岩室温泉で食べる本場のエスニック料理「南インド料理 ネファラ」。
食べる
2022.12.22
寒い日が続き温泉が恋しくなる季節です。新潟市の温泉といえば、西蒲区の「岩室温泉」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。その岩室温泉街に今年の秋、「南インド料理 ネファラ」という新しいお店がオープンしました。こちらでは「ミールス」や「ビリヤニ」といった南インドの料理を味わうことができます。今回はオーナーの木間さんに、岩室温泉街でお店をはじめたいきさつや、南インド料理の魅力を聞いてきました。


南インド料理 ネファラ
木間 隼人 Hayato Kima
1987年魚沼市(旧入広瀬村)生まれ埼玉県育ち。大学時代はアパレルショップで働きながらDJとしても活動。卒業後は西表島の農園で働き、27歳のときに埼玉に戻ってアフリカの民族楽器「ジャンベ」を学んで過ごす。結婚を機に新潟へ移住し、タイ料理レストランや測量会社で働く傍ら、イベント出店や宅配、間借り営業などでインドカレーの販売をはじめる。2022年10月に岩室温泉街で「南インド料理 ネファラ」をオープン。
本場で食べ歩きながら学んだ、南インド料理。
——オープンおめでとうございます。それにしても、岩室温泉で南インド料理を食べるっていうのはオツな感じがします。木間さんはどうして南インド料理に興味を持つようになったんですか?
木間さん:僕はもともとエスニックなものに興味があって、スパイスカレーを作ったり、アフリカの打楽器「ジャンベ」を演奏したりしていたんです。旅も好きで沖縄の西表島、タイ、ネパール、南インドへも訪れました。
——なんだか暖かい国が多いですね(笑)
木間さん:南国のムードやリズムが自分に合っていたのかもしれませんね。大学を出てすぐに西表島へ渡って、パイナップルやマンゴー、サトウキビ農園で働きながら3年間暮らしたんです。島でひとり暮しをはじめたことがきっかけで料理の楽しさに目覚めて、いつかは自分で料理店をやってみたいと思うようになりました。
——「ネファラ」の原点は西表島での自炊にあったんですね。もしかすると、南インドへの旅が「ネファラ」の料理に影響しているんでしょうか?
木間さん:まさにその通りです。僕は自分で作っちゃうほどカレーが好きで、インド料理への憧れがあったので、本場の料理が食べたくて南インドを旅して回ったんです。都市から田舎までいろんな店に行きました。気になる料理があったら厨房を見せてもらって、レシピを教わったりもしたんです。

——外国人旅行者に料理を教えてくれるものなんですか?
木間さん:インドの人たちってとても親切なんですよ。外国人が自分の国の料理に興味を持っていることがわかると、喜んで教えてくれるんです。
——おおらかな人が多いんでしょうね。でも知らない国を旅をしていて、大変なこともあったんじゃないですか?
木間さん:インドは広大なので移動に時間がかかるんですよ。目的地にたどり着くのに12時間かかることなんてザラで、移動だけで丸1日つぶれることもあるんです。だから時間を無駄にすることができなくて料理を食べ過ぎた挙句、お腹を壊してしまったこともありました(笑)。コロナウィルスが拡大する前に帰国しましたけど、あと少し遅れていたら帰れなくなっていたかもしれません。

岩室温泉街で南インド料理店をオープンするまで。
——新潟に移り住んだのはどうしてだったんですか?
木間さん:おばあちゃんの家が魚沼にあったので、僕も何度か訪れたことがあって、新潟は自然の豊かな土地という印象があったんです。あとタイを旅したときに知り合って、3ヶ月くらい一緒に過ごした新潟出身のミュージシャンがとってもいい人だったので、新潟には好印象を持っていたんですよね(笑)。そこで結婚を機に新潟へ移住したんです。
——新潟に来られてからはどんなことをされていたんでしょうか。
木間さん:タイ料理レストランや測量会社で働きながら、趣味で作り続けてきたインドカレーを販売するためにイベント出店をしたり宅配弁当をしたりしていました。それから友達の片山さんが経営している「チャッペス食堂」を月一回間借りして「ヤドカリ営業」もしましたね。
——店舗の間借り営業を経験したことで、気持ちに変化はありました?
木間さん:目の前でお客様の食べている姿を見ることができるし、反応も見ることができるので、イベント出店以上にやりがいを感じましたね。最初は認知度も低くて来店者も少なかったんですけど、徐々に来店者が増えて最後は並んで待ってくれるお客様までできて、自分のお店をはじめる自信につながりました。そのきっかけを作ってくれた「チャッペス食堂」の片山さんには感謝しています。
——それにしても、どうして岩室温泉で営業することに?
木間さん:以前は新潟駅南口あたりに住んでいたんですが、「もっと自然豊かな場所に住みたい」と思ったんです。そんなときに紹介してもらったのが岩室温泉街の古民家でした。そこで暮らすことになって、近所にあるこちらの店舗が空いていたので今年の10月に「南インド料理 ネファラ」をオープンしました。温泉街で南インド料理を提供するのも面白いかなと思ったし、岩室を盛り上げる役に立ちたいという気持ちもあったんですよね。
——建物は前あったお店のものをほとんどそのまま使っているみたいですね。
木間さん:そうですね。ただテーブルは自分で作って、イスはお店の雰囲気に合うものをアンティークで探しました。苦労した甲斐あって自分でも気に入るものができました(笑)。ゆったりと食事を楽しんでいただけるよう、席もできるだけ間隔を空けるようにしています。

——オープンして間もないですけど、お店をはじめてみていかがですか?
木間さん:妻にも手伝ってもらっていますけど、料理は僕ひとりで作っているので、仕込みに時間がかかって大変ですね。朝の4時半に起きて5時から仕込みをはじめています。でも自分のやりやすい環境で好きなように楽しみながら調理しているので、味のレベルも上がってきていると思います。

本場南インドの味をそのまま再現。
——おすすめ料理を教えてください。
木間さん:看板メニューは南インドの「ミールス」という料理です。日本でいうところの「定食」みたいなもので、南インドではバナナの葉っぱにご飯やいろいろな副菜を乗せて提供されるんです。野菜が10種類以上も使われていてヘルシーだし、消化もいいから胃もたれしにくくてお腹いっぱい食べられます。肉を使っていない「べジミールス」と肉を使った「ノンベジミールス」の2種類をご用意していて、そこにお好きな「今週のカリー」を組み合わせてお楽しみいただけます。

——「今週のカリー」というのは何種類かあるんですね。
木間さん:僕が南インドで食べた本場の味を再現した数種類のカリーを、週替わりでお楽しみいただけます。あと土日限定メニューの「マラバール ビリヤニ」っていう、カシューナッツやレーズンが入ったインドの炊き込みご飯もおすすめです。南国風の味を楽しんでいただけると思います。
——「ネファラ」の料理は、どんなことにこだわって作っているんでしょう?
木間さん:新潟の人の味覚に合わせてアレンジしているわけじゃなくて、南インドの味を本場の調理法でそのまま再現しています。南インド料理の美味しさを多くの人たちに伝えられたら嬉しいですね。あと料理以外でもインドを好きになってほしいので、魅力を伝えられるようなイベントもどんどん開催していきたいです。

南インド料理 ネファラ
新潟市西蒲区岩室温泉637
070-3113-9589
11:00-15:00(L.O.14:30から)
月火曜休
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