もっちり食感が、たまらない。
「BAGEL CONTRAIL」の小さな幸せ。
食べる
2026.05.17
ある日、Threadsを見ていて、とてもきれいな断面のベーグルを投稿しているアカウントを見つけました。気になって調べてみると、三条市の住宅街にオープンした「BAGEL CONTRAIL」というお店だったのです。すぐに取材依頼したところ、お店のお休みの日にお話を聞けることに。「やると決めてたらとことんやる」タイプの髙野さんご夫婦に、お店を開けるまでのことや、ベーグルのことなどお話を聞いてきました。
髙野さんご夫婦
(BAGEL CONTRAIL)
奥さん(写真右)1983年三条市出身。福祉系の大学を卒業後、医療ソーシャルワーカーとして20年ほど働く。その後、旦那さんと一緒に「BAGEL CONTRAIL」をはじめる。ランニングが好きなアウトドア派。/旦那さん(写真左)1981年三条市出身。大学卒業後は、東京で営業として働く。その後、新潟に戻り印刷会社で20年ほど働く。その後、奥さんと一緒に「BAGEL CONTRAIL」をはじめる。
80歳まで、続けられる仕事を。
ふたりがベーグル屋さんになるまで。
――今日はよろしくお願いします。おふたりはこれまで、どんなことをされてきたのかを教えてください。
奥さん:私は大学を卒業後、医療ソーシャルワーカーとして医療機関に勤めていました。病気になった方の経済的な問題や社会復帰に向けた課題の解決をお手伝いする仕事です。新卒で働きはじめてから20年近く働いていました。
旦那さん:僕は大学を出てから、厨房機器を販売している会社の営業をしていました。その後は、パッケージに特殊印刷を行う会社で20年くらい働いていました。
――そんなおふたりが、どうしてベーグル屋さんをはじめることになったのでしょう。
奥さん:これからのライフプランについて、ふたりで話すのが好きで、よく話し合っていたんです。3年くらい前に将来のことを話したとき、「50歳を超えて、今の仕事を続けられるか」っていう話題になって。私の仕事も夫の仕事も、続けるのは厳しいかもしれないってなったときに、「じゃあ、どうしようか」と。
旦那さん:僕は80歳まで仕事がしたいと思っているんです。でも、今の仕事はきっと80歳まで続けられないし、かといって転職をしてイチからするのも違うなって思っていたんです。だったら、ふたりで新しいことをはじめようっていう話になりました。
――これからのことを考えて、おふたりで一緒にお店を出すことにしたんですね。
奥さん:どうせやるなら、好きなことを仕事にしたいと思って、得意なことや特技を考えてみたんですけど、なかなか浮かばなくて。夫が「好きなことをやろうよ」って言ってくれたとき、「なんとなく好きだから、ベーグルかな」って思っていました。でも、そのときはふわっとした話しかしていなくて。その1年後、本格的に動き出したんです。
――動き出したのには、どんなきっかけが?
奥さん:偶然お互いの仕事の区切りがついて、「もう次に進んでもいいな」っていうタイミングがあったんです。ふたりとも仕事を辞める覚悟が決まって、ベーグルのお店をはじめるための準備に取り掛かりました。やるからには徹底的にやりたかったので、それからはほぼ毎日、仕事の合間にベーグルを作っていましたね。
――その記録をSNSにも投稿されていましたね。美味しそうなベーグルが毎日投稿されていて、見ているだけでお腹が空いていました(笑)
奥さん:ふたりとも、コツコツ続けていくのが好きだったので、毎日焼いても苦しくなかったんです。ベーグル作りは未経験だったので、まずはレシピ本を元に作りはじめました。でも全然上手くいかなくて、オンラインでプロの方に教えてもらったり、福島のお店の方にお願いして、作り方を教わったりしました。
旦那さん:趣味の延長線みたいになるのが嫌だったから、自分たちでベーグルを作りながら、先生に教えてもらっていたんだよね。片道3時間かけて福島まで行って。先生に教えてもらっているときは、いっぱいいっぱいになるときもありましたが(笑)、楽しみながら作れましたね。
――おふたりの向上心、すごいです。ベーグルを作り続けていて、「ここまできたらお店で出せる」みたいな感覚は、どうやって身につけたのでしょう。
奥さん:プロの方に見てもらえたのはとても大きかったと思います。先生に「作ったベーグルを無料で配るのはもったいないって思ったら、ベーグルを売れるとき」って言われて。そのひとことのおかげで、お店をはじめても大丈夫なんだと思えるようになりました。


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もっちりとして、ほのかに甘い。
そのまま食べたい、こだわりのベーグル。
――おふたりが作るベーグルには、どんな特徴があるのでしょう。
奥さん:もっちりした食感が楽しめるベーグルだと思います。酵母には「ホシノ天然酵母」という麹から起こした酵母を使っています。麹由来の甘さと小麦本来の甘さが楽しめるものになっていると思いますよ。
旦那さん:ベーグルに使う酵母や小麦はいろんなものを試しました。試作期間にちょうど新潟でフードフェスが開催されて、そこで知り合った業者さんがいろんな種類の小麦を送ってくださったんです。それぞれ使ってみると、粉ごとに香りや作りやすさ、酵母との相性が違って面白かったですね。
奥さん:そうそう、外国の小麦を使うことも考えたんですけど、せっかく日本でベーグルを作るなら国産がいいよね、ということで国産の小麦を使うことにしました。
――いろんな種類のベーグルが楽しめるのも魅力的です。
奥さん:もともと食べるのが好きなので、ベーグルを作っている間も、ふとしたときに「これとそれは合いそう」とか「こんなベーグル食べたい」って思いつくんです。それでメニューを作っているんですが、私たちのベーグルは生地をまず楽しんでもらいたいので、具材も盛り込みすぎず、シンプルなものになるようにしています。
旦那さん:だいたい10種類くらいのベーグルを用意しています。メニューは週ごとで変わるので、定期的に来られる方にも楽しんでもらえるかなと思います。
――おふたりのオススメのベーグル、ぜひ知りたいです。
奥さん:よく聞かれるんですが、どれってなかなか絞れなくて……。お客さまの好みに合わせてベーグルをおすすめさせてもらいたいんです。私の好みでおすすめしても、しょうがないかなって(笑)
旦那さん:おすすめって結構難しいなって思うんです。プレーンは生地の美味しさを楽しんでもらえるし、くるみを使ったベーグルも組み合わせている食材ごとで違う楽しみ方ができますし……、結局全部おすすめしちゃうんですよ(笑)
――そう言われると、全部試してみたくなります。ちなみに、おすすめの食べ方はありますか?
奥さん:半分に切って好きな具材を挟む方もいると思うんですが、うちのはぜひそのまま食べてもらいたいですね。忙しい朝にぱっと手軽に食べてもらえるベーグルを作っているので。食べる前に軽くトーストしても美味しいですよ。
旦那さん:僕は、焼きたてから少し時間が経ったものが好きです。ベーグルのもっちりとした食感をより楽しんでもらえると思います。


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来てくれるお客さんとともに、
これからも細く長く、続けていきたい。
――ところで「BAGEL CONTRAIL」という名前はどのようにつけられたのでしょうか。
奥さん:「CONTRAIL」は競走馬の「コントレイル」から名付けました。我が家はみんな馬好きで、店名は馬の名前を使えたらいいよねって言っていたんです。「CONTRAIL」自体には飛行機雲っていう意味があって。ふと空を見上げたときに、飛行機雲があると、ちょっとラッキーじゃないですか。そんな小さな幸せを届けられるお店にしていきたいっていう思いを込めました。
――素敵です。3月からお店をはじめてみて、おふたりの心境はいかがですか?
奥さん:すごく楽しくさせてもらっています。お店を開けるまでは毎日ベーグルを作っていたので、定休日に何も作らないのが不思議な感じがしますね(笑)。とはいえ、お休みの日も味の組み合わせを考えたりするのですが、それも楽しいんですよ。
旦那さん:ふたりとも出かけるが好きなので、休みの日は遠出して食材を探しに、県外まで行くこともあるんです。それもすごく楽しいですね。
――楽しんでお店をされているおふたり、とてもキラキラしています。
奥さん:お互いそれまでの仕事を満足できるまで頑張って、区切りをつけたから、やりたいことに集中できたんだと思います。最初は「50歳になってからはじめよう」って言っていたんですけど、今思えば、体力的にもこのタイミングで良かったなって思っています。
――最後に、おふたりのこれからも目標を教えてください。
旦那さん:やっぱり、80歳まで働くことですね。止まったらもったいないと思っているので、身体が動く限り働いていたいですね。
奥さん:このためにってわけではないけど、お互いに身体づくりもしていたので、細く長く続けていきたいですね。お店に立っていて、お客さまとのやり取りがすごく楽しいんです。これからも、ただベーグルを売るだけじゃなくて、お客さまとコミュニケーションを取って、飛行機雲みたいな小さな幸せを届けられるお店にしていきたいですね。


BAGEL CONTRAIL
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