新津商店街の表通りから入った路地に「COFFEE CITEN(シテン)」というお店がオープンしました。自家焙煎のコーヒー豆を買ったり、淹れたてのコーヒーを味わったりできるほか、ワインやお茶といったコーヒー以外のドリンクも楽しめるんです。オーナーの齋藤さんから、お店のことやコーヒーのことをいろいろと聞いてきました。
COFFEE CITEN
齋藤 聡人 Akihito Saito
1995年五泉市生まれ。勤めていた製菓会社を退職後、2022年9月に新潟市秋葉区で「COFFEE CITEN」をオープン。ジャンルを問わずスポーツ全般を観戦するのが趣味。
——齋藤さんがコーヒーに興味を持ったきっかけは何だったんでしょうか?
齋藤さん:僕のおばあちゃんが新津で喫茶店をやっていたんです。おばあちゃんの友達がおしゃべりしに来るような、アットホームな集いの場という感じのお店でした。そのお店はもう閉めちゃったんですけど、小学生のときによく親に連れていってもらっていたので、昔からコーヒーは身近なものだったんです。
——小学生のときからコーヒーを飲んでいたとは大人ですね。
齋藤さん:まあ、本格的にコーヒーを飲むようになったのは大人になってからですけどね。最初はお店だけで飲んでいたんですけど、 そのうち自分でも淹れて飲むようになったんです。でもお店で飲むコーヒーとは味が全然違うので、お店の方に質問して、いろいろなアドバイスをいただいては家で試してみるっていうことを繰り返していました。
——どんどんコーヒーにのめり込んでいったんですね。
齋藤さん:のめり込むようになったきっかけは、新型コロナ拡大防止の自粛期間だったんです。それまでは毎日お店へコーヒーを飲みに行っていたのに、家でコーヒーを淹れて飲む機会が増えて。だったらとことん極めたいと思うようになって、自分でエスプレッソマシンを購入したりして、よりディープにのめり込んでいきました。
——エスプレッソマシンって、結構いい値段するんですよね? そののめり込み方は只事じゃないですね(笑)
齋藤さん:やっているうちに趣味にとどまらず、「自分の職業にしたい」と思うようになったんです。そこで勤めていた製菓会社を退職して、今月「COFFEE CITEN」をオープンしました。
——その製菓会社って、けっこう大きな会社ですよね。そこを辞めてコーヒーショップをはじめることに不安はありませんでしたか?
齋藤さん:普通に家庭を持って生活していてもお金ってかかるじゃないですか。だったら自分の夢にお金をかけてみようと思いました。だから不安はなかったし、むしろやるんだったら今のうちだと思ったんです。
——今が絶好の機会だったわけですね。オープンに向けて大変だったことはありましたか?
齋藤さん:大変なこともありましたけど、それも含めて楽しいという気持ちの方が大きかったですね。ただ、新津の商店街は若いお客様が少ないイメージだったので心配はありました。でも連日たくさんのお客様が来てくださるので、本当にありがたいですね。
——新津の中でもこの場所を選んでお店をはじめたのはどうしてなんですか?
齋藤さん:自家焙煎をするってなると、どうしても煙突を立てることになるんです。そうすると壁に穴を開けなければならないので、テナントだと嫌がられてしまうんですよね。この物件はその条件をクリアできたんです。あと同じ建物の2階にフリースペースがあって、勉強する学生やコワーキングのビジネスマンが使っているので、そういう方々にお店を利用していただきたいという気持ちもありました。
——なるほど、そういう理由だったんですね。どんなお店にしたいと思っていますか?
齋藤さん:「コーヒーを好きになってもらえるきっかけになる場所にしたい」と思っています。だからコーヒーもレギュラーから変わり種まで様々なラインナップを揃えていますし、コーヒーのセミナーも開催していく予定なんです。
——こちらのお店で扱っている、コーヒーの特徴があったら教えてください。
齋藤さん:コーヒーが苦手という人にも好きになってもらえるよう、浅煎りした豆を扱っています。コーヒーが苦手な人の多くは「苦い」というイメージを持っていると思うんです。だから苦みが少なく、飲みやすくなるように焙煎していますね。
——コーヒーが好きな人だけじゃなくて、苦手な人のことも考えて焙煎したコーヒーなんですね。なかには苦みだけじゃなくて酸味が苦手な人もいますよね?
齋藤さん:コーヒーの酸味にもいろいろあるんです。コーヒー豆が劣化して酸化して酸っぱくなっていることも多いんですよ。でもコーヒー豆本来の酸味って美味しいんですよ。
——酸味にもいろいろ違いがあるんですね。他にも、コーヒー豆を仕入れるときにこだわっていることはありますか?
齋藤さん:コーヒーは国によって収穫時期が違ってくるので、できるだけ旬のコーヒー豆を仕入れるようにしています。だから、ご来店いただくたびに新しく入ったコーヒーを味わっていただけるんです。あとカフェインレスのコーヒーもたくさん揃っています。
——カフェインが含まれていないコーヒーってことですか。それはどうして?
齋藤さん:うちの店は仕事帰りの方にも気軽に寄ってほしいので、夜21時まで営業しているんですよ。だから夜遅くても気にしないで飲んでもらえるように、カフェインレスのコーヒーをご用意しているんです。妊婦さんや、服用している薬の関係でカフェインが摂れない方も、意外と多いんですよね。
——幅広いお客さんに対応しているんですね。
齋藤さん:あとは「コーヒースタンド」と言いながらコーヒー以外のドリンクも出しているんです。日本茶とかワインとか(笑)。そこをきっかけにコーヒーにも興味を持ってもらえたら嬉しいけど、コーヒーを飲めない方にも空間を楽しんでいただきたいんですよね。
——最後に気になっていたことをお聞きします。「COFFEE CITEN」という店名には、どんな由来があるんでしょうか。
齋藤さん:「CITEN」にはふたつの意味があるんです。ひとつはコーヒーを好きになる、きっかけとしての「始点」。もうひとつは人と人がつながる「支点」にしていきたいという意味です。僕自身もコーヒー店通いをしていたときに、年齢や仕事がまったく違う人たちとお店を通じて仲良くなった経験があるので、このお店もそんな場所になってくれたらいいなと思いました。「COFFEE CITEN」を通じてコーヒー好きな人が増えたり、いろんな出会いのある場所になってくれたら嬉しいですね。
COFFEE CITEN
新潟市秋葉区新津本町3−1−2 リベルタ1F
11:00-21:00(土曜は18:00まで)
日曜休