季節とともに暮らす。「となう」が考える健康のあり方。
その他
2025.06.11
五泉市を中心活動しているプロジェクト、「となう」。漢方と音楽で、身体も心も健康になる提案をしています。「となう」の発起人の森山さんは、現役の薬剤師として五泉市の「こみち薬局」で働いています。今回は森山さんと「となう」の運営に携わる佐藤さんに、はじめたきっかけや、プロジェクトを通して伝えたいことなど、お話を聞いてきました。

となう
森山 和也 Kazuya Moriyama
1988年三条市出身。新潟薬科大学を卒業後、薬剤師として長岡市内で3年、五泉市内の薬局で3年働く。その後「株式会社ケミカルエイジ」を立ち上げ、「となう」の活動をはじめる。最近ハマっていることは、器を集めること。

となう
佐藤 麻美 Asamii Sato
小千谷市出身。専門学校を卒業後、保育士として働きながら「GOOD MELLOW CAMP」のメンバーとして、イベント運営や撮影に携わる。「となう」では、イベント運営や広報を担当している。旅行が趣味で、最近は九州に行ったそう。

健康をもっとおしゃれに、かっこよく。
――今日はよろしくお願いします。早速ですが「となう」とは、どんなプロジェクトなのでしょうか。
森山さん:心と身体が健康になるような提案を、音楽や飲食、雑貨を通して伝えるプロジェクトです。今は不定期でイベントを開催しています。
――森山さんは現役の薬剤師さんです。どうして「となう」をつくろうと思ったのでしょうか。
森山さん:病院に行く前に体調が崩れるのを防ぐ「一次予防」を、薬剤師がやるべきなんじゃないかって思ったんです。もちろん、薬局は医療の場として必要なんですけど、病院に行かなくても健康であることに越したことはないじゃないですか。
――確かに。薬剤師として、「一次予防」の考えを広めようと思った、意図を教えてください。
森山さん:「かっこいい薬剤師」のイメージをつくりたかったんです。薬剤師ってかっこいいのに、うまく魅力が伝わっていないなって。「一次予防」をおしゃれに、かっこよく伝えれば、薬剤師のイメージも変わるんじゃないかと思ったんです。

――新しい薬剤師像をつくることからはじまったんですね。佐藤さんは保育士として働いていたんですよね。
佐藤さん:保育の仕事をしながら、「GOOD MELLOW CAMP」の活動をはじめたんです。そこでイベントやウェディングの装飾、撮影など、いろんなことにチャレンジさせてもらいました。「となう」では昨年からイベントの装飾や広報に本格的に携わらせてもらっています。
――どうして「となう」で活動をすることに決めたのでしょうか。
佐藤さん:あるとき、体調とメンタルを崩してしまったときがあって。病院にいくまでもなかったんですけど、不安もあって。どこに頼ればいいかわからなかったんです。私みたいな経験をしている方が、頼れる場所をつくっていきたいと思いました。この経験があったからこそ、森山さんと一緒に「となう」で発信していこうと決めました。

――不定期で開催しているイベントは、どんなテーマで開催されているのでしょうか。
森山さん:身体が健康になるために出来ることの提案を、音楽や飲食、雑貨を通して伝えています。僕自身が音楽好きなのもあって、プロではない人たちも気軽に楽しめるように企画をしています。
佐藤さん:音楽を聴いて心地いいと思ったり、お花の香りを嗅いでリラックスしたり、雑貨を見てワクワクすることは、全部健康に関わっています。ただイベントを楽しんでくれる人も、知らないうちに健康を意識できるようなイベントになっていると思います。

季節を感じながら、一次予防。
――健康的になるための提案って、どんなことをしているのでしょうか。
森山さん:薬剤師という仕事上、成分をよく見ているんです。だから最初は、成分をひとつピックアップしたイベントを開催しました。そのときは「鉄」を取り上げて、出店してくれる飲食店の方に鉄分の豊富な食材を使って商品をつくってもらいましたね。
佐藤さん:その後は「一次予防」をもっと身近に感じてほしくて、季節ごとの身体の悩みに合わせたテーマでイベントをしました。過去には、冬の冷え対策や、これからはじまる梅雨に多い、「むくみ」をテーマにイベントを開催しましたね。
――季節によって身体の悩み、あまり意識していませんでした……。
森山さん:そういった方は結構多いと思いますよ。「となう」は「季節とともに暮らす」をテーマに活動をしているんです。「二十四節気(にじゅうしせっき)」に基づいて、その時期がどんな時期で、何を食べるといいのかを、SNSで発信していますよ。
――「二十四節気」?
佐藤さん:一年を春、夏、秋、冬に分けて、そこからさらに、ひとつの季節を6つに分ける考え方です。例えば春だったら、冬が終わった後の春と、夏に入る前の春では、気候がまったく違いますよね。ということは、それぞれ過ごし方も変わるはずなんです。同じ季節の中でもそのフェーズにあった過ごし方を、薬ではなく漢方学を通して提案しています。
森山さん:漢方学って難しいイメージを持つ方もいるかも知れませんが、結構単純なんですよ。元々その土地に住んでいた人が、そこで採れたものを食べて、健康を保つという考えを元にしているので。これから来る夏には、地元で取れる夏野菜を食べるのが身体にはいい、とかそんなものなんです。

――そこまで構えなくてもいいんですね。
佐藤さん:イベント自体も、大々的に「健康」をうたっていなくて。美味いごはんが食べられる、おしゃれなイベントにきていたら、知らず知らずのうちに健康になっていた、みたいな状態で全然OKなんです。
森山さん:イベントとして音楽をやることも、実は健康につながっていていますよ。上手じゃなくても自分の表現がアウトプットできると、楽しいですよね。そんなポジティブな感情は健康にとってもいいと思います。そういう機会があるだけで、そこに向けて体調を整えたりとか、前向きな感情になったりとか。健康を意識するきっかけになるんです。
――健康がよりカジュアルな存在になりますね。
森山さん:そうですね。「となう」のイベントに来てくれた人が「この時期はこんなことに気をつけよう」って季節を感じながら、健康を少しでも意識してくれたらいいなと思っています。

「となう」が、健康の入り口に。
――「となう」はこれからどうなっていくのか、教えてください。
森山さん:本当は僕の働いている「こみち薬局」で「となう」として漢方を販売したり、その人にあった漢方をご案内したいんですけど、日常の薬剤師の業務と並行してやろうと思うと、現実的に難しいんです。
――地域の薬局は医療にとって欠かせない存在ですもんね。
森山さん:だから、「こみち薬局」の外に「となう」のお店をつくることにしたんです。ちょうど今、絶賛準備中で。季節の食材を使ったスイーツやドリンクをお出しして、漢方茶やスパイス、ハンドクリームなども販売する予定です。
佐藤さん:お店には、私が立つ予定なんです。お店を出したとき、私も漢方についてきちんとお伝えできるように「登録販売者」の資格を取りたいと思っています。

――これからが楽しみになってきました。
森山さん:そう思ってもらえたら嬉しいです。これから「となう」をもっと多くの人に知ってもらうために、僕たちも漢方を使ったセルフメディケーションの考え方を、きれいに伝えていきたいと思っています。
――「となう」が自分の健康の入り口になっていくんですね。
森山さん:「となう」が動詞になるくらい、身近なものになってくれると嬉しいですね(笑)。韓国や台湾では、食事や日常の生活に、漢方が自然と取り入れられているんです。日本でもそうなれるように、サウナやアパレルみたいな異業種ともコラボして健康を広めていきたいですね。

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