Things

新潟で薪ストーブの魅力や楽しみ方を伝える「noble stove NIIGATA」。

あと少しで長かった新潟の冬も終わりを迎えます。寒い朝に目覚めてすぐや、誰もいない家に帰宅したときなど、一刻も早く部屋を暖めたいことって多いですよね。新潟市中央区の「S.H.S TOYANO」内にある「noble stove NIIGATA(ノーブルストーブニイガタ)」では、新潟の冬にぴったりな速暖性に優れた薪ストーブを販売しています。赤々と薪が燃える炎を眺めながら、マネージャーの濱田さんに薪ストーブの魅力を聞いてきました。

 

 

noble stove LLC

濱田 洋行 Hiroyuki Hamada

1979年山形県生まれ。新潟デザイン専門学校でインテリアデザインを学び、アパレルショップで経験を積んだのちに独立。10年の節目に閉店し、山形に戻って木製ブロックの仕事をはじめる。「skantherm®(スキャンサーム)」と出会ったことをきっかけに薪ストーブの魅力に目覚め、新潟でのユーザーを開拓するため2020年に「noble stove NIIGATA」をオープン。キャンプ、ラーメン、日本酒が好き。

 

アパレルショップのオーナーが、薪ストーブの販売店をオープンするまで。

——濱田さんが山形から新潟に来られたのはいつ頃なんですか?

濱田さん:高校を卒業してすぐインテリアデザインの勉強をするために、新潟のデザイン専門学校に入学したんです。

 

——昔から住まいへの興味があったんですね。

濱田さん:というよりも、ファッションの方に興味があったんです。いろいろなアパレルショップに出入りしていたんですけど、お店のお洒落な内装にも興味を持つようになっていって、インテリアを勉強してみようと思ったんですよね。

 

——専門学校を卒業した後はファッションとインテリア、どちらの道に進んだんですか?

濱田さん:ファッションです。アパレルのセレクトショップで6年くらい経験を積んだ後に独立して、古町で自分の店をオープンしたんです。その後は知り合いがやっていた木工玩具の事業を手伝ったことをきっかけに、自然や子どもと関わるような仕事がしたいと思うようになって、山形に戻って木製ブロックの仕事をはじめました。

 

 

——木工製品を通して自然へ興味を持つようになったんですね。

濱田さん:子どもの頃はよく家族でキャンプに行っていたんですよ。それ以来、仲間ともキャンプに出かけたりしていてアウトドアが好きでした。でも、より深く自然に対して考えるようになったのは、仕事として木と関わるようになってからですね。

 

——薪ストーブに関わるようになったのはどうしてなんでしょう?

濱田さん:米沢市にある販売店で、ドイツの薪ストーブブランド「skantherm®」と出会ったことがきっかけです。ひと目見て僕の中にあった薪ストーブのイメージがひっくり返る衝撃を受けました。その販売店の社長から、新潟にも「skantherm®」の販売店を作りたいと相談を受けたので、僕も協力する形で「noble stove NIIGATA」をオープンすることになったんです。

 

どんな空間にも馴染む、高気密で速暖性の高い薪ストーブ。

——「S.H.S TOYANO」のなかで「noble stove NIIGATA」をオープンしたのはどうしてなんですか?

濱田さん:薪ストーブを扱っているお店って、敷居が高くて入りにくいイメージがあると思うんです。でも僕は薪ストーブに興味がない人や、見たことがない人にこそ見てほしいと思っているんです。「S.H.S TOYANO」はオープンな空間で通りがかりのお客様にも見ていただけるし、暮らしへの意識が高い人も多いので、こちらで出店させていただいたんです。

 

——確かにぴったりな場所かもしれませんね。ところで、他の暖房器具と比べたときの薪ストーブの魅力って、どういうところにあると思いますか?

濱田さん:他の暖房器具に比べて不便な面はあるかもしれませんが、その不便さも含めて生活を楽しくしてくれるところにある思います。生活のなかで「木を燃やす」ことを通して、自然を身近に感じることができるので、子どもたちの学びにもつながるんですよ。僕は冬が好きじゃなかったんですけど、薪ストーブを使いはじめてからは冬が好きになりました(笑)

 

——では薪ストーブのなかでも「skantherm®」を勧めたいポイントをお聞きしていいですか。

濱田さん:まず世界的なデザイナーによる洗練されたデザインですね。スッキリしたシンプルなデザインなので、和洋室問わずにどんな場所へも配置できます。畳のお部屋でも違和感なく使うことができるんです。あと少量の薪で時間をかけずに部屋を暖めることができるのも大きな特徴になっています。

 

 

——じゃあ、ちょっとした時間にも暖をとることができるわけですね。

濱田さん:そうなんですよ。現在は住宅の気密性も向上しているので、ストーブの性能もそれに合わせて向上させる必要があると思っています。

 

——ストーブ以外にも木製ブロックとかコーヒー器具、お香を取り扱っているんですね。

濱田さん:ストーブには暖をとる以外にも楽しみ方があると思うんです。ストーブの前での団欒もそのひとつです。お酒やコーヒーを飲みながら語り合ったり、子どもと一緒に遊んだり……。そんなひとときに、ぴったりなアイテムを扱っています。

 

 

——今後やってみたいことがあったら教えてください。

濱田さん:薪ストーブを通して自然環境について考える機会が増えたので、森林保護につながるような取り組みをしていけたらと思っています。

 

——というと?

濱田さん:100年後には新潟から林業が消滅するといわれているんです。今でも林業に関わる人の数は減ってきていて、まったく足りない状況なんですよ。木を切るばかりで植えることをしないから、森林もなくなっていく一方なんです。山と人里の中間にあった里山がなくなったことで、山から下りてきた熊や猪が人里に姿を現すようになりました。

 

——それに対してどんな取り組みをして行こうと思っているんでしょう?

濱田さん:「コトモリ」というイベントを開催して、子どもたちに遊びながら木や森について学べる機会を提供しています。個人ができることなんて知れているかもしれませんが、自分にできることをやっていきたいと思っているんです。「コトモリ」は木製のおもちゃで遊んだり、アクセサリーの木工を体験したり、木の苗木を育てたりして、木に触れて興味を持ってもらうためのイベントです。いつか育てた苗木を山に植樹するイベントもやってみたいと考えています。木製のテーブルを見て「これには何の木が使われているんだろう」と考えるような子どもが増えたらいいなと思っているんです。

 

——木や森に興味を持つ子どもが、もっと増えるといいですね。

濱田さん:小学1年生になるうちの子どもが「木を植えよう」というテーマのポスターを作って、図画のコンクールで文部科学大臣賞を受賞したんですよ。あっという間に父親の取り組みを越えてしまったなと思いましたね(笑)

 

 

 

noble stove NIIGATA

新潟市中央区女池南3-5-1

025-282-7534

10:30-19:00

水曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP