかないから難しいんですけど、ここは女性限定のバーです(笑)。もちろん同性愛の方の出会いの場だったり、悩みを話せる場所にしたいです。でも「女性だけで飲みたい」っていうストレートの方ってけっこう多いと思うんですよ。だから女性だけの安心できる場所を作りたいんです。男性の方も、彼女が女性限定の店に飲みに行くなら安心かなと(笑)
――確かにそうですね(笑)
泉さん:それに同性愛者でも異性愛者でも女性同士の悩みは似ている部分があると思っていて。例えば体調のことや社会的な見られ方のこととか。そういう悩みを共有できる場にもしたいんです。
――男性がいる場では相談しにくいこともありますもんね。
泉さん:もちろん、同性愛者の出会いの場が作りたいし、そういう人たちをメインに大事にしたいっていう気持ちもあります。同性愛者同士のマッチングアプリがいくつかあるんですけど、登録してみてもなかなか出会えないみたいで(笑)。だからビアンイベントとかもやりますけど、それだけじゃなくていろいろな人たちと出会っていきたいなと思っています。
――「SKETCH」という店名にはどういう意味が込められているんでしょうか。
泉さん:自分も当事者ではあるんですけど、「LGBT」っていうくくりにされるのがすごく嫌で。そんな言葉、ないのがいちばんいいじゃないですか。もっと自由に人生を描いていいんじゃないかっていう意味を込めて、「SKETCH」っていう名前になりました。
――新潟で女性限定のバーをはじめることに対して、ハードルの高さは感じませんでしたか?
泉さん:難しいだろうなと思いました。周りにも超反対されましたしね。「女性限定なんて儲からないからやめとけ」みたいな。「でもやったほうがかっこよくないですか?」って言ってやってみたんですけど(笑)
――その思い切り方、かっこいいです(笑)
泉さん:うまくいくかは分からないですけどね。だけどオープンしてから「こういうお店ができてよかったです」とか、「待ってました」って言ってもらえたのはすごく嬉しかったです。
――お酒以外のフードメニューはどんなものがあるんでしょうか。
泉さん:がっつりオーガニックとかじゃないんですけど、ちょっと身体にいいものを提供していこうと思っています。大豆を使った餃子とか、しいたけの王様って呼ばれている「てんけいこ」の炊き込みご飯とか、有機ケールのサラダとか。
――どんな方にお店に来て欲しいですか?
泉さん:女性の方だったらどなたでも、めっちゃ気軽に来て欲しいです。オーガニックティーとか薬膳茶も置いているので、お酒が飲めなくても大丈夫ですよ。
――これから「SKETCH」でどんなことをしていきたいですか?
泉さん:来年からは営業時間をちょっと早くして、出汁と薬膳茶のテイクアウトをやっていこうと思っています。めっちゃ身体にいいじゃないですか(笑)。それがお店に来てもらえるきっかけになったらいいですね。あと2階にもスペースがあるので、イベントだとかでもっと活用していきたいです。
SKETCH
新潟市中央区弁天3丁目2-24
営業時間 18:00‐25:00
定休日 月曜