沼垂テラス商店街で夫婦のモノづくりを発信「ISANA」。
ものづくり・カフェ
2019.06.18
奥さんが染めて織って。旦那さんが作ったイスとテーブルで喫茶を飾る。
新潟市中央区、沼垂テラス商店街に店を構える「ISANA(イサナ)」。ゆったりとした独特の雰囲気の店内には、オーナー夫婦によってつくられた作品(奥さんの作品である染織雑貨や、家具職人である旦那さんの作品)がたくさん並んでいます。こんなお店って素敵だな…って思える、夫婦の夢が集まったお店。お店のこと、昔からの夫婦の夢、聞いてみました。

ISANA
中川なぎさ Nagisa Nakagawa
1983年生まれ。新潟での会社員生活を経て、奈良県の染織工房にて染物、織物を学ぶ。2011年11月に自身初となるショップ「ISANA」を沼垂テラス商店街にオープン。只今、妊娠中の新米ママは、蕎麦が好き。
沼垂テラス商店街にある「ISANA」ってどんなお店?
――沼垂テラス商店街という場所柄もあると思います。とてもゆったりとした時間が流れているお店ですよね。「ISANA」ってどんなお店ですか?
中川さん:「ISANA」は、家具と喫茶、染織雑貨のお店です。秋葉区にある工房で夫が制作したイスやテーブルを設えて、喫茶スペースではドリンクが楽しめます。物販コーナーでは、私の作品である染織雑貨をはじめとしたアイテムを販売しています。
――旦那さんは家具職人なんですね。どんな家具を作っているのですか?
中川さん:無垢材を使った家具全般です。フルオーダー、セミオーダーなどなどを受けています。お店に並んでいるイスなどはサンプルとして、実際に座ってもらい、体感してもらえるように、いろいろなタイプのイスを置いているんです。ちなみに家具のブランド名は、店名と同じ「ISANA」なんですよ。

――「ISANA」はお店の場所であり、旦那さんが作る家具のブランド名でもあるんですね。なんか、素敵です。
中川さん:ありがとうございます。ちなみに喫茶スペースは、沼垂テラス商店街に来られた方と触れ合いの場として、フロントのような場所と考えています。ゆっくりドリンクを楽しんでもらい会話したり、家具の相談なんかも。
――喫茶ではどんなメニューを提供しているのですか?
中川さん:シンプルなケーキが多いですね。イチオシは「焼きプリン」です。昔ながらのプリンで、牛乳、卵、砂糖のみで作っています。ずっしりと、サイズも大きいので満足感たっぷり。ホールで焼いたタイプなんですよ。

――しっかりとしたタイプのプリンですね。おいしそう!おっと、忘れてはいけない。染織雑貨について教えてください。
中川さん:大切な部分ですね(笑)。染織雑貨は手ぬぐい、アクセサリーなどをメインに制作しています。自分で染めて、織って、一からデザインしているので使いやすいようにカタチを変えていったりと、常に進化しているアイテムもあります。
――今さらですが、「ISANA」ってはじめて聞いた言葉です。どこかの国の言葉ですか?
中川さん:「ISANA」って聞き馴染みがないけど、どこか日本語っぽくないですか?実は日本の古語で「鯨(くじら)」を意味する言葉なんです。ゆったりとしていて、どこの国の言葉か分からないけど、日本語っぽい。そんな雰囲気に興味が惹かれたのと、この沼垂テラス商店街は川だったこともあり、「ISANA」には「大きな魚」という意味もあったので、コレだ!ってなりました。

はじまりのストーリー。布好き女子、奈良へ行く。
――中川さんは、どういったキッカケで染織(染物・織物)に興味が湧いたんですか?
中川さん:昔から母が着物を着せてくれていて、着物の柄や色ってこんなにたくさんあるんだって思っていました。それから布や手ぬぐいを集める趣味へと。昔は仕事にしたいなとは思わずに、ただただ趣味として。
――趣味からのスタートだったんですね。
中川さん:学校を卒業して、社会人となり働いていたのですが、ふとした時にやりがいや働く意味を考えたんです。一生に一度しかない人生なら、大好きな布を一から自分で作ってみたいなと考えて、仕事を辞めて布の道へと進みはじめました。
――大きな決断に至ったわけですね。自分で一から作ろうって凄いですね(笑)。その後はどうされたのですか?
中川さん:雑誌を読んでいたら奈良県の「益久染織研究所」が染めた糸を目にしたんです。本当にきれいで、感動しました。この技術を学びたいと思って、ここで働きたいと思って。でも、求人募集がなかったんですよね。

――あるあるですね(笑)。
中川さん:そうなんですよね(笑)。でも、「益久染織研究所」で染色教室という、染物や織物を学ぶ教室をみつけたんです。雑誌で見た感動が忘れられなくて、働けなくても技術は学べると思い、新潟から奈良へと飛び出しました!
――教室ではどのようなことを学んだのですか?
中川さん:技術もそうですが、一番は作る楽しみですね。これは働けなかった代わりに得れたものだと思っています。とにかく玉ネギの皮とか、栗のイガイガとか、いろいろな植物を煮込んで染織するんです。鍋で煮込むので、まるで台所仕事みたいなんですよね。

大学時代からの夢。ふたりの夢。そのかたちが「ISANA」。
――「ISANA」では「益久染織研究所」で学んだ染織技術を生かされていますね。旦那さんの家具製作はいつからお店に加わったのですか?
中川さん:家具の「ISANA」も、開店当初からなんです。大学時代から夫とは何かのお店をやりたいねって夢があり、いつとは決めていなかったけど、お店の軸となる何かをするための技術はお互いに付けようと決めていました。それで夫は家具職人の道へと進んでいったんです。
――それで家具と染織なんですね。
中川さん:そうなんですよ。昔からの夢を叶えるためにいろいろなことを学んで、2011年に、今だ!と思って物件探しをスタートしました。それでこの場所に出会ったんです。染織雑貨を販売するだけでなく、夫の作る家具を設えて実際に座って、見てもらえる「ISANA」は、お店まるごとで「ISANA」なんです。

昔から好きだった布というものを仕事にし、夫と長年の夢だったお店を開いた中川さん。夫婦でお店に立っているスタイルではないものの、しっかりと夫婦の存在が感じられる「ISANA」は、まるで鯨のようにゆったりとした時間が流れる素敵なお店でした。次は昔ながらのプリンを食べて、イスに座ってゆっくりとリラックスしにお邪魔したいです。
ISANA
新潟県新潟市中央区沼垂東3-5-22
080-5029-2941
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