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種類が豊富でワクワクできるパン屋さん。「夕日ベーカリー はまぱん」。

北区の西名目所インターを降りてすぐのところにある「夕日ベーカリー はまぱん」は、定番のパンはもちろん、食事パン、キャラクターパン、お菓子など幅広く揃えています。お店の隣は運送会社というちょっと意外な立地なのですが、それには理由がありました。店長の田中さんにお店のことや仕事のやりがいなど、いろいろとお話を聞いてきました。

 

夕日ベーカリー はまぱん

田中 優妃 Yuki Tanaka

1990年新潟市生まれ。長岡にある調理系の専門学校を卒業後、東京都内のイタリアンレストランとフランス菓子店で働く。22歳のときに新潟に戻り、「石窯パン工房サフラン」に6年ほど勤務。パン職人としての腕を磨き、2018年に「夕日ベーカリー はまぱん」をオープン。

 

調理とお菓子づくりの経験を積んだ店主がパン屋さんに。

——田中さんが「はまぱん」の店長になるまでのことを教えてください。

田中さん:高校を卒業してから、長岡の調理系の専門学校へ進学したんです。調理とお菓子づくりの両方に興味があったので、1年間は調理を学んで、2年次にはお菓子を学ぶために編入しようと思っていました。でも、学校が思ったより大変で。編入は断念して、1年で卒業しました。

 

——じゃあ、最初は調理の仕事をされていたんですか?

田中さん:経験を積むために都内のイタリアンレストランに就職しました。面接時に「調理もお菓子づくりもやりたいと思っている」と伝えたんですけど、ラッキーなことにその会社が1年後にフランス菓子店をオープンさせる予定だったんです。それで、1年間イタリアンレストランでホールの仕事をして、翌年からフランス菓子店で働くことができました。最初は販売をやりながら、徐々にパティシエの仕事も経験させてもらったんです。

 

——念願だったお菓子の勉強ができたわけですね。

田中さん:その菓子店のシェフはフランスで修業をした方でした。フランスのお菓子屋さんでは、リッチな配合のクロワッサンなんかも置いているそうで、私が働いていたお店でもパンを扱っていたんです。それが私とパンと出会いですね。

 

 

——じゃあ、東京でパンの修業を?

田中さん:東京では3年半ほど働いたんですけど、都会暮らしに疲れてしまったのもあって、22歳のときに新潟に帰ってきました。パンづくりは面白かったけど、東京ではあまり経験を積めなかったので「新潟ではパン屋さんで働こう」と思っていました。

 

——新潟に戻ってからはどうされたんですか?

田中さん:パン屋さんをたくさん巡って、一番ワクワクしたお店が「石窯パン工房サフラン」だったんです。「こんなお店で働きたい」と思って、「サフラン」の女池店でパン職人として6年間ほど働かせてもらいました。

 

——「はまぱん」はどんな経緯でオープンしたんでしょう?

田中さん:「はまぱん」のオーナーは私の父で、「株式会社新潟総合物流」という運送会社の社長でもあるんです。この店は2018年にオープンしたんですけど、その頃「新潟総合物流」の社食にもなるお店を作ろうと考えていたそうなんです。ところがお店をやる予定の方が会社を辞めてしまって、急遽私に「パン屋をやってくれないか」と声がかかったんですよ。

 

——そのときって、田中さんはどんな心境だったんでしょう?

田中さん:びっくりしましたね。「冗談かな」と思っていたくらいです。でも「ロゴはどんなふうにしたい?」「設計図を考えてほしい」と具体的な話が出てきて、だんだんと「本当に私がやるんだ……」と気持ちが固まっていきました。

 

ワクワクしてもらいたいから、たくさんのパンを揃えたい。

——お店のこだわりについても教えてください。

田中さん:「こうじゃなきゃいけない」っていう考えは持たないようにしていて、国産の材料だけにするとか、地産地消を意識するとか、そういったこだわりはあまりないんです。でも、私が「サフラン」でワクワクを感じたように、「はまぱん」でもワクワクしてほしいので、定番のパンや季節の商品、お菓子などいろいろな種類を揃えるようにしています。業者さんから話題のパンを教えてもらって新作にチャレンジすることもありますし、いろいろ挑戦はしているかな。「どれにしよう」って、選ぶ楽しみもパン屋さんならではだと思いますから。

 

 

——パン職人の仕事、どんなところが面白いですか?

田中さん:水と粉が合わさってパンに仕上がっていく様子を見るのが好きですね。「育っていく」みたいで。それと、自宅で子どもたちが「はまぱん」のパンを喜んで食べてくれるのが何よりも嬉しいですね。家族で来られたお客さまが山盛りのパンを買ってくれるときは「これからみんなで食べるのかな」なんて想像して喜んでいます。

 

職場のみんなに愛される店長の素敵な働き方。

——田中さんはふたりのお子さんのママでもありますよね。パン屋さんって朝が早いし、どんな1日を過ごしているか知りたいです。

田中さん:職場の皆さんに協力してもらっているので、朝はそんなに早くないんですよ。2歳と5歳の子どもを保育園に預けて、7時半までには出勤しています。8時間みっちり仕事をして、夕方5時までにはお迎えに行きますね。ちなみに私、仕事はまったく苦じゃないんです。休憩なしでも平気なくらい、パンづくりは好きですね。

 

 

——お店を任されたこの4年間はどうでしたか?

田中さん:あっという間でしたね。毎日「24時間じゃ足りない」って思っています(笑)。何度か「もう無理だ……」と思ったことはありましたけど、職場の皆さんに支えられています。優しいスタッフばかりで、なにかと声をかけてくれるんですよ。「こんなふうにされて嬉しかったから、今度私も真似してみよう」と思うことも多いですね。

 

——最後に、今後取り組みたいことがあれば教えてください。

田中さん:そうですねぇ。毎日いっぱいいっぱいで、「これがしたい」ということまで考えられていないんですが……。今まで通り、いつ来てもいろいろな種類のパンを揃えていたいですね。パン屋さんに行って、「トレーを手に取っちゃったのに食べたいものが売り切れてしまっている」ってこと、たまにありますよね。なるべくそうならないようにしたいと思っているんです。外販もしているし、オーナーや「総合物流」の皆さんのお陰でパンが残ることはほとんどないんですよ。だからちょっと遅い時間でも好きなパンを選べる。そんなお店にしていきたいです。

 

 

 

夕日ベーカリー はまぱん

新潟市北区西名目所5507-10

TEL 025-278-2122

営業時間 6:30〜18:30(売り切れ次第終了)

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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