生まれ変わった新潟の伝統菓子
浮き星を楽しむ「喫茶UKIHOSHI」

食べる

2026.06.16

text by Kazuaki Yamazaki

「浮き星」というお菓子をご存じでしょうか。聞き馴染みがなくても「ゆか里」なら知っているという人は多いかもしれませんね。金平糖(こんぺいとう)と混同している人もいるかもしれません。今回は浮き星について詳しくお話を聞くため、上古町の百年長屋SAN(サン)の中にある「喫茶UKIHOSHI(ウキホシ)」のスタッフ・野口さんを訪ねました。

Interview

野口 陽子

Yoko Noguchi(喫茶UKIHOSHI)

1987年福岡県生まれ。地元のアパレルショップ、東京のバーやメキシコ料理店を経て、2006年に新潟へ移住。2022年より「喫茶UKIHOSHI」のスタッフとして働きはじめる。ものづくりが好きで、現在は銅版画を教わっている。

新潟で最も古い伝統菓子が
リデザインして生まれ変わる。

――この瓶に入っているお菓子が「浮き星」ですか。見た目は金平糖そっくりですね。

野口さん:どちらも砂糖蜜を使って回転鍋でつくるので、あの独特なとげとげができるんです。ただ、砂糖蜜だけでつくる金平糖に対して浮き星はあられを砂糖蜜でコーティングしてつくるので、サクサクとした食感が楽しめます。

 

――中身が違うんですね。

野口さん:もともと「ゆか里」という名で明治時代から親しまれてきた、新潟でいちばん古いとされる銘菓なんですよ。ゆか里をつくり続けているお店のなかで唯一残っているのが明治屋ゆか里店で、明治33年(1900年)の創業以来、126年も続いてきた老舗なんです。

 

――あ、浮き星っていうのはゆか里のことだったんですね。それなら知っています。ただ、そんなに歴史のあるお菓子だとは知りませんでした。

野口さん:時代の変化で売場が減り後継者も育たないという現状を知って、なんとか後世に残すため「浮き星」としてリデザインしたんです。

 

――新しい名前に変えて、若い世代にも親しみやすく。

野口さん:ネーミングだけではなくパッケージも新しくしました。それまでのゆか里は大きめの袋に入っていたんですけど、容量を減らしてコンパクトなサイズにすることで、お土産として使いやすい商品に生まれ変わらせました。

 

――浮き星の魅力って、どんなところだと思いますか?

野口さん:味だけじゃなく、食感や可愛い見た目も楽しめるところですね。いろいろな食べ方も試せて、無限の楽しみ方を秘めたお菓子だと思っています。

 

Advertisement

14種類もの様々な味わいと
100種類以上のデザイン缶が楽しめる。

――それにしても、たくさんの種類があるんですね。

野口さん:もともとは「ゆず」「しょうが」「しそ」「抹茶」の4種類しかなかったんですけど、今では「ミント」「いちご」「シナモン」「コーヒー」「黒糖」などが増えて14種類になりました。なかには浮き星には合わなくて、あきらめたフレーバーもあったんです。例えば柑橘系のフレーバーは、とげができにくかったので商品化できませんでした。

 

――そうなんですね。他にも今後の新商品として考えているものはあるんでしょうか?

野口さん:笹祝酒造さんとコラボした「米糀」が新しく加わります。ご縁があればこれからも、新潟の企業とのコラボ商品を考えていきたいですね。

 

――新潟らしい商品が増えていくのは楽しみですね。でも、14種類以上の商品が並んでいるような気がするんですけど……。

野口さん:フレーバーは14種類なんですけど、いろいろなデザイナーやイラストレーターにお願いして100種類以上のデザイン缶をご用意しているんです。豊富な種類の中から選ぶ楽しみもできますし、お土産に、相手に合わせたデザイン缶を贈ることもできるんです。

 

Advertisement

「浮き星」を使ったメニュー、
いろいろな食べ方の提案をする店。

――「喫茶UKIHOSHI」についても教えてください。

野口さん:ただ浮き星を店頭に並べていても、どんなお菓子なのかわからなくて手に取りにくいと思うんですよ。そこで実際に味わっていただいて、浮き星の魅力を知っていただけるように「喫茶UKIHOSHI」をオープンしました。

 

――なかなか口にする機会も少ないですもんね。

野口さん:そうですね。浮き星はそのまま召し上がっていただいたり、お湯に溶かして楽しんでいただいたりするんですけど、ソフトクリームと合わせたりドリンクに入れたり、いろいろな楽しみ方の提案ができる場所でもあるんです。

 

――カフェメニューを考えるときに、心掛けていることはありますか?

野口さん:いろいろな年代の方が集う場所ですので、幅広く受け入れていただけて、子どもからお年寄りまでどんな方にも楽しめるメニューにするよう心掛けています。あと、なるべく新潟の素材を使うようにしているんです。阿賀野市にある神田酪農さんの牛乳を使ったソフトクリームとか、新潟市にあるあんフーズさんのあんこを使ったぜんざいとか。浮き星を使ったメニュー以外でも、新潟県産の米粉でつくったフォーや、新潟米のおにぎりを楽しんでいただきたいですね。

 

――観光で訪れたお客さんにも、喜んでもらえそうですね。

野口さん:海外から来た旅行者も楽しんでくれています。あと、新潟県民会館でのライブに行かれる方が、自分が応援している推しの色の浮き星を選んで買っていきます(笑)

 

Advertisement

県内での認知度を上げて
いつかは新潟土産の定番にしたい。

――浮き星の知名度も少しずつ上がってきたんじゃないですか。

野口さん:おかげさまで、全国の雑貨店やインテリアショップで取り扱っていただき、新潟土産として少しずつ認知されるようになってきました。そのおかげで明治屋ゆか里店にも四代目の跡取りが生まれて、浮き星を続けていくことができるようになったんです。

 

――それはおめでとうございます。これからは、どんなふうに「浮き星」を守っていこうと考えていますか?

野口さん:県外でのイベント出店が多かったので、県内での認知度はまだ低いんです。ですから、これからは県内のイベントに出店して浮き星をアピールしていきたいですね。いつかは笹団子くらいポピュラーな、新潟土産の定番になってくれたら嬉しいです。

 

――そのためにも、「喫茶UKIHOSHI」を盛り上げていきたいですね。

野口さん:上古町エリアや新潟市を楽しんでいただくお手伝いができたらいいですね。そのためにも続けていくことが大切ですし、続けるためには変化していくことも必要だと思っています。

 

喫茶UKIHOSHI

新潟市中央区古町通3-653

025-378-0593

9:30-18:00 (土日祝日は10:00から)

火曜休

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

Advertisement

関連記事

新しい記事

ランダムピックアップ

三条と一ノ木戸商店街の魅力を伝える発信基地「TREE」とは?

この記事へ

MAGAZINE

now on sale

この街の、人、モノ、こと。
ちょっと知って、ちょっと好きになる
新潟のウェブマガジン[ シングス ]。

PR | ベルーナグルメ

「ベルーナグルメ」が届ける、
新潟地酒飲みくらべ。

詳しくはこちら
レコメンド一覧

Advertisement