ひとつひとつが形容詞のように。長岡の古着屋「Very…clothing store」。
カルチャー
2022.07.27
新潟の古町だけでなく、長岡でも新しい古着屋さんが次々に誕生し盛り上がりを見せています。今回取材をお願いした「Very…clothing store」は昨年の8月にオープンし、早くも姉妹店を開くほどの人気ぶりなんだとか。オーナーの宮内さんにオープンまでの経緯やラインナップについていろいろと聞いてきました。


Very…clothing store
宮内 陽一 Youichi Miyauchi
長岡市生まれ。中学生のときに古着にハマり専門学校卒業後にアパレルの道へ。新潟県内さまざま場所の古着屋で経験を積み、2021年8月に古着屋「Very…clothing store」を長岡市でオープン。
カリスマショップ店員への憧れから、アパレルの道へ。
――まずは宮内さんが古着に興味を持ったきっかけを教えてください。
宮内さん:古着好きの友達の影響です。当時の私はファッションよりも発足したばかりのJリーグに夢中で、いつもヴェルディのジャージを着ていました。ある日、中学で仲良くなった友人と遊ぶことになって、そのとき彼がLevi’s501のパンツにスウェット姿で現れたんですよ。年中ジャージで過ごしていた私にはそれがすごくオシャレに見えて。
――それで宮内さんも古着を着るようになったわけですね。
宮内さん:そうですね。それからは『Boom』や『asayan』、『POPEYE』を読んだり、古着屋さんに通っていろんな知識を吸収したりしました。
――その頃から古着屋さんに憧れていたんですか?
宮内さん:私が学生のときは「カリスマ美容師」とか「カリスマショップ店員」とかっていう言葉がブームで、みんなの憧れだったと思います。だからどうしてもその枠に入りたかったんですよね。それで専門学生のときに初めて古着屋でアルバイトをはじめました。
――カリスマにはなれましたか?
宮内さん:なれませんでした(笑)。その頃の長岡市も今みたいに古着屋がたくさんあったんですけど、思うようにいかなくて。でも働いていたからこそ、いろんな古着やヴィンテージのアイテムに触れたりできて、とてもいい経験になりました。

――専門学校を卒業した後はアパレルの道に進まれたんですか?
宮内さん:いえ、医療施設に就職したんですけど、入って2カ月で腰を悪くして仕事を辞めてしまったんです。行くあてを失って悩んでいたときに、古着屋のオーナーが声をかけてくれてアパレルの仕事に就くことになりました。
――じゃあそこで経験を積まれたわけですね。
宮内さん:それが入ってすぐにお店が潰れることになってしまったんですよ(笑)。そのとき運良くセレクトショップで雇ってもらえることになったので、そこで古着とは違うファッションの面白さを知ることができました。ただ、「古着屋で働きたい」という気持ちがずっと心の中にあって、2年ほどでその仕事は辞めさせてもらいました。
かつてのイメージは、上越がストリート系、長岡はアメカジ、新潟はモード。
――セレクトショップの後はじゃあ古着屋さんへ?
宮内さん:以前古町に本店があった「DIGRAG」という古着屋に知り合いがいて、その人にお店を紹介してもらって長岡の支店で働きはじめました。それから上越で店長をしたり、新潟駅南の店舗では立ち上げから運営まで行い、役員としても仕事をさせてもらいました。
――ちなみに、新潟県内でもエリアによってお客さんから求められる古着に違いはありますか?
宮内さん:全然違いますね。私が働いていたときは上越がストリート系、長岡はアメカジ、新潟はモードというイメージがありました。その頃から買い付けもやっていたんですけど、その感覚を掴むまでは服が全然ウケなくて、把握するまで本当に大変でした。

――じゃあ上中下越の特性を網羅されているんですね。すごい強みじゃないですか。
宮内さん:そのおかげもあって、長岡市外で古着のイベントを開くときとか、他のお店とポップアップを行うとき、「どんな洋服が必要になるのか」を予測できるようになったので、そのとき苦労してほんと良かったです。
――それからどのような経緯で「Very…」をオープンすることになったんですか?
宮内さん:「DIGRAG」へ入社してから約5年経ったころ、店をフランチャイズ化することになって、新潟駅南の店舗でオーナーとして独立したんです。その後10年の間に「自分の店で古着をやってみたい」と思うようになって。でも、せっかくオープンするなら場所にこだわりたかったし、店をすぐに離れるわけにもいかなかったので時間をかけながら準備をして、去年の8月にようやく店を開くことができたんです。
誰でも来やすい店づくり。「Very…」のこだわりとは?
――店名の「Very…」にはどんな意味が込められているんですか?
宮内さん:「very」のあとって、「much」や「good」やいろんな形容詞がつくじゃないですか。うちで取り扱う古着一つひとつがいろんな形容詞となって「お客さんに刺さってほしい」という気持ちが込められているんです。
――お店のスタッフさんは全員女性ということですが、そこにも何かこだわりがあるんでしょうか?
宮内さん:そこはすごくこだわりました。男性スタッフが接客をするとお客さんのハードルが高くなってしまうと思うんですよね。自分の体験からしても、男性より女性に対応されていたときの方が買い物をしやすかったし、いつの間にかファンになっていて通いたくなっていた気がするんです。


――その気持ちわかる気がします。お姉さんってどこか安心感があって話しかけやすいですよね。お店ではどんなラインナップが揃っていますか?
宮内さん:この店では古着の楽しさをいろんな人に知ってもらえるように、Levi’s517 、バンドT、ラルフローレンのシャツとか年齢や性別に問わず誰でも着やすいようなアイテムを仕入れるようにしています。
――店内を見ると新品の服もありますよね?
宮内さん:そうですね。リプロダクト商品を取り入れたり、韓国のブランドから仕入れたアイテムもあったりします。日本では生産できないけど、海外だとデザインできたりするものもあるので、その点をうまく活かしながら古着と合わせて提案しています。

――接客をする際に意識していることはありますか?
宮内さん:なるべく自分からは古着の話をしないようにしています。コアな話をしてしまうとお客さんによっては古着に抵抗が生まれてしまう人もいます。なので、どんな提案するかについては特に気をつけています。もちろん、年代やディテールについても聞かれたらちゃんとお答えしますので、気軽に尋ねてほしいです。
古着ブームの今だからこそ、お客さんに正しい情報を伝えたい。
――これからお店をやっていくなかで、宮内さんはどんなことを大切にしていきたいですか?
宮内さん:今、古着ブームが再来してお店の数がどんどん増えていっていますよね。それはいいことなんですけど、なかには正しい知識のない状態でお店をはじめている人もいます。誤った情報が買い手の人たちに伝わってしまうのは、結果的に業界の衰退につながると思うんです。なので、スタッフや店に来てくれる人たちにはきちんとした知識や情報をこれからも伝えていきたいです。

Very…clothing store
新潟県長岡市東坂之上町2-6-1
営業時間 11:00-19:00
年中無休
Advertisement
関連記事
カルチャー
近代和風住宅をアート空間に。中央区の芸術・文化施設「砂丘館」。
2025.08.03
カルチャー
斬新なカルチャーが詰まったトータルコンテンツ「NOUVERTmagazine」。
2020.03.16
カルチャー
まるで旅をするように古着を楽しめる場所「THIS MAN」。
2020.11.24
カルチャー
好きなものを素直に表現できる場所に。「加茂寄席」の井田さん。
2024.11.29
カルチャー
喫茶店を通り抜けたら現れる、隠れ家的古着屋さん「BASE LINE」。
2021.05.03
カルチャー
新潟に夢と元気を!ローカルプロレス団体「新潟プロレス」の挑戦。
2019.08.11
新しい記事
その他
誰かに使ってもらえる和紙を作る。
栃尾にある「サトウ工房」の佐藤さん
2026.03.30
カルチャー
瞽女唄を唄いつなぐ。
「越後瞽女唄・才蔵ズ」
2026.03.29
食べる
人気インフルエンサーがはじめた
新潟を紹介する店「岩室茶寮 さとり」
2026.03.28
食べる
からだを温め、こころをほどく。
「カイロと珈琲のお店 accos」
2026.03.27
Things写真館
[Things写真館]maimaiCamera photographer松田舞 #03
PR | 2026.03.27
食べる
規格外野菜をメインに提供する
移動販売の八百屋さん「野菜バッカ」
2026.03.26


