味、ボリューム、価格を満足させる店を目指す「豚カツ かつみ」。
食べる
2023.04.01
柔らかくてジューシーな豚肉をサックサクの香ばしい衣で包んだ豚カツは、日本が誇る料理のひとつです。今年の1月にオープンしたトンカツ専門店「豚カツかつみ」は、美味しいトンカツがリーズナブルにお腹いっぱい食べられることで注目を集めています。定休日の仕込み中にお邪魔して、店主の海津さんからトンカツに対してのこだわりを聞いてきました。


豚カツ かつみ
海津 直史 Naofumi Kaitsu
1976年柏崎市生まれ。食品メーカーやIT企業でサラリーマン勤めをした後、飲食業界に転身し焼鳥店、マグロ専門店、トンカツ店で経験を重ね、2023年1月より「豚カツ かつみ」として独立する。最近は金柑にハマっている。
食品メーカーの研究員がトンカツ店をオープン。
——今日はお休みのところ申し訳ありません。早速ですが、こちらのお店はいつオープンしたんでしたっけ?
海津さん:今年の1月6日にオープンしました。
——お正月明けからだったんですね。海津さんは、ずっと飲食業をやってきたんですか?
海津さん:最初はかまぼこを製造している食品メーカーに勤めたんです。大学では機械の勉強をしていたので、機械に関わる仕事に就きたかったんですけど、配属されたのは商品開発部だったんです。毎日調味料の配合や味の組み立てを研究していました。その後は水産加工食品メーカーで商品開発の仕事をしていたんです。

——研究員だったわけですね。そんな海津さんが飲食業に興味を持ったのはどうしてなんですか?
海津さん:食品メーカーの商品開発では、自分が関わった商品を食べているお客様の姿を直接見ることはできないんですけど、飲食店だったら自分が作ったものを目の前で食べていただけるじゃないですか。そこに魅力を感じました。
——なるほど。
海津さん:それに食品メーカーの商品っていうのは日持ちを考えなければならないので、どうしても添加物を使わなければならないんです。そうではなく、素材を生かした料理を作りたかったんですよ。

——それでサラリーマン生活に終止符を打って、飲食店で働きはじめたんですね。
海津さん:はい、焼鳥店やまぐろ専門店、豚カツ店で働いてきました。食品メーカーの商品開発とは違って、飲食店ではどんなふうに料理が作られているのかを知ることができて、とっても刺激を受けましたね。それと同時に飲食店で働くことの楽しさを知りました。
——それで独立を考えたんですね。
海津さん:人間の営みのなかで「食べる」というのは避けられないことなので、もっと気軽に美味しく食事を楽しんでいただきたいという思いがあったんですよ。
——その食事のなかでも「豚カツ」を選んだのはどうしてなんですか?
海津さん:日本で食べられる料理のなかで、豚カツは炭水化物やタンパク質などほとんどの栄養が補える最強の料理だと思ったからです。怒りや悲しみといったネガティブな感情さえも、豚カツを食べることでポジティブに変換してくれるようにも感じました。

来てくれる全てのお客さんに満足してほしい。
——「豚カツ かつみ」さんの豚カツは、どんなところにこだわっているんですか?
海津さん:もっともこだわっているのは「衣はサクサク、肉は柔らかく」ということです。これに尽きますね。
——そのために、どんなことに気をつけて調理しているんでしょうか。
海津さん:豚肉を柔らかくするために、低温で熟成させているんです。肉質に合わせて温度や時間は調節しています。時間が経つほど豚肉からは肉汁が出てきてしまうので、それを閉じ込める工夫をしているんですよ。食品メーカー時代に培った、油に対する知識が生かせていると思います。
——食品に対するノウハウを生かした豚カツなんですね。いろんなメニューがありますけど、人気があるのはどれなんですか?
海津さん:「ロースカツ定食」が一番人気ですね。最近はもっと満足してほしいという思いから、トンカツを50g増量して180gにした「極厚ロースカツ定食」もはじめました。ただ肉が厚くなった分、均一に熱を通すには揚げ加減が難しいんですよ。

——なるほど。他にも難しいと感じることはありますか?
海津さん:ご来店いただいたすべてのお客様に満足していただくことの難しさを、日々感じています。お金をいただいて料理を提供しているからには、代金以上の満足をお届けできるよう努力していきたいですね。
——それはとっても難しいことですよね。でも、ほとんどのお客さんは満足して帰るんじゃないですか?
海津さん:そうですね。お会計の際に「美味しかった」というお言葉をいただけると、お店をはじめてよかったと心から思えます。先日の日曜日は雨降りで寒かったのにもかかわらず、30分以上も表で待っていてくださるお客様もいたんです。しかも売り切れてしまったメニューもあったのに待ち続けてくださって、お食事後の帰り際には「来てよかった」とまで言っていただけました。本当に嬉しかったですね。
——食品メーカーの商品開発では味わえなかった喜びを、今では感じることができているんですね。これからはどんなふうにお店を続けていきたいと思っていますか?
海津さん:メニューを試行錯誤している段階ですので、今後もメニューはどんどん変えていく予定です。週何回もご来店くださるお客様もいらっしゃいますので、飽きないようにいろいろなメニューを味わっていただきたいですね。

——それは楽しみですね。どんなメニューに挑戦していきたいですか?
海津さん:日本だけに限らず世界中の料理を取り入れて、トンカツと組み合わせたメニューに挑戦してみたいです。まだまだ「これが究極に美味しいトンカツ」という領域にはたどり着いていませんので、妻とふたりで日々精進していきたいと思っています。

豚カツ かつみ
新潟市西区小針8-9-2
025-365-2319
11:00-15:00/17:00-21:00(売切れ次第終了)
不定休
Advertisement
関連記事
食べる
新しい海鮮料理に出会える新潟駅前の「新潟 魚 旬 みなも」。
2024.09.28
食べる
芳醇な香りと複雑な旨味。本場の味を追求した四川料理店「風雅」。
2021.09.30
食べる
バーバーカルチャーを発信する「RISE IN DA BARBER’S with tricolore night」。
2024.08.26
食べる
変わらぬ味に理由あり。店を受け継ぎ40年「味の店 若とり」。
2025.11.07
カフェ, 食べる
小千谷で「いもカフェ」!さつまいもを愛する女性オーナー。
2019.04.11
食べる
スパイスだけで作られる「カレーキッチンPandora」のカレー。
2020.01.06
新しい記事
買う
時代を越えて支持される
「タカナシカメラ」の哲学。
2025.12.07
遊ぶ
200種類のゲームがお出迎え
県央のボードゲームカフェ「ASOBO’s」
2025.12.06
食べる
米粉と平飼い卵で作る優しいおやつ。
「みんなのおやつ i ppu ku」
2025.12.05
Things写真館
[Things写真館]滝沢写真館 photographerタキザワフミオ #02
PR | 2025.12.05
カルチャー
地域をつなぐ、力強い音。
今年で45周年を迎えた「飛燕太鼓」
2025.12.04
カフェ
幼稚園だった建物を再利用した
レトロな雰囲気の「喫茶ショパン」。
2025.12.03


