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カジュアルに楽しむ窯焼きピッツァ、「ニイガタ ピッツェリア ベントエマーレ」。

ビブグルマンを獲得したこともあるナポリピッツァの専門店「ニイガタ ピッツェリア ベントエマーレ」が、今年8月にリニューアルオープンしました。飲食店を展開する「株式会社 ダーンディッシュプロジェクト」が経営を引き継ぎ、カウンター席を新設したり、新メニューの提供をはじめたりと、よりカジュアルにピッツァを楽しめるお店へと生まれ変わったそうです。新店長を勤める安宅さんに、リニューアルしてからのことについてお話を聞いてきました。

 

 

株式会社 ダーンディッシュプロジェクト

安宅 直史 Naoshi Ataka

1984年新潟市生まれ。調理の専門学校を卒業後、イタリアンのお店で働く。その後上越の結婚式場やフレンチレストランに勤め、経験を積む。今年の2月まで万代の「CHEZ EMA」でシェフを務め、閉店を機に「ニイガタ ピッツェリア ベントエマーレ」の店長に就任。休日も料理をするほどの料理好き。

 

イタリアンやフレンチで腕を磨いていきたシェフが焼き上げる。

――まず、安宅さんがこちらの店長になるまでのことを教えてください。

安宅さん:調理系の専門学校を出て、いちばん最初に勤めたのがイタリアンのお店でした。ピッツァを出すしパスタも出すし、いろいろなことをさせてもらえて、そこで初めて本格的なピッツァに触れましたね。その後も結婚式場やフレンチレストランなどで働いてきました。

 

――そもそも、どうして料理の道に進もうと思ったんでしょう?

安宅さん:僕は母親に育ててもらったんですけど、男手がいなかったので、料理や買い物を手伝っていたんです。そのうち「料理って面白いな」って思うようになったのがきっかけですね。

 

――お母さんのお手伝いが料理を好きなるきっかけだったんですね。ここへ入る前はどちらで働かれていたんですか?

安宅さん:今年の2月まで万代のレストランでシェフをやらせていただいていました。でもそこが閉店することになって次はどうしようかなと悩んでいたときに、今の会社の社長とお会いしたんです。それがきっかけになって、またピッツァの世界に進んでみようかなと思って「ベントエマーレ」に入りました。

 

 

――「ベントエマーレ」というとピッツァの名店で知られていると思います。そこで店長を勤めることに不安はありませんでしたか?

安宅さん:最初はもう、歴史がありますし、過去にビブグルマンを受賞したこともあるお店なので「大丈夫かな」という不安はありました。それでもやってみたいっていう気持ちが勝ったというか。せっかくの機会だし、やらない手はないなっていう思いが強かったですね。

 

――店長になられてから、リニューアルに向けてどんなふうに準備を進めていったんでしょう?

安宅さん:東京に「ベントエマーレ」の本店があるので、最初にそちらでピッツァの生地の作り方、成形の仕方、焼き方、窯の温度の作り方などを習いました。その後は新潟店に戻ってきて、4ヶ月の引き継ぎ期間で、その習った技術を徹底的に反復しました。「ベントエマーレのピザの味が変わった」と言われないように、しっかり準備をしてきましたね。

 

――東京では他のピッツェリアにも行かれたんでしょうか。

安宅さん:東京はピッツェリアがすごく多いですからね。本店で修業する間の今しか行くタイミングがないなと思って、空いてる時間はとにかくいろいろな人気店を回りました。1日で3〜4軒ぐらいハシゴして、お腹いっぱいにはなりましたけど(笑)。すごく勉強になりました。

 

県産の食材を使った、ここでしか味わえないピッツァ。

――リニューアルオープンしてから、大きく変わったのはどんなところなんですか?

安宅さん:まずはメニューです。ピッツァに加えて、新潟食材を使った本格的なイタリア料理をご用意いたしました。また内装も新しくして、1階にカウンターなどを設置して、2階に新しく客席を設けました。

 

――1階はカウンター席もあるんですね。

安宅さん:カウンター席は「ひとりでビールとピザを」なんてお客様にも楽しんでいただけます。1階の席はハイチェア・ハイテーブルなので、サクっと来て、ピッツァを召し上がっていただける空間にしています。逆に2階席は広めのテーブル席なので、ゆっくりとお食事やお酒を楽しんでいただいて最後にピッツァを食べる、なんて使い方ができる空間に仕上がっていると思います。

 

 

――サクッと楽しみたい人からゆっくりしたい人まで、より幅広い楽しみ方ができるようになったわけですね。メニューについて変えたところはどういった点ですか?

安宅さん:ピッツァに関してはしっかりと本店の味を再現した、王道のマルゲリータをはじめとする17種類をご用意しています。そこに加えて、旬の新潟食材を使った季節のピッツァを新潟店オリジナルで用意させていただいてます。

 

――新潟の食材を使ったピッツァって、例えばどんなものなんですか?

安宅さん:今お出ししているピッツァが「黒崎茶豆のPIZZA」というオリジナルピッツァです。今後も旬の新潟食材をつかったピッツァを季節ごとにご案内して、県内はもちろん、県外の方がいらっしゃったときに、「ここにでしか食べられないピッツァがあるんだ!」と思っていただけるようにしていきたいですね。

 

 

――茶豆のピッツァって初めて聞きました。見た目も鮮やかだし美味しそう。

安宅さん:それからピザ以外のお料理に関しては、南イタリアの料理を中心にご用意しています。おすすめは県産のイワシやアジを使ったオイルサーディンですね。ただ当店のオイルサーディンは普通のものと違って、レアで仕上げているんです。

 

――へ〜。オイルサーディンって、しっかり火が入った魚を使うイメージがありました。

安宅さん:よくあるものだと缶詰に入った、焼き魚に近いものを思い浮かべますよね。そうではなくて、お刺身で召し上がれる魚を少しレア気味に火入れして、そちらを自家製のフォカッチャと一緒に召し上がっていただきます。

 

――それはもう絶対お酒に合いますね。できるだけ県産の魚や野菜を使うようにしているんでしょうか。

安宅さん:そうですね。県産の野菜をメインで使っていて、今の季節ですと夏野菜の冷製カポナータ、あとは茄子のオーブン焼きといったメニューを取り揃えています。新潟は食材の宝庫だと思うので、それを使わない手はないと思いますし、新潟を活性化させていきたいっていう思いもあります。

 

ピッツァに対する価値観を変えたい。

――新しくなった「ベントエマーレ」へ、どんなお客さんに来てほしいですか?

安宅さん:個人的に思うのは、今まで宅配ピザを召し上がってきて「ピザってこういうものだよね」と思っていた方に来ていただきたいですね。そういう方たちの価値観を変えたいと思っています。

 

――確かに宅配ピザが浸透しすぎて、お店で食べるピッツァの美味しさを知らない人は多そうですよね。

安宅さん:あれはあれですごくいいとは思うんですけどね。ただ、レストランやピッツェリアで楽しんでいただく以上は「その瞬間を楽しむもの」というところにフォーカスされるべきなんじゃないかなと思います。

 

――お店での体験も含めて提供しているわけですね。

安宅さん:窯で焼いた焼きたてのピザってこんなに美味しいんだっていうこととか、薪のいい香りがして、五感を刺激して食べるものなんだっていうことを感じていただけたら嬉しいですね。

 

 

――近いうちにコラボイベントを開催される予定だと聞きました。

安宅さん:今月28日と29日に、古町の「アマランサス」さんと西蒲区の「長谷川屋」さんとコラボさせていただくことになりまして。土曜はコラボディナーで、日曜はコラボランチを開催します。

 

――それは楽しそうな組み合わせですね。

安宅さん:アラカルトでは「アマランサス」の生ハムを召し上がっていただけますし、コースでは生ハムを使った前菜はもちろん、コラボピッツァも楽しめる内容になっています。「長谷川屋」さんは土曜のディナーコースのみの参加なんですけど、料理に合ったナチュラルワインをセレクト・サーブしていただく予定です。

 

――今後も他のお店とコラボする予定なんですか?

安宅さん:今回のイベントを皮切りに、いろんな方とコラボさせていただく予定です。ピッツァの可能性をより広げていけたらなと思っています。

 

 

 

ニイガタ ピッツェリア ベントエマーレ

新潟市中央区東大通 2丁目3-5

TEL: 025-385-6646

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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